こちらの記事は2018年7月13日の記事を2020年4月14日に加筆修正いたしました。

加筆修正箇所
・星の撮影を行う際のカメラの選び方を追記いたしました。
・星の撮影におすすめのカメラを2020年4月14日の情報に更新いたしました。

最近では、スマートフォンの内蔵カメラの性能が大幅に向上して、一眼レフとの差が縮まってきています。それでも夜空の星を撮るとなると、なかなかうまく撮れません。

単に夜空をバックにするだけの写真なら、スマートフォンのカメラでも撮れますが、星座や銀河を構成する星のひとつひとつをくっきりと美しく撮りたいときには、スマートフォンをバッグに収めて、高性能のデジタル一眼レフかミラーレスカメラに持ち替えるしかありません。

ここでは星を撮影するために必要なカメラの条件と、おすすめのモデルについて説明します。

星の撮影に必要な物

近年のスマートフォンは動画や音楽を楽しむアイテムというだけではなく、デジタルカメラとしても十分すぎる性能を備えています。

中でも「iPhone 7 Plus」や「Xperia XZ」のような最新のハイエンドモデルになると、花や食べ物、景色といった通常の被写体はもちろん、夜の遊園地や花火のようなコントラストが強いシーンでも、シャッターをパチッとタップするだけで、驚くほどきれいに撮ることができます。

それでも星座や銀河までクリアに撮るのは簡単なことではありません。なぜかというと、スマートフォンのカメラはイメージセンサー(受光素子)が小さいからで、暗い夜空を撮影すると、どうしても高感度ノイズや長時間露光ノイズで画面がざらつき、ピントや発色も悪くなってしまいがちです。

これはスマートフォンだけの問題ではなく、コンパクトカメラでも同じです。星や銀河をきれいに撮影するためにはカメラマンのテクニックも必要ですが、そのテクニックを最大限に生かせる高性能のカメラも必要です。

具体的には、APSサイズ以上の大型イメージセンサーを搭載した、高感度撮影と長時間露光に強いカメラが不可欠です。手ぶれ補正はそれほど重要ではありません。星の撮影ではカメラが動かないように三脚を使うことが多く、手ぶれ補正はむしろOFFにするように推奨されています。

シャッターも8000分の1秒といった高速よりも、長時間のバルブ撮影ができるほうが有利です。さらに撮影画像をRAWデータで保存できること、露出やピント合わせをマニュアルで調整できること、レンズ交換式であることも重要です。

また、カメラのシャッターボタンを指で直接押すと振動でブレてしまうので、遠隔操作でシャッターを押すことができるリモートコードやケーブルレリーズ、あるいはリモコンなどに対応していれば理想的です。

これらの機能はAPSサイズ以上のイメージセンサーを搭載したカメラであれば、ほとんどに搭載されていますが、機種によっては夜間に暗がりでマニュアル撮影をするときなどに、操作性が良くないものもあります。

カメラを選ぶときには、暗闇で操作できるかどうかも確かめましょう。レンズはズームレンズでも問題はありませんが、星の撮影では、画面の周辺部まで高い解像度が求められることや、ゴーストやフレアの少ないレンズが望ましいことを考えあわせると、ズームよりも単焦点の大口径レンズが有利と言えます。

星の撮影を行う際のカメラの選び方

IOS感度の数字で選ぶ

IOS感度はノイズに関係する数値で、IOS感度の数値が大きいと暗い場所での撮影に向いています。

高画質な状態で撮影ができる標準の感度が常用ISO感度です。

常用ISO感度が高いと、暗闇での撮影により向いているため、天体写真をより高画質で撮影したい方は、常用ISO感度が高いものがおすすめです。

しかし、IOS感度が高ければ高いほどきれいに撮影ができるわけではないため、数値はあくまで参考程度にしましょう。

広角レンズを装着できるものを選ぶ

星の撮影には、広い視野で撮影をすることができる広角レンズがおすすめです。

そのため、広角レンズを装着できるカメラを選ぶと撮影パターンも広がるでしょう。

広角レンズを装着すれば、遠近感を出しながら広い範囲の星を1つの写真におさめることができるため、臨場感のある天体写真を撮影できます。

広角レンズの中にも様々な種類があるため、自分の目的に合わせて選ぶとよいでしょう。

シャッター速度をこまめに設定できるものを選ぶ

星の撮影を行う際に重要なポイントとなるのがシャッター速度です。

シャッター速度を10秒ほどに設定することで、星を1つの点のように撮影することが可能になります。

また、星の動きを長時間撮影したい場合は、シャッター速度を長めに設定しておくことで、星の動きを逃すことなく撮影できます。

シャッター速度の設定で撮影できる写真も変化するため、こまめに設定できるカメラを選ぶとよいでしょう。

星の撮影に向いているカメラを販売している主なメーカー

Canon

星の撮影では、伝統的にCanon製のデジタル一眼レフに定評があります。

理由はいくつかあって、まずCanonが自社製造しているCMOSセンサーは長時間露光時のノイズが少なく、ノイズリダクション処理の精度も高かったこと、メーカーが天文写真用に改造を請け負ってくれたこと、レンズマウントの口径が大きいため、画像の周辺が暗くなる口径食が少ないこと、長時間露光でセンサーの発熱に起因するトラブルがなかったことなどがあります。

また、Canonはかつて世界初の天体撮影専用デジタル一眼レフカメラを発売したことがあり、サードパーティがCanon用に開発した天文撮影専用パーツも数多く流通していることも、天文ファンにCanonユーザーが多い理由といえるでしょう。

さすがに現在では他メーカーのカメラも性能が向上して、Canonのカメラと比べても遜色ないレベルにありますが、それでも長年にわたって天文ファンに培われてきたCanon製カメラの撮影ノウハウや、豊富な情報を共有できることは、他メーカーには追随できないCanonだけのメリットと言えます。

カメラブランド CANON(キャノン)の歴史と特徴、価格帯の解説

Nikon

Nikonは2015年から天体撮影専用のデジタル一眼レフカメラ「D810A」を発売しています。

D810Aは赤外線カットフィルターの特性を天文撮影用にチューニングして、Hα光の透過率を高めたほか、長時間露光に対応するためにマニュアルモードを強化しています。この長時間モードの設定秒時は、実際の制御秒時に合致しますので、コンポジットソフトウエアによる比較明合成の総露出時間が計算しやすくなります。

また光学ファインダーとライブビューも天体撮影向けに改良しており、ライブビュー画面では倍率を約23倍まで拡大することができるほか、長時間露光では、ライブビューの明るさもシャッタースピードに対応してアップすることができます。

カメラの基本的な仕様はD810と同様で、光学ローパスフィルターレスの約3,635万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載しています。画像処理エンジンはEXPEED4。RAW記録は14ビットに対応しています。

カメラブランド NIKON(ニコン)の歴史と特徴、価格帯の解説

星の撮影におすすめのカメラ

Canon EOS Ra EOSRA

キヤノン EOS Ra EOSRAは、天体撮影用のミラーレスカメラとなっており、天体の撮影に向いている機能が充実しています。

常用ISO感度が、100~40000と非常に幅広いため、高感度の状態で撮影をしてもノイズがない綺麗な写真を仕上げることが可能です。

星空のような暗い場面では、自動でピントを合わせてくれるAF機能の使用が難しいとされていますが、こちらの商品は広範囲でもAF機能をすばやく作動させることができます。

また、通常のカメラでは撮影しにくい赤みのかかった雲や星なども、特別なフィルターを使用せずに綺麗に撮影することが可能です。

頻繁に天体写真を撮影する方におすすめの商品となっています。

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キヤノン
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Nikon D780

Nikon D780は、天体撮影用のカメラではありませんが、1/8000秒から最大900秒までシャッタースピードを設定できるため、星の撮影におすすめです。

AFシステムを51点と非常に細かく作動させることができるため、従来製品よりもよりすばやく正確にピントを合わせることが可能です。

また、ローライトAF機能を使用すれば、肉眼で被写体を捉えにくい暗闇の中でもAF機能が作動するため、ピントがずれることなく撮影できます。

常用ISO感度が51200、有効画素数が2450万画素と高く、天体写真でもノイズを抑えた高解像度の写真を残せるでしょう。

1度の充電で最大約2160コマの撮影ができるため、細かく星の動きを撮影したい方でも充電切れの心配がなく安心して使用できます。

PENTAX KP J limited

PENTAX KP J limitedは、常用ISO感度が819200と非常に高い数値を誇っており、低感度・高感度に関係なく質感や立体感などを忠実に再現しながら撮影ができます。

マイナス10度の寒さにも耐えることができ、水、塵などの要素にも強いため、寒い地域で星を撮影したい方や、突然の雨でも故障の心配がないでしょう。

また、1/24000の速度でシャッターを切ることができるため、一瞬の動きを逃したくない撮影にもおすすめの商品です。

Wi-Fi機能が搭載されているため、Wi-Fiを通してスマホと通信を行えば、撮影した写真をいつでも気軽にスマホから確認することができます。

星を撮影したカメラについてのまとめ

  • 近年では、スマートフォンの内蔵カメラが大きく進歩しているが、それでも星の撮影はむずかしい。
  • 星座や銀河の撮影には、イメージセンサーが大型で、高感度撮影や長時間露光に強いカメラが必要になる。
  • 天文撮影はCanonのカメラに定評がある。Nikonも天文撮影専用カメラを販売しているが、Canonには一日の長がある。
  • ミラーレスカメラでもイメージセンサーが大きい高級機であれば、星の撮影で一眼レフをしのぐメリットがある。