腕時計のベルトの素材には革と金属があります。時計を選ぶ時にどちらを選ぶか迷う人も多いでしょう。

金属ベルトと革ベルトにはそれぞれメリット、デメリットはありますが、迷った時にオススメなのが革ベルトです。

革ベルトの魅力

腕時計の革ベルトのメリットは、主に「フィット感がある」「バリエーションが豊富」の2つです。

革ベルトはフィット感があるのが魅力

ステンレスなどの金属ベルトは、耐久性があるので数十年使用しても劣化がすくないのがメリットですが、革ベルトに比べると重く長時間身につけていると腕が疲れることがあります。

革ベルトは軽いので腕に負担がかからず、材質的にもフィット感があります。また、「金属アレルギー」の心配もありません。金属ベルトに多く使用されているステンレスは、金属アレルギーを引き起こす可能性が強くあります。アレルギー体質の人は、革ベルトがオススメです。

革ベルトはバリエーションが豊富なのが魅力

革ベルトの最大の魅力は、色やデザイン、材質などバリエーションが豊富にあることです。その中からビジネスシーンやプライベイトなど状況に合ったバンドを選ぶことが可能です。

腕時計も重要なファッションアイテムです。バリエーションが豊富な革バンドで自分の個性を表現するのも楽しいものです。

革ベルトの素材の種類

革ベルトの素材には、牛革やワニ革などさまざまな種類があります。高価なものからお手ごろのものまで、予算やお好みに合わせて選べるのも革ベルトならではの魅力です。ここでは、代表的な革ベルトの素材をいくつか見てみましょう。

カーフ

生後6ヶ月以内の仔牛の皮のことを「カーフ」と呼びます。きめ細やかで手触りが良いのが特徴で、多くの財布やバッグにも使われています。

控えめな上品さがありカジュアルなシーンには最適の革ベルトです。

クロコダイル

ワニ製品の中でも高級な腕時計の革ベルトに使われているのが、「クロコダイルレザー」です。

他のワニ革よりもウロコが細かく上品な趣があります。比較的水や汗にも強いのが特徴です。フォーマルな席で何気なく個性を表現するにはオススメの革ベルトです。

ガルーシャ

ガルーシャはエイの革のことで、キャビアのような細かな粒々が特徴の革ベルトです。

凸凹をそのまま活かしたタイプとヤスリで削って凸凹をなくしたタイプがあります。かなり個性的なのでビジネスシーンで着けるのはあまりオススメできません。プライベイトで個性を演出するのには効果的なベルトと言えるでしょう。

上記以外にも、バファローやブタ、ダチョウ、トカゲ、サメなどさまざまな革バンドがあります。ご自分の好みやシーンに合わせて選んで下さい。

革ベルトを夏につける際には要注意

革ベルトの最大のデメリットは、汗や汚れが付きやすいことです。

細かな繊維があるので汚れると落とすのが難しくなります。また、汗や汚れが浸み込むとカビや細菌が繁殖しやすくなり、悪臭の原因にもなります。特に夏場は汗をかくことが多いので、革ベルトには要注意の季節と言えるでしょう。

革ベルトを長持ちさせるには、夏場だけは金属ベルトに変えるのがベストな方法と言えますが、革ベルト愛用者には夏でも金属ベルトに替えるのは抵抗があるはずです。

そんな人のために、夏でも革ベルトの劣化を防ぐ方法を紹介します。

革ベルトは毎日の手入れが大切

革ベルトは金属とは違って天然の素材です。汗や汚れがつきやすくきちんと手入れをしないとすぐに劣化してしまいます。

このような劣化を防ぐためには、毎日の手入れが必要です。1日一回は手入れをする習慣を身に着けましょう。

革ベルトの手入れは乾いたタオルで拭いてする

革ベルトを長持ちさせるには、その日の汚れはその日に落とすことを習慣にすることが大切です。

まずは、清潔な柔らかいタオルを用意しましょう。革はデリケートな素材なので、硬めの素材では傷つけてしまいます。軽くなでるように拭くのがコツです。

特に汗がついているところは丁寧に拭き取るようにします。汗には塩分が多く含まれています。革をより傷めやすくなるので、しっかりと拭き取りましょう。

夏場でなくても汗の汚れには注意が必要です。

革ベルトの落ちにくい汚れはクリーナーで手入れする

タオルではなかなか落ちない汚れは、革用のクリーナーで拭き取ります。軽い汚れなら消しゴムでも落とせますが、汚れが強い場合は革用のクリーナーがベストです。

革用のクリーナーがない時は、中性洗剤をタオルに湿らせて拭き取る方法もあります。この際も、ゴシゴシ力を入れずに優しく拭くようにしましょう。

革ベルトを劣化させない装着の仕方

革ベルトは非常に繊細な素材であるため、無理な力が入るだけでも劣化につながります。劣化を予防するためには、革ベルトのつけ方も大切なポイントになります。

劣化させないために革ベルトは緩めに締める

ベルトを締める時に、グッと無理に金具に留めようとして革ベルトを引っ張ったり折り曲げてしまうことがあります。

この引っ張ったり折り曲げたりすることは劣化の大きな原因になります。革ベルトの劣化を防ぐために、ベルトは緩めに締めるようにしましょう。

ベルトの締め方は、穴1つ分緩くするか人差し指1本が入るぐらいがオススメです。

Dバックルをつける

「Dバックル」とは、革ベルトが金属ベルトのような感覚で装着できる留め金の一種です。

金属ベルトは輪になっているので簡単に装着できますが、革ベルトは毎回金具に留めて装着しなければなりません。この行為だけでも革ベルトの劣化につながります。

Dバックルを使えば、革ベルトを直接金具に留める必要はありません。金属ベルトのように輪になったDバックルをぱちんと留めるだけです。

価格も千円ぐらいからあるので革ベルトの劣化予防にはオススメの留め金です。

革ベルトの保管方法

毎日革ベルトを手入れしていても、保管状態が悪ければ折角の努力も水の泡になってしまいます。革ベルトに限らず、時計の保管には注意が必要です。

湿気のある場所には、絶対に保管しないで下さい。革バンドが劣化するだけでなく湿気は時計のような精密機器には故障の原因にもなります。陽が当たる場所や高温の場所もNGです。

また、革ベルトを丸めた状態や折れたままで保管すると劣化の原因になるので必ず伸ばした状態で保管するようにして下さい。

腕時計の保管には、専用の保管ボックスも販売されています。革ベルトに合った保管ボックスを選ぶのも劣化を防ぐのには効果的です。

革ベルトの臭いの対策方法

毎日の手入れを怠っていると、革ベルトは悪臭を発するようになります。これは、汗やアカが革に浸み込んで細菌やカビが繁殖することが原因です。

特に夏場は汗を多くかくのでカビや細菌が繁殖しやすくなります。このような状態になっては普通の手入れでは解決しません。革ベルトの臭いを取る方法は大きく3つあります。

革ベルトは日陰干しをして臭いの対策をする

まず、時計の本体から革ベルトを取り外します。そして、革ベルトをぬるま湯に30分ぐらい漬け置きします。

ぬるま湯でなく中性洗剤を薄めて軽く洗う方法でも可能です。

30分ぐらい漬け置きしたら革ベルトを伸ばした状態で2日ぐらい乾燥させます。革用のクリーナーで拭いた後で、柔らかいタオルで乾拭きします。少し時間はかかりますが、革ベルトの臭いを消すには効果的な方法です。

革ベルトは太陽光に当てて臭いの対策をする

本体から外した革ベルトを脱臭剤と一緒にビニール袋に入れます。この際革ベルトの内側を揃えるようにして太陽光に当てるようにします。

内側に臭いの原因である細菌がカビが繁殖しているからです。表側を光に当てると色が落ちたりする可能性があるので注意が必要です。

また、太陽光の代わりに殺菌ランプを利用しても構いません。注意事項をチェックしながら使用して下さい。

革ベルトの臭いには専用の消臭スプレーを使う

もっとも手軽に臭い対策ができるのが、「消臭スプレー」です。

まず、革ベルトの汚れやホコリをキレイに拭き取ります。後は、専用の消臭スプレーを吹き付けて、そのまま自然乾燥させるだけです。1週間に2回ぐらいの割合で使用します。

革ベルトも着替えたほうがよい

暑い夏に汗をかくのは仕方ないことです。毎日同じ革ベルトをつけていれば汗が浸み込身劣化が進みます。

革ベルトの魅力は、素材や色、デザインのバリエーションが豊富なことです。季節やTPOに合わせて洋服のように革ベルトを着替えるのも楽しみのひとつです。

革ベルトを着替えることでも、革自体の劣化予防につながります。また、内側がラバーになった撥水加工の革ベルトも色々あり、汗や汚れ対策に効果的です。

革ベルトについてのまとめ

  • 腕時計の革ベルトの魅力は、「フィット感がある」ことと「バリエーションが豊富」なことです。色や素材、デザインの中から自分の好きなものを選ぶのは楽しさもアップします。
  • しかし、革ベルトは汗や汚れがつきやすく劣化が激しいのがデメリットです。特に暑い夏には、注意が必要です。
  • 革ベルトの劣化を防ぐためには、毎日の手入れが大切です。「乾いたタオルで拭く」「落ちにくい汚れはクリーナーで」などきちんと対応しましょう。
  • また、装着の仕方も「ベルトは緩めにしてつける」や「Dバックルをつける」などの工夫も必要です。さらに、保管方法にも湿気や高温を避けるなどの注意が必要です。
  • 豊富なバリエーションの中から自分に合ったベルトが選べるのは革ベルトならではの楽しみです。TPOに合わせてお気に入りの革ベルトに着替えてみましょう。また、着替えることで革の劣化の予防にもつながます。