この記事では、スイートポテトについて解説いたします。
スイートポテトが好きで、コンビニや百貨店のお菓子コーナーで見かけるとつい購入してしまう、という方は多いでしょう。
一口にスイートポテトといっても、作られる地域や店舗によって材料や製造方法に違いがあるため、味にそれぞれ違いがあります。
記事を通して、スイートポテトがどんなルーツを持っているのか、どんな材料を用いて作られているのかが分かり、よりスイートポテトをおいしく食べることができるでしょう。
目次
スイートポテトとは何か
まず、ノウハウ・初心者向けの情報をご紹介いたします。商品の紹介を先に知りたい方はこちらをクリックしてください。
スイートポテトは、先程述べたように様々な作り方がありますが、基本的には蒸したさつまいもをすりつぶし、砂糖、バター、卵黄と混ぜ合わせた生地をラグビーボール型に成形し焼き上げたものです。
まずは、このスイートポテトがどんなルーツを持っているのかを紹介いたします。
スイートポテトの発祥
スイートポテト発祥の地は日本です。
名前がスイートポテトと英語名のため、欧米を起源と思っていた方が多いでしょう。
英語でスイートポテトはさつまいもそのものを表す単語で、お菓子のスイートポテトを表す単語はありません。
タルトなどの単語を組み合わせて表現します。
海外にスイートポテトはなかったため、スイートポテトの発祥が日本であることは確実です。
しかし、スイートポテトのはっきりとした発案者や店舗、どこの地域で作られ始めたのかは分かっていません。
明治時代に当時安価で仕入れることができるさつまいもと、流入してきた洋菓子作りの技術が混ざり合い誕生した、ということだけです。
スイートポテトの歴史

スイートポテトは、明治時代の発祥以降、急激に知名度上げていき、日本全国に普及します。
特に、戦後期の1940年代から1950年代は、今でもおいしいスイートポテトを販売していることで有名な企業達がスイートポテトの販売を開始したため、知名度が一気に上がりました。
1940年代から1950年代にスイートポテトの販売を開始した老舗企業を具体的に2つ紹介いたします。
株式会社ドンク
株式会社ドンクの創業は1940年代よりも、更にさかのぼり1905年です。
創業当初はパンを販売する会社で、スイートポテトの販売は、1949年に兵庫県神戸市の店舗で開始します。
当時さつまいもは高価になってしまった米の代替品としてのイメージが強く、お菓子のイメージはほとんどありませんでした。
そのため、スイートポテトの認知度も低い状態でした。
しかし、ドンクがスイートポテトを販売したことで町でのさつまいものイメージが大きく変わり、スイートポテト普及のきっかけとなります。「松蔵ポテト」のスイートポテトは、1949年、ドンクの製菓職長であった井上松蔵によって生まれました。
株式会社ロイヤル
1951年に福岡空港で国内線が初めて営業開始したのと同時に、ロイヤルは機内食提供と喫茶営業を開始します。
その当時からお菓子として提供されていたロイヤルのスイートポテトはそのおいしさから利用客だけでなく、キャビンアテンダントやパイロットから支持を得ました。
全国を飛び回る航空会社職員の支持を得たスイートポテトは、全国にその名前を一気に広げることになります。
ロイヤルのスイートポテトHP
スイートポテトの地域差
スイートポテトは作られる地域によって、原材料として使用するさつまいもの品種が全く違うという特徴があります。
他の材料は作る店、シェフによって細かな違いはありますが、おおまかには一緒です。
さつまいもは1600年代に日本に流入してから今日に至るまでに多数の品種改良が繰り返され、今では地域ごとに栽培されるさつまいもは異なっています。
さつまいもの品種の違いが生むのは、味、水分量、甘み、粘りの違いです。
そのため、使用するさつまいもの種類次第で、スイートポテトの味も変わります。
スイートポテトの特徴

食物繊維がたくさん摂取できる
スイートポテトはさつまいもをほぼそのまま使用するため、栄養価が高いです。
その中でもさつまいもは食物繊維が豊富なため、普段おなかの調子に悩んでいる方にもおすすめできます。
調理が簡単
スイートポテトはさつまいもの素材の味を活かすため、あまり複雑な調理工程を挟みません。
また、使用する材料も少ないです。
そのため、お菓子の中では比較的簡単に作ることができます。
お菓子作り未経験の方にもおすすめできます。
スイートポテトの材料・レシピ
先程紹介したようにスイートポテトは比較的簡単に作れるお菓子です。
簡単な作り方の一例を紹介いたします。
用意する材料
さつまいも:400g
砂糖:大さじ3杯
牛乳:大さじ3杯
バター:30g
卵:1個(卵黄のみ使用します)
さつまいもは自分の好きな品種を用意しましょう。
好きなさつまいもの品種がまだない場合は、自分の住んでいる地域で作られているさつまいもで作ることをおすすめします。
スイートポテトの作り方
事前準備としてバターを溶かしておきます。
- さつまいもの皮を剥いて2cmから3cmほどの大きさに切る
- 切ったさつまいもを鍋に入れ、中火にかける
- 15分から20分ほどゆで、さつまいもがやわらかくなったらさつまいもだけボウルにあげる
- ゆで終わったじゃがいもをマッシャーでつぶす(マッシャーが家になければフォークやスプーンで代用しても問題無)
- つぶしおわったさつまいもに砂糖、溶かしたバター、牛乳を加え、固形感がなくなるまでよく練る
- アルミホイルをしき、その上に先程練った生地をラグビーボール型に成形して並べる
- 並べ終わった生地の表面にはけなどを用いて卵黄をぬりつける
- トースターで15分程度焼く
これで自家製スイートポテトの完成です。
お好みで砂糖の代わりにはちみつを用いたり、牛乳の代わりに生クリームを用いたりすると、また違う味わいを楽しめます。
参考動画 しっとり濃厚【スイートポテトの作り方】 How to make Japanese Sweet potato cake
おいしい市販のスイートポテト
作ることが比較的簡単なスイートポテトですが、お店で売っているスイートポテトはまた別格のおいしさです。
そこで今回は、3つおいしいスイートポテトを紹介いたします。
ロイヤルのスイートポテト
1951年から続く老舗企業の販売しているスイートポテトです。
使用しているのは長島紅美人というさつまいもで、鹿児島県長島町で栽培されています。
栽培履歴を全てトレースできる程に徹底的に管理された最高級のさつまいもを使用しているので、味は抜群です。
株式会社ハレルヤの極まるお芋。
有名な徳島県名物であるさつまいもの鳴門金時を使用しているスイートポテトです。
鳴門金時は糖度の高さで有名なさつまいもなため、極まるお芋。も素材の甘さが活かされています。
丹後長寿商店のおいものまんまのスイートポテト
材料使用しているさつまいもは、砂丘甘藷とも呼ばれる砂地で育てられたさつまいもです。
砂地という厳しい環境で育てられたさつまいもはうま味とミネラルが凝縮されているため、スイートポテトにすると濃い味が楽しめます。
スイートポテトについてのまとめ
- スイートポテトの発祥は明治時代の日本でした。戦後に今でもスイートポテトで有名な店舗が日本各地で販売を開始したことで、日本全国に一気に普及していきました。
- スイートポテトのメインの材料であるさつまいもは品種改良で、様々な品種が誕生しました。さつまいもの品種が異なると、味、粘り、水分量が大きく違います。
- 地域ごとにスイートポテトに使用するさつまいもの品種が異なるため、スイートポテトは地域ごとに異なる味わいが楽しめます。