多くの腕時計の風防として使われているミネラルガラスという素材があります。風防のミネラルガラスとはどういうものなのか、ミネラルガラスの風防にはどんなメリットがあるのか、ミネラルグガラスの風防の修理の相場はどのくらいかということが疑問点としてあげられます。

この記事では、風防のミネラルガラスとは何か、ミネラルガラス風防のメリット、ミネラルガラス風防の修理の相場などについて説明します。

そもそも風防のミネラルガラスとはなにか?

腕時計の文字盤の前面覆っているガラスのことを風防(ふうぼう)と言います。風防には、アクリルガラス、サファイアクリスタル、ミネラルガラスなど、その素材によって幾つかの種類があります。

ミネラルガラスは無機ガラスとも言われる

ミネラルガラスは、腕時計の風防として最も一般的に使用されている素材です。ケイ酸、ホウ酸、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等を主な成分とし、これらを溶かして非結晶状態で固めたものになります。

別名「無機ガラス」とも言われ、いわゆる一般的なガラスになります。

ガラス素材ですので、加工がしやすく、装飾的なものなど色々なデザインのものが作られているのです。硬度については、アクリルガラスとサファイアクリスタルの中間です。

また、ミネラルガラスに化学処理や熱処理などを施したクリスタルガラスやハードレックスなどの強化ガラスもあります。クリスタルガラスは、ミネラルガラスに酸化鉛や珪砂(けいしゃ)、酸化カリウムを加えて製造しており、輝いて見えるようになることから、クリスタルガラスと言われています。

ハードレックスは、SEIKOの技術によって作られたガラスであり、硬度が非常に高いことで有名です。

5万円以下の時計はミネラルガラスが多い

ミネラルガラスは、一般的な時計に最も多く使用されています。比較的安価な時計の風防では、基本ミネラルガラスを使っているのです。

5万円以下の時計では、ほぼミネラルガラスを利用しているものと考えていいでしょう。中にはミネラルガラスの上にコーティングをして強度を高めている時計もあるのです。

ミネラルガラス以外の風防:アクリルガラス

ミネラルガラス以外の風防としてアクリルガラスがあります。アクリルガラスは、合成樹脂やプラスチックから出来ているガラスで、別名「有機ガラス」とも言われます。

また、プラスチック風防やプレキシガラスと言われることもあります。軽量で他の風防素材と比較して非常に柔らかく、加工がしやすいという特徴があります。

薄くしても割れることが少なく、防水性の面からも優れています。しかし、紫外線で変色したり、傷が付きやすいという面もあるのです。

ミネラルガラス以外の風防:サファイアクリスタル

ミネラルガラス以外の風防としてサファイアクリスタルがあります。サファイアクリスタルは、人工サファイアの粉末を高温に溶かして結晶化した素材から製造します。

硬度が高く、傷がつきにくいのですが、加工しずらいという特徴があります。アクリルガラスやサファイアクリスタルに比べて透明度が高く、高級腕時計の多くにこのサファイアクリスタルが使われています。

固くて重い素材なので、加工が難しいことから、フラットな形の風防が多いのですが、一部ドーム型のものもあります。サファイアガラスと呼ばれることがありますが、素材としてはガラスではありません。

ミネラルガラスの風防のメリット

ミネラルガラス風防がよく使われるのは、比較的安価というだけではありません。ミネラルガラス風防がよく使われるのには、ミネラルガラス風防に幾つかのメリットがあるのです。

ミネラルガラスは加工がしやすい

ミネラルガラスは、サファイアクリスタルより柔らかく加工がしやすいという特徴があります。

しかし、一方で傷がつくことがあり、この時の傷は欠けたようになります。またコーティングを施してある場合があり、このような時計では、コーティングがはがれることもあります。

ミネラルガラスは小さな傷なら研磨できる

大切に使っていたとしても、うっかり大切な腕時計に傷をつけてしまうことがあります。

サファイアクリスタルの場合には、自分で傷を消すのは難しいのですが、ミネラルガラスやアクリルガラスの場合、小さな傷であれば研磨することで、傷を消すことができます。

ただ素人であっても研磨自体はできるのですが、非常に骨の折れる作業なので、専門の業者に相談することをおすすめします。

しかし業者の中には、アクリルガラスであれば研磨を受け付けるのですが、ミネラルガラスの場合に研磨は受け付けず、交換のみ対応しているところも結構多いです。

ミネラルガラス研磨の手順

ミネラルガラスでの研磨の手順について説明します。

まず、耐水ペーパーを使って水研ぎをしていきます。耐水ペーパーは#1000程度のもので良いでしょう。次に酸化セリウムの粉末を準備し、同量の水を加えます。

ここではミニルーターを使いますので、ミニルーターの先に綿棒をセットします。綿棒の太さは、ミニルーターの軸に丁度入るくらいの大きさなのです。その後は、軸が折れない程度の圧を加えて、ひたすら磨いていきます。

傷の程度にもよりますが、根気のいる作業です。酸化セリウムは、化学反応することでガラスの表面を溶かして削るので、結構時間が掛かるのです。また、素人が全てのガラスの傷を消すことや、完全な平面を出すのは結構難しいのです。しかし時間をかけて磨けば、確実に綺麗になるのです。

風防に小さな傷がついている場合には、ケースにも小さな傷がついていることが多いので、同時に研磨してしまうと更に時計が綺麗になります。ケースの研磨は紙やすりなどで行います。

初めは粒子の粗い(#400くらい)紙やすりで研磨を開始し、徐々に番手を上げて研磨をしていきます。最終的には、#1500または#2000の番手まで上げて研磨を行います。

水をつけながら磨く水研ぎのほうが、ペーパーが長持ちして効率が上がるのです。この作業も先ほどの風防の研磨と同じく、根気のいる作業ですので、数日に分けて行って構いません。

ミネラルガラスは、表面にコーティングを施してある場合があります。このような場合に研磨すると、まずこのコーティングがはがれてしまいますので、お店に相談し修理について相談した方がいいでしょう。

ミネラルガラスは、このように自分でもできるのですが、非常に時間のかかる大変な作業なので、自分で行うことはあまりおすすめしません。お店に行って修理を依頼する方がいいでしょう。

また傷があまりにも多かったり、傷が深いまたは欠けてしまった場合には、ミネラルガラスの風防を交換する方法もあります。

ミネラルガラスは小さな傷がつくことが多い

ミネラルガラスは、使っているうちに小さな傷がつくことがあります。サファイアクリスタルであれば、硬度が高いので傷がつくことはほとんどありませんが、ミネラルガラスやアクリルガラスであれば傷がつくことがあるでしょう

小さな傷であれば、これまで説明したように自分で磨いて傷を消すことができます。もちろん専門の業者に相談して、傷を消してもらうこともできるでしょう。

強い衝撃が加わった時は、当然ガラスなので割れることがあります。ただ粉々に砕けるようなことはあまりなく、ひびが入ったり欠けたりします。粉々にはならないことから、文字盤に傷がついたりすることはあまりありません。風防が割れてしまった時は、交換するしかありません。

ミネラルガラスの風防の修理の相場

風防が欠けてしまったり、深い傷がある場合には、交換するした方がいいでしょう。専門の業者では、研磨や交換を行ってくれますが、大まかな相場について知っておく必要があります。

修理の金額は、業者によって違いますが安いところで、風防の研磨を3000円ほどからできるところがありますが、アクリルガラスを想定しているところが多いので、事前に業者に確認すると良いでしょう。

ミネラルガラスやサファイアクリスタルの研磨を受け付けていない業者も多いです。きちんと研磨してもらうには、数万円はかかるので、交換とどちらがいいのかよく見極めるようにしましょう。

交換の場合、およそ2万円くらいから受け付けてくれる業者があります。

風防の修理や交換を依頼した場合、お店からオーバホールを薦められることがあります。オーバホール自体は数年に一度行った方がいいので、この機会にオーバホールをした方がいいかもしれません。

ミネラルガラスについてのまとめ

  • ミネラルガラスは、別名無機ガラスと呼ばれ、腕時計の風防としては最も一般的なものや、ミネラルガラスを強化処理を行ったものにサファイアガラスやハードレックスがある
  • 5万円以下の腕時計はミネラルガラスが多い
  • ミネラルガラス風防のメリットに、加工がしやすい、小さな傷であれば研磨できるなどがある
  • ミネラルガラス風防の修理は、研磨がいいのか交換がいいのか専門の業者に相談すると良い