「地震大国日本」に住む私たちは 地震対策と共に「その時」に備えての心構えが必要です。

いつ来てもおかしくはないと言われる「南海トラフ大地震」は、ひとたびこの巨大地震が発生すると 一部エリアは震度7となる可能性があり、隣接する広い地域では震度6強から6弱という強い揺れになると想定されています。

また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域では 10メートルを超える大津波の襲来が想定されているのです。

三陸沖を震源とする東日本大震災で起きた津波は 私たちにその脅威をまざまざと見せつけました。

このようにひとたび地震が起こると 家屋の倒壊だけでなく 火災や津波なども引き起こされてしまうのです。

先日 地球深部探査船「ちきゅう」が初の南海トラフプレート掘削調査のため 静岡県清水港を出港しました。

海底約5200メートル下まで掘り進んで 境界部の岩石採取をし、この来るべき南海トラフに備え地震発生の予測に役立てる為です。

そんな大地震の前触れを少しでも早く知り、一刻も早く避難するための「緊急地震速報」についてご紹介いたします。

そもそも緊急地震速報とはなにか?

緊急地震速報とは地震が発生した直後に 各地での強い揺れの到達時刻や震度を予想して、可能な限り早急に知らせる情報のことです。

強い揺れが起こる前に自分の身を守ったり電車のスピードを落としたり、また工場などで機械制御を行うなどの活用がされていて、地震の多い我が国では この緊急地震速報に頼るところが大きいです。

緊急地震速報の仕組み

地震波をご存知でしょうか。地震が発生すると 揺れが震源から波となって地面を伝わって行きます。
この波を地震波を言います。

地震波にはP波(Primary)とS波(Secondary)があり、P波の方がS波より速く伝達する性質があります。

一方で 強い揺れによる被害をもたらすのは P波に遅れて伝わってやってくる、主にS波の方です。

これらの地震波の伝わる”速度の差”を利用して 先に伝わるP波を検知した段階で、大きな被害をもたらすS波が伝わってくる前に危険が迫っていることを事前に知らせることが可能になります。

緊急地震速報の発表条件

緊急地震速報(警報)には発表条件があります。

地震波が2点以上の地震観測点で観測され、最大震度が5弱以上と予想された場合に発表されます。

警報で地震を伝える

最大震度5弱以上と予想された場合の特に強い地震が発生した場合に、強い揺れが予想される地域を発表するものです。

各地域で予想される震度や大きな揺れの到達予想時刻は発表せずに、対象地域に対して端的に警戒を呼びかけます。

一般的には携帯端末やテレビなどで見聞きする緊急地震速報はこの「警報」のことです。

特別警報

震度6弱以上の大きさの地震が予想される場合を「特別警報」に位置づけています。

特別警報は、地震に限らず、津波や大雨でも適応され、その基準は警報を発表する想定よりも大規模な災害に発表されます。

参考:特別警報の発表基準について

予報

最大震度3以上と予想されるなど、一定の基準を超える地震が発生した場合は 各地域や地点で予想される震度・大きな揺れ(主要動)の到達予想時刻などを発表します。

通常緊急地震速報(予報)は 一つの地震に対して5〜10回程度発表されます。

スマホで緊急地震速報の受信設定を確認する方法

緊急地震速報の受信設定は 主に アプリ一覧→緊急速報メールアプリ→メニュー(右上)→設定 をクリックしていきます。

iPhoneでの緊急地震速報

iPhoneでの設定はごくごく簡単です。特別なアプリのインストールは不要です。まずは設定を開いて「通知」をタップ→最下部にある「緊急速報」をONにする、たったこれだけです。

簡単なので すぐにでも設定しておきましょう。

ONにしているのに鳴らなかったと言う人は、震度4未満の地震予測だった可能性があります。この震度4というのは よほどのことがない限り鳴る可能性は低いでしょう。

Androidでの緊急地震速報

Androidの場合は iPhoneのような緊急地震速報を受信する設定は 基本機能としてはありません。
そのため アプリのインストールが必要です。

けれど大抵は既に最初からインストールされていますので、そのアプリで受信設定します。以下はドコモの緊急地震速報設定用アプリである「docomo 災害用キット」を例に挙げています。

アプリを立ち上げる→利用規約承諾書下の「同意してタップする」をタップ→緊急速報「エリアメール」をタップ→デフォルトで「受信する」になっていればOKです。

なっていない場合「戻る」をタップ→受信設定にあるチェックを入れると受信可能になります。外すと受信しなくなります。鳴らす時間やマナーモードは 着信音をタップして設定できます。

また「マナーモード時設定」にチェックを入れる(デフォルトで入っている)ことでマナーモード時でも音を鳴らすことが出来ます。

実際の画面や音の確認は「受信画面おおび着信確認」で確認が可能です。津波と地震・災害・避難警報で音がそれぞれ異なります。(津波と災害は同じ音です)

「音を鳴らす」をタップすると 緊急地震速報を受信した際のデモが作動します。

緊急地震速報のまとめ

  • 緊急地震速報には 予報(最大震度3以上) 警報(最大震度5弱以上) 特別警報(震度6弱以上)がある。
  • 常時携帯しているスマホの 緊急地震速報受信設定をしておく
  • iPhoneは「通知」をタップ→最下部にある「緊急速報」をONで、緊急地震速報の受信設定がすぐできる
  • Androidは 初めからインストールされているアプリ「docomo 災害用キット」などがある。