CARTIER パシャ ドゥ カルティエの歴史と概要
CARTIER パシャ ドゥ カルティエは、宝石・時計メーカーとして100年以上の歴史を持つカルティエを代表する腕時計モデルのひとつです。
パシャ ドゥ カルティエの歴史は、1930年代にモロッコのマラケシュという年のパシャ(太守)を勤めていたエル・ジャヴィ公から始まります。
エル・シャヴィ公が、屋内プールで泳ぐ時につけられる時計がほしいと、カルティエのデザイナーであるルイ・カルティエにオーダーし、製作された角型の防水時計がモデルの原点であるといわれています。
それから十数年後の1943年に現在のモデルの原型となる丸形の防水時計「パシャ」が登場します。
パシャ ドゥ カルティエは、プールで泳ぐための防水時計が原型であるため、そのスポーティなフォルムと性能を特徴としています。
カルティエのそれまでの腕時計は、タンクやサントスなど、角型のケースを持つものが一般的でしたが、パシャはカルティエとしては初の丸形フォルムを持つ時計として登場しました。
現行モデルののルーツとなるのは1985年に登場したモデルですが、18Kのイエローゴールドを採用した丸形のケースに、回転ベゼルが設けられているのが特徴でした。
その後、素材をスティールに変更したパシャCというモデルが登場します。
パシャCのケースは、従来、38mmであったところをボーイズモデルと呼ばれる35mmまで小さくされました。これにより、女性からの人気も高まり、パシャCはユニセックスモデルとして市場からの高い評価を得ました。
2018年2月現在では、残念ながら男性向けのパシャは生産終了状態となっていますが、女性向けに特化したミス パシャというブランドラインが展開されており、引き続き人気を博しています。
CARTIER パシャ ドゥ カルティエの特徴
パシャ ドゥ カルティエの人気の由来は、つけるシーンを選ばないデザインにあると言えるでしょう。
元がプールでつけられるスポーツウォッチ、という起源を持つだけに、スポーティでカジュアルなデザインが
魅力となっています。
特に、リューズを固定するためのスモールチェーンや一部モデルで採用されたことがある格子状のグリッド(フェイスを覆うマスク)がその名残を匂わせます。
スポーティーなデザインを踏襲しつつも、従来のダイバーズウォッチにみられる機能性を重視した複雑なデザインを廃し、カジュアルにもフォーマルにも合わせることができるシンプルでラグジュアリーなデザインを採用したことが、男女問わず、パシャが人気を博すことになった一番の理由ではないでしょうか。
特に、現行モデルのミス パシャは、フェイスのサイズを27mmまで落とし、女性の腕にもフィットし、ブラウスの袖口にも邪魔をしないように工夫されています。
パシャCと合わせて、ペアウォッチとしてつける方も多いようです。
また、パシャCから現行モデルのミス パシャについては、素材にスティールを採用し、カルティエとしては比較的安価な価格帯を実現していることも、また、「手が届くカルティエ」というモデルのイメージを世に広め、人気を博した理由のひとつです。
CARTIER パシャ ドゥ カルティエの価格帯
CARTIER パシャ ドゥ カルティエ\329,400~\415,800
パシャ ドゥ カルティエの最新モデルは、男性向けモデルが残念ながら生産終了状態となっているため、女性向けのミス パシャ ウォッチを残すのみとなっています。
ミス パシャはすべてケースにステンレスを採用したモデルで、数百万円台が相場のカルティエの腕時計としては、比較的安価な価格帯で入手することができます。
男性向けモデルとしては、過去に販売されたパシャやパシャCが中古市場に出回っている状態です。
価格帯は、\100,000~\500,000程度が相場で、特に男性的なクロノグラフモデルは、現在でも20万円台後半の高額で取引されています。