「広角レンズ」というと、カメラに関心がない方は魚眼レンズのようなマニア向きのレンズを連想されるかもしれません。たしかに魚眼レンズも広角レンズのひとつですが、ほんとうにマニアックな特殊レンズです。

ふつうの広角レンズは最も一般的で身近なレンズで、コンパクトカメラやスマホカメラのほとんどに搭載されています。ズームレンズも望遠系以外はたいてい広角側もカバーしています。

他のレンズと比べて使用頻度が圧倒的に高いのが広角レンズです。その特徴を理解すれば、より魅力的な写真を撮ることができます。そこでここではカメラの広角レンズについて解説します。

広角レンズはどんな仕組み?

レンズの特徴を示す数値に「焦点距離」があります。焦点距離はレンズのピントを合わせた状態で、レンズから受光素子までの距離を示す数値です。

焦点距離を計るときのレンズ側の起点を「主点」といいます。

虫眼鏡のようにレンズが1枚しかない場合、主点はレンズの断面の中心になります。一方、カメラ用のレンズは複数のレンズがセットになっていますので、主点はレンズに入った光の屈折角から算定します。

広角レンズの焦点距離は、35mm判のカメラに換算して35mm以下になります。焦点距離が短ければ短いほど写真に写る範囲が広くなります。

特に焦点距離が20mm以下のレンズでは、写る角度が不自然なほど広大になり、独特の奥行き感が表現できます。

そのようなレンズを「超広角レンズ」と呼びます。14mm以下の超広角になると、ふつうに立ってカメラを水平に構えても、自分のつま先が写ったりします。魚眼レンズはもっと極端で、レンズの周囲180度が丸く写り込みます。

イメージ的にはピカピカの金属球体の表面に写る景色と同じです。広角レンズの特徴は大きく分けて3つあります。

ひとつは先述のように広い範囲を1枚におさめた写真を撮影できること。したがって広々とした風景を切り取らずに撮影したり、室内をくまなく撮影したりするのに適しています。2つめの特徴は奥行きを強調できること。

人やペット、花などを写真の主役にするとき、カメラを主役に近づけると、背景との距離感が大きくなって、奥行きや立体感のある写真を撮ることができます。

望遠レンズは被写体に近づかなくてもアップで撮れますが、背景はほとんど写り込みませんし、ピントもボケてしまいます。広角レンズの特徴の3つめは被写界深度が大きいこと。

「被写界深度」というのは写真の専門用語で、ピントが合う距離の幅のことです。望遠レンズは被写界深度が浅いので、被写体の前後が大きくボケますが、広角レンズは被写界深度が大きく、人物にピントを合わせても、背景が大きくぼけることはありません。

これらの特徴は広角の単レンズでもズームレンズの広角側でも基本的には同じです。

旅先で広角レンズを使いこなす際の注意点

旅行では、見たものや食べたものをたくさん写真に撮って仲間とシェアしたり、インスタグラムにアップするのも楽しみのひとつです。

ここでは旅先で広角レンズを使いこなすうえでの、ちょっとした注意点などを解説します。

旅行では何気なく撮る際は広角側で撮るとよい

旅の目的にもよりますが、ふつうの旅行では望遠レンズよりも広角レンズのほうが使用頻度が高くなります。花や料理などを撮るときも広角レンズの方が最短撮影距離が短いので、カメラを思い切り寄せて撮ることができます。

ズームレンズなら望遠側でアップにすればよさそうに思えますが、カメラ近づけて撮影できる状況なら、広角レンズでアップにする方が、遠近感を強調できて迫力ある写真になります。

セルフィーも広角レンズの方が背景を広く撮れるので、旅の雰囲気を上手に表現することができます。

旅先ではレンズを意識せずにパシャパシャと何気なく写真を撮ってしまいがちですが、ズームレンズつきのカメラなら焦点距離の短い広角側で撮ってみることをおすすめします。

様々な機能で写真が別物にすることが出来る

広角レンズは風景や料理、集合写真などのシーンに適したレンズです。

一方、最近のスマホやカメラにはさまざまな機能があり、それをうまく活用することで、レンズの特性を最大限に生かしたより魅力的な写真が撮れるようになります。

たとえば手ぶれ補正機能は暗い場所でストロボを使えないときに役立ちますし、夕焼けや花火、夜景などを撮りたいときにはシーンモードを選択すれば、雰囲気のある写真を撮ることができます。

最近のスマホやデジカメは、シャッターを押すだけできれいな写真が撮れますが、レンズの特性やカメラの機能を理解して使いこなすことで、より魅力的な写真を撮ることができます。

広角レンズを選ぶポイント

広角レンズやカメラの購入を考えている方は、シーンや目的に応じたものを選びましょう。たとえばアウトドアやフィールドワーク用なら、レンズだけでなくカメラもそれにふさわしいタフさを備えたものが良いでしょう。

コンパクトカメラではオリンパス Tough TG-5が最適です。レンズは35判換算で25-100mm。 F2.0という明るさなので、暗いところでもシャッター速度を速くしてブレをおさえることができます。

防水機能は水深15mに対応。耐衝撃性にも定評があります。レンズ交換式カメラをお持ちの方は、35mm判換算で24-120mmクラスのズームが軽量コンパクトで、使い勝手も良好です。

風景や建造物をダイナミックに撮りたい方は、超広角域を含む18-35mmレンズも併用するのがよいでしょう。室内撮影がメインの場合はF値が小さい大口径レンズがおすすめです。

おすすめ広角レンズ5選

ニコン AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED

ニコンAF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G EDは、対角線画角100度の超広角から標準レンズに近い35mmまでを倍率1.9倍でカバーする35mmフルサイズ一眼レフ用のオールマイティな広角ズームレンズです。

重量は385gと軽量ですが、非球面レンズとEDレンズの採用で高い光学性能を実現しています。AFの駆動はSWM(超音波モーター)で静粛性も高く、動画撮影時も活躍できるレンズです。

キヤノン EF35mm F2 IS USM

キヤノンEF35mm F2 IS USMは、35mmというなじみやすい焦点距離とF2の明るさを持つ高画質の単焦点レンズです。

AF駆動にはキヤノン自慢のリングUSMと高速CPUを搭載しています。

AF のアルゴリズムも最適化してクイックで正確なピント合わせを実現しており、合焦後もマニュアルでピントの微調整ができるフルタイムMF機構も搭載しています。

さらに手ブレ補正システムも装備していますので、夜間撮影やストロボが使えないシーンでも安心して撮影できます。

ソニー FE 12-24mm F4 G

ソニーFE 12-24mm F4 Gは画角121度から84度までの超広角域をカバーするマニアックなズームレンズです。121度はソニーのEマウント用純正レンズで最も広い画角になります。

F4は明るいとはいえませんが小型軽量で携行性も高く、画面のすみずみまでシャープな描写を実現しています。

また光学収差が少なく、逆光でも建築物や風景をダイナミックに表現できるほか、動画撮影にも最適のレンズです。

富士フイルム フジノンXF8-16mmF2.8 R LM WR

フジノン XF8-16mmF2.8 R LM WRはAPS-Cサイズ用の広角ズームレンズです。35mm判換算で12-24mm相当の超広角領域をカバーしています。

開放F値はズーム全域2.8という大口径レンズです。超広角ながら優れた光学性能で画面全域をシャープに描写します。さらにF2.8の明るさでシーンを問わず遠近感をダイナミックに強調した撮影が可能です。

オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO

オリンパスのマイクロフォーサーズ用交換レンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROは世界で初めてF1.8という大口径を実現した対角線画角180度のフィッシュアイレンズです。

対角線魚眼ですので、画面全域に撮影できます。

大口径ながら高い光学性能により、絞り開放でも画面周辺部までキレの良いクリアな描写を実現します。別売の防水レンズポートを使った水中撮影も可能です。

広角レンズについてのまとめ

  • 広角レンズはスマホカメラやデジカメのほとんどに装着されている最も使用頻度の高いレンズです。
  • 広角レンズには写る範囲が広く、描写に奥行き感があり、ピントが合う領域が広いという特徴があります。
  • 一般的な旅行ではも望遠レンズよりも広角レンズのほうが使用頻度が高くなります。