トイカメラ(Toy Camera)をご存じでしょうか。

直訳すると、「おもちゃのカメラ」の意味ですが、トイカメラは市販のフィルムで写真を撮ることができるので、「おもちゃ」というより、「おもちゃのようなカメラ」という方が実情に合うかもしれません。

トイカメラは安価なだけが取り柄ですので、まともな写真を撮りたい人にとっては、品質や性能や信頼性など全ての面で使い物にならないカメラです。

一方で、まともなカメラでは決して撮れない低画質の写真にかえって味わいを感じる人もいます。それは千利休が大陸の素朴な生活雑器に「わびさび」の風情を感じたのと同じ感覚、というのは大げさでしょうか。

ここでは本物のカメラを知る人ほど逆にはまってしまう、トイカメラの魅力について解説します。

そもそもトイカメラとはなにか?

トイカメラはその昔、本格的なカメラがまだまだ高価で庶民には高嶺の花だった時代に、市販のフィルムで写真が撮れる安価なカメラとして誕生しました。

価格が安いだけに造りはおもちゃそのもので、ボディはもちろんレンズを含めた部品の大半が安っぽい合成樹脂でできています。

構造も単純で、工作精度や品質もほとんど「手抜き」のレベルです。生産国もロシアや中国など粗悪なコピー品造りを得意としている共産圏が多く、かつての東西の技術格差を象徴するようなカメラです。

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トイカメラの特徴

トイカメラは子供や大衆向けのカメラとして、可能な限りコストを抑えることを目的に設計製造されているのが、第一の特徴です。

ボディやレンズには安価で加工しやすいプラスチック素材を用い、製造工程もプラモデルなみに簡素化しています。

構造は通常のカメラよりずっとシンプルですが、品質や精度は非常に悪く、シャッターを押して切れるまでのタイムラグに個体差があったり、ピントがちゃんと合わなかったり、色調が不自然で色ムラがあったり、画像の一部もしくは大部分にゆがみや「画像流れ」が見られる、などの傾向があります。

性能や品質が悪いどころか、最初から壊れているものも少なくありません。

トイカメラの選び方

一般のカメラと同様に、トイカメラにもデジタルカメラとフィルムカメラ、インスタントカメラがあります。

フィルムタイプ

一般用の写真フィルムには35mm判、110カートリッジ判、120フィルム(ブローニー)などがあります。

110カートリッジ判はおもちゃの双眼鏡のような形のカートリッジにフィルムが収納されていて、装填はカートリッジごとカメラに装着するだけです。最も扱いやすいフィルムですが、サイズが小さく、最も画質の悪いフィルムでもあります。

一方、35mm判は最も普及しているフィルムで、現在でも比較的容易に手に入ります。現像やプリントもほとんどのカメラ店で受け付けてくれますし、インターネットで発注することもできます。

フィルムの面積も110カートリッジの4倍もあるので、画質も高精細になりますが、カメラにフィルムを装填するのは、110カートリッジほど簡単ではありません。最後の120フィルムは「中判カメラ」と呼ばれる業務用の大型カメラに使用される大きなフィルムです。

カメラに装填する方法は35mm判と基本的には同じですが、フィルムが大きいので、取り扱いには慎重さが求められます。

デジタルタイプ

一般のカメラと同じように、トイカメラも現在の主流はデジタルタイプです。デジタルのトイカメラを略して「トイデジ」と呼び、フィルムタイプの製品と区別することもあります。

「トイデジ」はデジタルカメラですので、画像データをPCやスマホのレタッチソフトで好みに加工することができます。

低価格と個性的な画質を武器に一時はそれなりに売れた「トイデジ」ですが、近年ではスマホカメラの性能向上もあって、「トイデジ」の多くは生産や輸入を終了するなど、人気も注目度も衰退している状況です。

液晶、インスタント

撮った写真をすぐに見たい方は、液晶ディスプレイ付きの「トイデジ」か、インスタントカメラを選択するのが良いでしょう。

インスタントカメラはご存じのようにフィルムがなく、印画紙に画像を直接焼き付けると、その場で自動的に現像を行い、画像を定着させる仕組みです。富士フイルムやポラロイド製のインスタントカメラには、撮影と同時にデジタルデータも記録するハイブリッドタイプのカメラもあります。

写真をデジタルデータとして残したい方は、「トイデジ」か「ハイブリッドインスタントカメラ」を選びましょう。

トイカメラの機能

見た目も造りもおもちゃ的なトイカメラですが、ただ安価なだけでなく、大人の遊び心をくすぐるユニークな機能を備えたものもあります。

たとえばレンズを2つ搭載し、撮影した写真をL判のサイズでプリントして、付属のビューアーにセットすると写真が立体的に見えるというステレオカメラや、35mm判フィルムの上下に並ぶ穴の部分まで画像を写せるパノラマカメラ、焦点距離10mmの魚眼レンズを標準搭載している魚眼専用カメラなど、大手カメラメーカーにとってはリスキー過ぎて商品化できない個性的なカメラが多いことも、トイカメラの特色のひとつです。

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おすすめのトイカメラ

HOLGA DIGITAL Mixed

香港のHolga(ホルガ)はトイカメラ界を代表するブランドのひとつです。

合成樹脂製のチープなボディと、周辺減光で四隅が真っ暗になる独特の画質がマニアの心に刺さるカメラです。

Holgaはフィルム時代から知る人ぞ知る存在でしたが、デジタル化されたニューモデルもこうした伝統をしっかり継承し、フィルムカメラと共通のボディーで液晶モニターすらない手抜きの造りや、四隅が黒く落ちる画質、故障率の異常な高さなど、他の追従を許さないHolga魂ともいえる特徴に、ますます磨きがかかっています。

参考リンク HOLGA DIGITAL Mixed

Sprocket Rocket Teal 2.0 Camera

Sprocket Rocketは35mm判フィルムの穴の位置まで露光することができるユニークなパノラマ写真専用カメラです。

搭載レンズは焦点距離30mm、画角106度の超広角で、35mmフィルムを隅から隅まで使って広大な風景を描きます。それでも足りない方はフレームをつなげて超幅広のパノラマ写真を撮影することも可能です。

参考リンク Sprocket Rocket Teal 2.0 Camera

トイカメラ DSC Pieni

DSC Pieniはレトロ調のクラシックなデザインとポップなカラーリングが可愛い超小型のデジタルカメラです。サイズは51×36×18mm。消しゴムとほとんど変わりません。付属のネックストラップで首から提げると、カメラというよりペンダントトップのようです。見た目はおもちゃそのものですが、静止画はもちろんムービーも撮ることができる機能派です。

充電や画像データの取り込みは付属のUSB接続ケーブルを使ってPCで行います。メモリーカードはmicroSDを使用します。

参考リンク トイカメラ DSC Pieni

トイカメラのまとめ

  • トイカメラとは、おもに共産圏の国々で製造される、おもちゃのように安価でシンプルなカメラのことをいいます。
  • トイカメラには、110カートリッジや35mm判などのフィルムを使うカメラと、「トイデジ」と呼ばれるデジタルカメラがあります。
  • トイカメラは品質や画質がきわめて悪く、故障率も小さくありませんが、そのチープな品質と画質にかえって味わいを感じるマニアもいます。