スマホは、今では誰にとっても手放せないものでしょう。しかし、多機能なスマホを使いこなるうちに、手放せない以上に依存してしまう人も多く出てきています。

ここでは、スマホ依存症とは、スマホ依存症の原因、対策、スマホゲームがWHOに疾患認定されることになる状況などをご紹介します。スマホ依存症になる前に、しっかり依存症について理解できます。

目次

そもそもスマホ依存症とはなにか?

実際に、他の依存症と同じように治療も行われることが増えてきた「スマホ依存症」は、シンプルに言えば、日常生活の中でスマホに触りすぎる、一日の大半の時間をスマホの使用に費やしてるなどの症状をさしています。

決まった定義はありませんが、スマホの使用時間が12時間を超えると依存症だとされる傾向があるでしょう。

スマホ依存症は依存症のひとつなので、症状の出方には人それぞれであるところもあります。しかし、依存症が多いといわれる10代の人を中心に、以下のようなより細かな症状が見られることが多いでしょう。

スマホ依存症では、体に症状が現れることもあります。最近話題にもなるブルーライトにより、目の疲れが激しくなることがあるでしょう。程度によっては、視力の低下がみられることもあります。

また、寝る直前までスマホを使うことから、ブルーライトによって興奮状態が続き不眠症に近い状態に陥る人もいます。

それ以上に一般的なのが、姿勢への影響でしょう。背中を丸めた姿勢でい続けることが多くなるので、内臓への影響や首にも負担がかかるでしょう。

また、座り方によっては、スマホを見る時には首を前に突き出したままの姿勢になることも多く、本来あるべき背骨のカーブがなくなってしまい、首、背中、腰に不調がでる「ストレートネック」も問題になっています。

アルコール依存症などと同じく、スマホ依存症でも禁断症状、依存症状が見られることがあります。見えるところにスマホがないと落ち着かなかったりイライラしたりする、スマホに触っていないと不安になる、寝る時にもスマホをすぐ近くに置いておかないと眠れないなどの症状がみられるでしょう。

スマホ依存症の原因

スマホ依存症になる原因は、多くの場合、人間関係のトラブルに始まり、スマホに熱中することで、コミュニケーションが希薄になったり、コミュニケーション能力が低下したりすることにあるといわれています。

学校、職場などでのいじめ、無視などがあって、その問題に直接向き合えずに、スマホに向き合ってしまうことが多いのです。スマホを使い続けることで、ますます周囲とのコミュニケーションが減り、その結果コミュニケーション能力がどんどん低下してしまうのです。

コミュニケーション能力の基礎をつくるべき時期にあたる10代の若者には、特にスマホ依存症は影響が大きいでしょう。

また、スマホ依存症がSNSなどにおける絆につながっていることもあります。日本らしい同調意識や村のような小さな社会構造に起因していることもありますが、直接顔を合わせないコミュニケーションに頼ることに起因していることもあるでしょう。

うつ病などの危険も

スマホ依存症では、原因が人間関係にあることから、他の精神障害と重複して依存症を起こしているケースも多いといわれます。

重複して起こることが多い精神障害には、継続的に気分が落ち込むうつ病、コミュニケーションや社会性に問題をもつ広汎性発達障害、年齢に不釣り合いな注意力や多動性を見せるADHDなどはよく見られます。重複した障害の懸念がある場合には、早めに専門医にかかるのがいいでしょう。

スマホ依存症への対策

スマホは、毎日の生活に欠かせないものではありますが、依存症になるほどの使い方は間違っていると言えるでしょう。

毎日のスマホの使いすぎをコントロールするには、さまざまな小さな対策があります。いくつかの対策を組み合わせて、スマホの使用時間を減らしていくのもいいでしょう。

対策アプリを使う

スマホ仕様の時間を制限するためのアプリがいくつかあります。その中でも、人気の高いアプリは「Forest by Seekrtech」でしょう。

スマホを触らない時間が長くなるほど、木が育っていくという育成ゲームの要素を組み込んだ対策アプリです。最長で、2時間スマホを触らないように4本の木の育ちをセットできます。

それぞれの木を移植して、どんどん森にしていきます。また、木の成長を他の人と競うこともできる機能もあるので、周囲の人と競いながら、また協力しながらスマホ依存症対策ができます。

Androidは無料でダウンロードできますが、iPhoneでは240円の課金になります。

通知機能をオフにする

スマホ依存症は、ついついスマホを気にしてしまうこともあるでしょう。着信音などはミュートにしている人が多くても、画面に出る通知に反応してしまうこともあります。

思い切って通知の機能をOFFにすると、さらにスマホを見る回数が減るでしょう。

通知をOFFにするには、「設定」の中の「通知」でセットすることができます。アプリごとに設定をできるので、大切なお知らせや連絡を受け取るものはOFFにしないように設定すうのがいいでしょう。

もしくは、すべての通知をOFFにしても、iPhoneならメールの確認したいときだけ通知を見ることが簡単にできます。画面の一番上から下にスワイプすると、新しいものから順にメールの通知を好きな時にみることができます。

スマホの使用時間を知る

スマホ依存症の人は、実は自分がどれくらいスマホを使っているか時間を把握していないでしょう。実際に使っている時間を知ると驚いて、スマホの使い方を気にするようになることもあるでしょう。

使用時間は、設定から簡単にチェックできます。「設定」→「一般」→「バッテリー」と進めば、使用時間とスタンバイ時間が表示されます。一日の終わりや拉致タイムなど、定期的にチェックする時間を決めて自己管理に活かすことができます。

音楽はスマホ以外できく

スマホを使う時間を短くするには、スマホに触らないのが一番です。スマホを触ってしまう機会で多いのが、音楽のためがあります。

音楽を聴くためにスマホを触って、ついつい聴きながらゲームをしたり、情報チェックをしたりしてしまいます。音楽がスマホを触るきっかけになるなら、音楽はスマホには入れずに別なプレーヤーを用意するのがいいでしょう。

そうすれば、音楽を聴くたびにスマホをいじる時間が長くなってしまうことも少なくなります。

関連してスマホゲーム(ソシャゲ)がWHOに疾患認定

2018年6月に、世界保健機構(WHO)が国際疾病分類「ICD―11」に「ゲーム依存症」を加える最終案をまとめました。

これは、来年5月には正式に認められる予定になっています。ゲームの中でも、手軽にどこでもできるスマホゲームなどのネットでのゲーム(ソシャゲ)も含まれており、スマホ依存症のひとつとも言えるでしょう。

疾患=ゲームやスマホ依存症が病気と認められるということは、本人の意思が弱いからスマホゲームなどに依存するのではなく、治療が必要な病気の一種と認識されるべきということになります。

従来は、アルコールや買い物、スマホなど何に対しても依存症であれば、心療内科で治療を受けるのが一般的です。

しかし今では、ゲーム、スマホ依存症の問題が深刻化していることもあり、ゲームやスマホ依存症専門の外来を開いている病院やクリニックもあります。ですから、スマホ依存症の心配があるなら、早めに心療内科や専門医を訪ねるのがいいでしょう。

スマホ依存症についてのまとめ

  • 「スマホ依存症」は、一日の大半の時間をスマホの使用に費やしてるなどの症状を指しています。細かな症状としては、ブルーライトにより目の疲れや視力の低下、不眠症に近い状態が見られることがあるでしょう。また、背中を丸めた姿勢で内臓への影響や首に負担がかかるでしょう。
  • 背骨の変形「ストレートネック」も症状のひとつです。加えて、スマホ依存症でも禁断症状、依存症状が見られることがあります。
  • スマホ依存症の原因は、人間関係のトラブル、コミュニケーションでの問題が大きいでしょう。また、うつ病、広汎性発達障害、ADHDなど重複した障害がある場合もあります。
  • スマホ依存症への対策としては、対策アプリを使う、通知機能をオフにする、スマホの使用時間を知る、音楽はスマホ以外できくなどがあるでしょう。
  • 2018年6月に、世界保健機構(WHO)が国際疾病分類に「ゲーム依存症」を加える最終案をまとめました。スマホゲームなどのネットでのゲーム(ソシャゲ)も含まれており、スマホ依存症のひとつとも言えるでしょう。