このところ「50年に1度」や「観測史上最大最高」などと言われる記録的な異常気象が全国各地で毎年のように発生しています。

夏の暑さも年ごとに過酷さを増しており、真夏にエアコンを使うかどうかは命にかかわる問題になっています。

しかし家や部屋によっては、エアコンの室外機が設置できない場合も少なくありません。そんなときには室外機なしのエアコンを考えてみてはいかがでしょうか。

室外機なしのエアコンとは

エアコンは液体が気化するときに熱を奪い、凝結するときに熱を出す性質を利用して空気を冷やす電気製品です。

具体的には、フロンなどの冷媒がエアコンの中で液体になったり気体になったりしながら、室内の熱を取り込んで、室外に放出する仕組みです。

エアコンの多くは室内機と室外機が別体になっていて、双方が冷媒を通す密閉型のパイプによって連結されています。このようなエアコンは取り付け時に室内機や室外機の設置スペースを確保したり、壁にパイプを通す穴を開けたりする必要があります。

また別体型エアコンは大きく強力で消費電力が大きく、機種によっては200V電源が必要です。

それに対して窓用エアコンや冷風機は室内機と室外機が一体になっているために設置が簡単で価格が安く、室外機の設置スペースも必要ありません。また冷風機の多くは簡単に移動することができるので、一時的に使いたいときなどに便利です。

欠点は窓用エアコンも冷風機も本体に内蔵している圧縮機の音がややうるさいことと、別体型に比べて冷房能力が小さいことですが、消費電力も別体型ほど大きくはないので、200V電源は不要です。

窓用エアコンのおすすめ

窓用エアコンは国内の大手家電メーカーはすでに製造を打ち切っていますが、国内の中堅メーカーや中国メーカーの製品が現行品として入手可能です。

コロナ CWH-A1818

株式会社コロナは、新潟県三条市に本社を置く空調機器や住宅設備機器の専門メーカーです。

窓用エアコンは同社の家電機器部門の主力商品のひとつで、冷房専用機と冷暖房兼用機が用意されています。

CWH-A1818は冷暖房兼用タイプで、4畳から6畳ほどの部屋に対応しています。取り付けは簡単で、付属の窓枠を使えば、高さ770~1400㎜の窓に取り付けることができます。それ以上の窓には、別売りのテラス窓用の枠を組み合わせる必要があります。

コロナ CWH-A1818

トヨトミ TIW-A180I

株式会社トヨトミは愛知県名古屋市に本社を置く大手空調機器メーカーです。

同社の窓用エアコンTIW-A180Iは、上級モデルのTIW-AS180Iから人感センサーやドレン水除菌、内部乾燥モードを省略したスタンダードモデルで、エアコンとしての基本性能はAS180Iと変わりません。

トヨトミの窓用エアコンシリーズは吹き出し口が本体中央にあり、冷風が左右均等に広がるのが特色です。

トヨトミ TIW-A180I

冷風機のおすすめ

冷風機は小型で移動可能な冷房装置で、スポットクーラー、スポットエアコンとも呼ぶばれます。

冷風機の基本的な仕組みはエアコンと同じで、密閉したパイプ内の冷媒を凝結させたり気化させたりすることで、空気を冷やして送風します。その際、排熱と冷風をまぜて送風すれば除湿乾燥機になり、別々に送風すれば、冷風機やスポットクーラー、あるいはスポットエアコン、ということになります。

スポットクーラーは冷気を前方に放出し、排熱を含んだ熱気を背後から放出します。したがって密閉した室内で使用すると、室温は下がるどころか、むしろ上がってしまいます。そのためクーラーとして使用するには、トヨトミのTAD-2218Wのように排熱を室外に放出し、吸気も室外から取り込む必要があります。

コロナのCDM-1018のように排気だけを出して吸気を室内から取り込むタイプの冷風機では、室内の気圧が下がって、暑い外気が窓や壁のすきまから入ってくるため、室温を下げることはできません。

トヨトミ TAD-2218W

TAD-2218Wは冷暖房機能を備えたスポットエアコンです。単体でも冷温風機として利用できるのはもちろんですが、付属のダクトで排気を室外に出すと同時に、吸気を室外から取り込むことで、簡易エアコンとして使用できます。

吸排気ダクトを装着した場合の冷房能力は窓用クーラーに匹敵しますが、サイズや重量、消費電力もそれなりに大きく、騒音もかなりのレベルになることを覚悟しなければなりません。

トヨトミ TAD-2218W

コロナ CDM-1018

CDM-1018はスポット冷風機としても使用できる移動可能な除湿器です。

衣類乾燥や除湿モードでは、排熱と冷風を混合して放出しますが、冷風モードに切り替えることで冷たい風を前方へ放出し、排熱を分離して背後から放出します。付属のダクトで排熱だけを屋外に出すこともできますが、吸気は室内で取り込むため、外気を部屋に入れる必要があります。

そのためクーラーのように部屋全体を冷やすことはできません。閉めきった部屋で使用すると室温はむしろ上がります。その意味ではスポットクーラーにもなる乾燥除湿機と考えた方が良いでしょう。

コロナ CDM-1018

冷風扇のおすすめ

冷風扇は、水が蒸発するときに周囲の熱を奪う原理を応用したシンプルな冷房装置です。

基本的には水を含んだスポンジや不織布などのフィルターに風を通し、水分が蒸発して涼しくなった風を送り出す仕組みです。冷風扇の利点は消費電力が少なく騒音が小さいこと、小型軽量で安価なこと、風が冷たくなりすぎず、しかも湿気を含んでいるので、身体の弱い高齢者や乳幼児の負担にならないこと、などがあげられます。

欠点は一定時間ごとに水を補給する必要があること、運転中は湿度が上昇するため、密閉空間で使用しつづけるとかえって蒸し暑くなってしまうこと、冷却能力が小さいうえに、梅雨時など湿度が高い環境では、ほとんど冷えなくなってしまうこと、長時間使用しつづけるとフィルターにカビや雑菌がはびこり不衛生になりやすいこと、などがあげられます。

SKジャパン SKJ-WM50R2

福岡県筑紫野市の家電メーカー、SKジャパンが製造するSKJ-WM50R2は、エアコンが苦手な方におすすめの冷風扇です。風量調節は「弱・中・強」の3段階に加えて、「リズム」や「おやすみ」モードを搭載。水タンクは3.8Lの大容量。消費電力はわずか45W(50/60Hz共用)の省エネです。

SKジャパン SKJ-WM50R2

山善 FCR-E403

山善は大阪市に本社を置く住設建材や家庭機器などの専門商社です。同社が「ヤマゼン」のブランドで販売しているFCR-E403はスリムなタワー型の冷風扇で、エアコンの乾いた冷風が苦手な方におすすめのやさしい涼風を送り出すことができます。

風量調節は3段階。「リズム風」では風速をランダムに変えることで、より自然に近い風を届けます。水タンクの容量は約2.0L。消費電力は50Hzでわずか37Wの省エネ設計です。

山善 FCR-E403

室外機なしエアコンのまとめ

  • エアコンは、冷媒がパイプ内を移動しながら気化と凝結をくり返すことで室内の熱を吸収し、戸外に放出する器具です。
  • 窓用エアコンや冷風機の基本的な仕組みは、室内機と室外機が別体になったエアコンと同じです。
  • 冷風機は吸気を室外から取り込みながら排気を室外に放出しないと、部屋全体を涼しくすることはできません。
  • 冷風扇は水が蒸発するときに熱を奪う性質を利用して涼風を送り出す簡単なクーラーです。