今では、簡単に自分のものを売り買いでいるサイトなどもあり、商品の物撮りをする人も多いでしょう。
物撮りのよしあしで、商品の売れ行きは全然違います。ここでは、物撮りのコツ、こだわるべきポイント、主役の引き立て方や編集のしやすい撮り方などについてご紹介します。
簡単に手に入るものや手軽な方法で、物撮りのクオリティーが一気にアップします。
目次
物撮りのコツは光の柔らかさ
ストロボや太陽の光での物撮りでは、物がくっきりと浮かびあがり強い影ができるので、商品の特徴や良さが伝わらないことがあります。
商品を紹介する画像では、見た人が「どんな商品なのか」を正確に把握できて、実際に買ったときには「どんなメリットがあるか」を想像できるような画像でなければ意味がありません。
影を弱めて柔らかい印象の画像にすると、物撮りに大切な要素が伝わりやすくなります。そのためには、面で反射した光源を使うのが効果的です。
商品自体を照らすのではなく、全体を包む柔らかい光になるように光をコントロールします。基本的には、フラッシュは使わないで撮影しましょう。
窓をシーツで覆う
自宅での撮影であれば、窓からの太陽の光が強すぎることがあります。
基本的には昼間に撮影し、窓をシーツで覆うのがいいでしょう。シーツを通した太陽の光は、点ではなく面の柔らかな光になります。
手ごろなシーツが家にないなら、撮影用にシーツを買うとしても1枚1000円ほどの安いもので十分です。シーツは、カーテンレールなどを使って、ガムテープや大きめのクリップで簡単に止められます。
覆った窓の前にテーブルや台を置いて、まずは一枚撮影してみましょう。
それだけでも、柔らかい光のいつもと違う物撮りの仕上がりになるでしょう。これだけでは、一方からの光の差し込みになるので、場合によっては窓と反対側に薄い影ができることがあります。
その影を解消するには、レフ板を使うのがおすすめです。白い板状のものを2枚用意して、それを白いマスキングテープなどつなげば、自立するレフ板ができます。
白い板は、段ボールに白い紙やハンカチを貼ったものでもいいですし、100円ショップなどでも売っている白いスチレンボードでもいいでしょう。大きめの方が使いやすいです。
レフ板は、窓の反対に置き、柔らかい光を反射して商品の薄い影を消していくイメージです。フレームに入らないようにレフ板の向きを調整しながら、イメージにあった画像になるとうに調整していきます。
レフ板を作るほどの影ではない時やレフ板を作るのが面倒な時には、露出補正を使うのもおすすめです。おもいっきりプラス補正をして撮影してみましょう。すると、バックの白いシーツが、真っ白に飛んで物も明るく影が薄くなって撮れます。
これは「バック飛ばし」といわれる、ひとつの撮影テクニックです。
半逆光もおすすめ
テーブルに置いたものを、斜め上や真上から物撮りすることもあるでしょう。特に料理の写真などで見られるアングルです。
その時には、斜め後ろから光を当てて、あえて影を作る撮り方もおすすめです。柔らかい光が全体にあたっていれば、レフ板は必要がないでしょう。部屋での撮影なら、窓に対して斜めに構えて撮影すれば斜め後ろからのライティングになります。
斜め後ろからの光は、半逆光と呼ばれます。半逆光は、物に影が入ることで、表面にはハイライト効果がでます。
全体に立体感と輝き感のある画像に仕上がります。物のディテールが伝わりやすくなるので、商品紹介にはもってこいのテクニックです。
また、表面のつや感が増すので、食べ物や料理の撮影には、特に適した方法です。
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背景と角度にもこだわる
撮りたい物が濃い色のものなら、背景は白か淡い色でいいでしょう。
しかし、薄い色の物を撮るなら、背景が逆に淡い色の方が、物がコントラストで引き立ちます。
また、角度は真正面でも下からあおる、上から撮るなど試してみると、自分でも気がつかなかった物のいい表情に出会えることもあります。いくつかの角度を試してみましょう。
100均のリメイクシートを活用
今、インスタグラマーやSNSで流行中なのが、リメイクシートを使った背景です。
リメイクシートは木目柄からストライプや大理石風など、さまざまなデザインが販売されています。それらをひとつ、または複数をおしゃれに組み合わせて背景にするのもいいでしょう。
シートによっては折って売っているものもあるので、背景にした時に折り目が映り込まないか注意が必要です。
角度にも気をつける
人の顔を正面から撮影するのと横から撮影するのは、だいぶ印象が違います。それと同じように物も角度を変えて撮影すると、雰囲気が違いますし、物のちがう表情を捉えることもできます。
角度のつけ方の参考には、手元の雑誌やカタログをあらためて見てみるといいでしょう。
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主役を引き立てる小物を使う
基本的には物撮りは、すっきりと撮るのがよいでしょう。
しかし、小物を使うと物自体が引き立つことも多くあります。たとえば、観葉植物やお花、本などを無造作に置いてみましょう。小物で演出することで、その物を手にした時をイメージしやすくなる効果があります。
全体的におしゃれな雰囲気になれば、その物を購入することでおしゃれな生活ができるとイメージしたり、観葉植物のグリーンはフレッシュなイメージを演出できたりするでしょう。
お花は、画像全体をゴージャスにしてくれます。英字の本を一緒に撮ると、知的な雰囲気を演出できるでしょう。朝食をイメージしたテーブルに物を置くと、ゆったりした休日のさわやかな朝のイメージにつながるでしょう。
文字入れなど加工を考えた余白・アングル
撮影をする時には、写真をイメージしてフレームを考えることでしょう。
特にショッピングサイト用の場合には、長方形ではなく正方形にトリミングしたり、あとから余白に文字入れをしたりなどの加工を施すことが多いでしょう。後の作業を考えて、出来上がりイメージをもって撮影しましょう。
トリミングを見越したアングルや文字入れの余白を残したりするのも大切です。
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物の撮影についてのまとめ
- 物撮りのコツは、光の柔らかさをコントロールして、「どんな商品なのか」を正確に把握できて、実際に買ったときには「どんなメリットがあるか」を想像できるような画像に仕上げること
- 自宅での物撮りであれば、昼間に窓からの太陽の光を使って撮影するのがいいですが、窓をシーツで覆うのがよい
- シーツを通した太陽の光は、点ではなく面の柔らかな光になる
- 窓と反対側に薄い影ができるなら、白いスチレンボード2枚をつないだ自立できるレフ板を使うのがおすすめ
- 窓の反対に置き、柔らかい光を反射して商品の薄い影を消す、または、レフ板を使わずに、おもいっきりプラス補正をして撮影してみるのもよい
- プロも使う「バック飛ばし」というテクニック
- 斜め後ろから光を当てて、あえて影を作る「半逆光」での撮影もおすすめ
- 影ができることで、物の表面に立体感とつや感が増します。食べ物や料理の撮影には、特に適した方法
- 物撮りでは、背景と角度にもこだわるようにする
- 100均のリメイクシートを背景に使ったり、カタログや雑誌の物撮りを参考にしたりしてアングルを考える
- 基本的には物撮りは、すっきりと撮るのがいいですが、小物を使うと物自体が引き立つことも多くある、観葉植物やお花、本などをうまく活用する
- 物撮りでは、加工を前提にした撮影をするのが大切、トリミングや文字入れのための余白を残しておく