腕時計が止まった時には、まずは電池切れが疑われるでしょう。電池交換は、自分でする人も少なくありません。しかし、腕時計の裏蓋にはいくつかの種類があり、それぞれに方法が違います。
ここでは、腕時計の裏蓋の主な3種類について、またそれぞれの裏蓋の電池交換の方法などをご紹介します。
ポイントがわかれば、腕時計の電池交換の方法が意外と簡単なのが分かります。ただし、自分で作業する場合には自己責任で行いましょう。
目次
腕時計の裏蓋は3種類
腕時計の電池交換を自分でする際には、裏蓋のタイプから方法が異なります。一般的な腕時計は、裏蓋がこじ開けタイプ、スクリュータイプ、ねじタイプの3種類が多いでしょう。
タイプを見分けやすいのは、スクリュータイプとねじタイプです。
スクリュータイプは、腕時計の裏蓋の周囲に、小さな四角の溝が6か所入っています。また、ねじタイプは裏蓋を4本くらいの小型のねじで止めているので、すぐにわかります。
わかりにくいのは、こじ開けタイプの裏蓋です。スクリュータイプでもねじタイプでもないなら、こじ開けタイプだと思うのがいいでしょう。腕時計の側面を真横からみると、周囲のどこかに小さな隙間を見つけられます。その隙間は、裏蓋をこじ開けるための時計工具の差込口です。
では、それぞれの裏蓋のタイプ別で腕時計の電池交換方法を確認しましょう。
こじ開け裏蓋の腕時計の電池交換方法
こじ開けタイプの腕時計の電池交換では、こじ開け時計工具と交換用の電池が必要になります。
こじ開け用の時計工具は、通販やホームセンター、100均でも買うことができ、200-100円ほどの価格です。こじ開けの時計工具は、小さなへら状の工具で、先が隙間に入るように薄くしてあります。
交換用のボタン電池は、種類がいろいろあるので取扱説明書やメーカーのHPなどで事前に確認しましょう。事前にわからないなら、まずは裏蓋を開けて電池の型を確認するしかありません。
電池交換のためには、まずは裏蓋を開けます。工具の先を腕時計の裏の隙間に入れて、工具を上下に動かしながら裏蓋をゆっくりと浮かせて開けます。
工具を差し込みすぎると、腕時計の内部の機械を傷つけてしまう危険性があるので、慎重に進めましょう。
裏蓋が開くと、ほとんどの腕時計は電池がすぐに交換できます。一部の腕時計は、内部にプラスチックのカバーがついているものもあります。カバーを取らなければ電池交換ができません。
カバーの四隅を順番にピンセットなどでつまみ、少しずつ持ち上げてはずすようにしましょう。カバーを思い切り外すと、機械部分も浮いてしまい腕時計の針が取れてしまうことがあります。
こじ開け工具の代用品はドライバー
こじ開け工具は高価なものではないので、専用のものを買うのがおすすめです。しかし、腕時計の数がそう多くなく、電池交換の機会も少ないなら、精密ドライバーのマイナスで代用することができるでしょう。
ドライバーのサイズにより、隙間に入らないものもありますが、手持ちのドライバーが使えるかチェックしてみるのもいいでしょう。
スクリュー裏蓋の腕時計の電池交換方法
スクリューバックとも呼ばれるスクリューの裏蓋タイプも、基本的には専用の時計工具と交換用の電池があれば、自分で交換できます。
工具は、「スクリューバックオープナー」という名称で売られていることが多いでしょう。スタンダードなオープナーは、3点のでっぱりがついたもので、でっぱりを裏蓋の小さな溝にひっかけて回してあけます。オープナーと腕時計を裏向きに固定する台座がセットになっているものがほとんどです。
3点でっぱりのスクリューバックオープナーは、売っているところを見つけ難いので、通販で買うのがおすすめです。だいたい1,500-2,000円ほどでしょう。100均でも、スクリューバックオープナーが売っています。2点式の簡易的なオープナーとこじ開け工具がセットになって、台座なしで400円ほどでしょう。
引っ掛けの溝は、6つあるのが一般的ですが、そのうちの3つがひっかかりやすい作りになっています。見た目にはわからないので、上手く引っかかる3つの溝を探してみましょう。
3つがみつかったら、オープナーと裏蓋のサイズをオープナーの調整ねじでしっかり合わせます。そして、腕時計を台座があるなら固定しましょう。オープナーをしっかり裏蓋に引っ掛けて、反時計回りに回せば裏蓋が開きます。
スクリューバックオープナーの代用品は
オープナーの代用品として、なんと100均の一部のゴムボールが使えます。腕時計の裏蓋につけた時に、なるべく滑らないゴムボールを選びましょう。
裏蓋を開ける時には、ボールとより密着するように、まずは皮脂汚れなどをアルコール入りの除菌シートで拭くのがおすすめです。裏蓋の表面が乾いたら、ボールを裏蓋に押しつけながら反時計回りに回すと裏蓋が開きます。
オープナーは、腕時計を傷つけてしまう可能性がゼロではありませんが、ゴムボールはその心配がありません。また、ボール選びに失敗したとしても、大した費用ではないでしょう。初心者や女性には、ゴムボールで裏蓋を開ける方法の方がおすすめとも言えます。
ねじ裏蓋の腕時計の電池交換方法
ねじタイプは、精密ドライバーを用意しましょう。ねじは、初めにすべてのねじを少しだけ緩めます。それから、対角線上のねじを徐々に緩めていく方が、腕時計にもねじにも負担がかかりません。
腕時計の裏蓋のねじはとても小さいので、無理に回すとねじ山がなくなってしまうので気をつけましょう。
ねじタイプの裏蓋の腕時計は、多くのものが防水機能を搭載しているでしょう。裏蓋の周囲の下、腕時計本体側にはぱっきんが入っているのが一般的です。
腕時計によっては、プラスチックのカバーを外す時にぱっきんも外さないといけないことがあります。ぱっきんを発見したら、戻すときのために場所を覚えておきましょう。
心配ならメーカーか時計店へ持っていく
ここでご紹介した自分でやる腕時計の電池交換方法は、ゴムボールを除き、どれも腕時計の外側も内部も、傷つけてしまう可能性があります。
また、自分での電池交換で不具合が出た時には、改造と見なされてメーカー保証を受けられなくなってしまうこともあります。ですから、自分の腕時計の電池交換をするのは、あくまでも自己責任で行いましょう。
また、時計屋さんでは電池交換は1,000-2,000円ほどです。壊してしまうことを考えると、専門の業者に依頼するのもいいでしょう。特に高価な腕時計は、メーカーに電池交換とオーバーホールをセットでしてもらうと長く愛用できるでしょう。
腕時計の電池交換の方法についてのまとめ
- 腕時計の裏蓋は3種類あり、それぞれ電池交換の方法が異なります。一般的な腕時計は、裏蓋がこじ開けタイプ、スクリュータイプ、ねじタイプの3種類が多いでしょう。
- こじ開け裏蓋の腕時計の電池交換では、こじ開け時計工具と交換用の電池が必要になります。こじ開けの時計工具は、小さなへら状の工具で、先が隙間に入るように薄くなっています。
- こじ開けタイプは、工具の先を腕時計の裏の隙間に入れて、工具を上下に動かしながら裏蓋をゆっくりと浮かせて開けます。一部の腕時計は、内部にプラスチックのカバーがついているものもあります。こじ開け工具の代用には、精密ドライバーのマイナスが使えるでしょう。
- スクリュー裏蓋の腕時計の電池交換でも、基本的には専用の時計工具と交換用の電池が必要です。工具は、「スクリューバックオープナー」とも言われ、3点のでっぱりがついており、そのでっぱりを裏蓋の小さな溝にひっかけて回してあけます。
- 100均でも、2点式の簡易的なオープナーとこじ開け工具がセットになって、台座なしで400円ほどでしょう。スクリューバックオープナーの代用品には、100均の一部のゴムボールが使えます。ゴムボールで裏蓋を開ける方法は、初心者や女性におすすめです。
- ねじ裏蓋の腕時計の電池交換には、精密ドライバーを用意しましょう。ねじタイプの裏蓋の腕時計は、多くのものが防水機能を搭載し、ぱっきんがついているのもが多いです。
- 自分で腕時計の電池交換をするのは、あくまでも自己責任で行いましょう。時計屋さんでは電池交換は1,000-2,000円ほどです。電池交換を失敗すると、メーカー保証が受けられなくなることもあります。心配なら、時計屋さんやメーカーなど専門業者に電池交換を依頼しましょう。