革ベルトは腕時計の王道ですが、雑に扱うとすぐに劣化してしまいます。質感がクタクタになってしまったり、ニオイが発生してしまってはせっかくの時計の魅力が台無しだといえるでしょう。

何のケアもせずに扱っていると、革ベルトは1〜2年で駄目になってしまいます。高級ブランドの時計であれば、ベルト代だけでも馬鹿になりません。

ここでは、腕時計の革ベルトを長持ちさせるための扱い方や、水洗いなどのお手入れ方法について紹介します。

腕時計の革ベルトは意外と汚れやすい

腕時計

腕時計の革ベルトは、使用とともに徐々に汚れていくものです。合成皮革のベルトならともかく、牛革などの天然皮革のものは劣化がつきものです。

多少質感が変化するのは自然なことですが、ロクに手入れをせずに放置するとクタクタになってしまいます。持ち主としては見慣れたものでも、クタクタになった革ベルトは意外と見られているものです。

革ベルトが劣化する一番大きな原因が汗です。さらに皮膚表面の皮脂や垢などがきっかけで、革ベルトに細菌が繁殖します。特に夏場は汗をかきやすいので、ニオイが発生しやすいです。

天然素材である以上値段は関係なく、高級品だから劣化しにくいということはありません。むしろ、安価なもののほうが艶っぽさを出すためにコーティングを施しているため、劣化に強いケースもあります。

ただし素材によって寿命の違いがあり、定番のカーフレザー(牛革)よりも、アリゲーターレザー(ワニ革)のほうが湿気に強い傾向にあります。

腕時計の革ベルトの魅力と夏でも革ベルトを楽しむ方法の解説

革ベルトの腕時計を大切に使うには

解説

湿気は、革の大敵です。汗やあかなどを吸い込んだ革ベルトは、湿度の高い環境に置くと細菌が繁殖しやすくなってしまいます。

毎日手首に巻くということは、細菌が繁殖しやすい状況を四六時中作り上げているということになります。

適度に休息を設けて湿気から開放するだけでも、革の寿命は随分と変わってきます。

たとえば、革靴を長持ちさせる方法は2日連続で履かずにローテーションさせることです。腕時計の革ベルトにも同じことがいえ、2本以上の時計をローテーションで着用することで長持ちさせることができます。

腕時計を1本しか所有していない場合は、ベルトだけを交換するという方法もあります。

ベルト交換は慣れてしまえば10分前後で作業できますが、毎日付け替えるのは流石に手間がかかるのが事実。しかし、月に1回、もしくは1シーズンごとに変えるだけでも寿命が変わります。

汗をかく夏場はナイロンやメタルブレスを、冬場は革ベルトをつけるという時計好きも少なくありません。

また、湿度以外にも、余計な圧力を加えることで革ベルトが傷んでしまうことがあります。

強く引っ張ることも革に悪影響なので、ベルトはキツく締めすぎず、少し緩めに着用することを心がけましょう。手首とベルトの隙間に人差し指1本分入るぐらいが理想です。

また、尾錠(金具)に引っ掛けて革を折り曲げるのもNGです。

革ベルトは、大切に扱うことで5年以上長持ちさせることも可能です。デリケートに使用することはもちろん、定期的にクリームを塗るなどのお手入れも大切です。

バンドの交換方法については以下の記事zも参考にしてみてください。
腕時計のバンドの交換の相場 自分で行う方法と交換する際の注意点

日常の腕時計の革ベルトの手入れの仕方

使い方

日々できる革ベルトのケアとして、効果的なのが柔らかい布で乾拭きすることです。

革は生き物であることから、繊細な繊維によって構成されており、それらの繊維に汚れが入り込むと取り除くことが困難となってしまいます。

毎日時計を使用したあとに乾拭きすることで、汚れが繊維に侵入することを抑えられます。乾拭きするときは、強くこすりつけると汚れを押し込んでしまうのでNGです。優しくなでるように汚れを拭き取りましょう。

また、劣化の最大の原因でもある汗は特にこまめなケアが必要です。日中でも、汗をかいたときは外して拭く癖をつけておきましょう。

また、人間の肌と同じように、ハンドクリームを用いて保湿や潤いを与えるのも効果的です。

革ベルトの水洗いをたまに行うとよい

水洗い

本来レザーと水は相性が悪いものですが、適切に行えば水洗いで革ベルトに付着した汚れやニオイを落とすことが可能です。

水洗いするにはまず、時計ケースからベルトを外すために「バネ棒外し」という工具が必要となります。バネ棒外しはアマゾンなどで数百円で購入できます。

ベルトを取り外したら、洗面器に石鹸や中性洗剤を薄めたぬるま湯を張って数時間浸け置きしましょう。水洗いするときは決してベルトを擦らず、浸けたまま放置しておくというのが大事です。

浸け置きしたあとは、真水で石鹸水をすすぎ落とします。キッチンペーパーやタオルで革ベルトの水気を吸収するように取り、しっかりと乾燥させましょう。

革ベルトを乾燥させるときの注意点として、直射日光は絶対にNGです。人間同様、紫外線は革の質感を退化させてしまいます。

また、ドライヤーで乾燥させるのも革を収縮させる要因となるため禁物です。日光の当たらない室内で、1日から2日かけて自然乾燥させましょう。

乾燥後には保革クリームを塗る

保湿クリーム

水洗いをし、完全に水気がなくなったら、仕上げに保革クリームを塗り込みます。

革靴や革財布などにも使えるデリケートクリームなどを、薄く伸ばして柔らかい布で優しく磨きましょう。これにより革が栄養補給され、しなやかさや艶めきが戻ります。

最後にバネ棒外しでベルトを取り付けますが、その前にラグやバックルの隙間に溜まった汚れを掃除しておけば完璧です。

皮ベルトのニオイのケア

クリームや水洗いが面倒な場合は、単純に日陰干しするだけでも充分ニオイのケアになります。

このとき色落ちの原因となる太陽光を避けるために日陰を選ぶわけですが、湿度の低い場所で放置するのがより理想的です。

また、革ベルト用の消臭スプレーを使う方法も非常に便利。1週間に2〜3回の頻度で消臭スプレーを吹き付けておくだけで、ニオイの発生を抑制することができます。

消臭スプレーは、時計を乾拭きしたあとに使用し、自然乾燥させればOK。1日の終わりに手軽に行えるケアだといえるでしょう。

腕時計の革ベルトに関するおさらい

  • 普段から革ベルトを清潔な状態に保つことを心がけ、使用後は布で汚れを拭き取るようする
  • 汗をかく夏場は特にこまめなケアが求められる
  • 時計をローテーションで使ったり、水洗いを行うことによって革ベルトは飛躍的に長持ちする
  • 長年使用しているとどうしても扱いが雑になってしまいがちですが、革ベルトの寿命を縮めるのも延ばすのも、日々の使い方次第