腕時計には超がつくほど高級なものから、誰にでも入手できるリーズナブルなものまで、その種類やモデルも様々です。
ですが、腕時計の価値を決めるものは金額だけではありません。

腕時計が持つ歴史や稀少価値の高さなども、時計としての価値を決める重要な要素と成り得るものです。
また、どれだけ愛情を注ぎお手入れをするかによっても、その価値には大きな変化が現れます。

中でも「腕時計を磨く」というメンテナンス方法は、時計の価値をさらに高めてくれるものです。
より丁寧に磨き上げることで、これまでとは違った時計としての顔を見せてくれるでしょう。

腕時計磨きはお店?自分で?どっちがいい?

腕時計を磨きたいと思った時、自分でやってみるのか、それとも専門店や時計店に依頼するのか、多くの人が迷うことでしょう。

そんな時、1つの目安となるのが「自分で磨ける素材かどうか」ということです。

腕時計の仕様によっては、素人が自分で簡単に磨けない素材から、専門家でも磨くことが許されない素材まで、様々なものがあります。

お店で腕時計磨きを依頼する場合

自分で磨くことが難しいと判断した場合には無理をせず、修理専門店や時計店に依頼する方が賢明です。

安易に自分で磨いてしまうと、傷をつけてしまったりヒビが入ってしまったりと、マイナスダメージを負うことにもなりかねません。

プロにお願いする場合、依頼する時計店や腕時計のモデルによっても、その料金には違いが現れるため、必ず事前に見積もりを取ることをオススメします。

インターネットを使い、ホームページから見積もり依頼できる修理店も多数あるため、とても便利です。

お店での腕時計磨きの相場

腕時計磨きをプロにお願いするとなれば、かかる費用も気になるところでしょう。

修理専門店や時計店に依頼する場合の相場は、モデルによって違うだけでなく、磨く部分によっても違いがあります。
代表的な研磨サービスの基本料金の相場は、下記のとおりです。

  • ケース+ブレスレット ¥10,000~
  • ケースのみ ¥5,000~
  • ブレスレットのみ ¥5,000~

ケースとブレスレットの両方を同時に研磨すれば同じ輝きを保つことができるため、別々に依頼するより、仕上がりもきれいになります。

自分で腕時計を磨ける場合

自分で磨けるならば自分で磨きたいと思いつつも、磨いたことがなければ、少し不安を感じてしまうものでしょう。

自分で磨いても大丈夫かどうか、その判断に迷うような時は、まずは自分でできる簡単な磨き方を試してみるというのも、1つの方法です。

ですが、腕時計に使用されている素材によっては簡単に研磨できない素材もあるため、自分の腕時計に使用されている素材を、事前に確認することが大事です。

自分で腕時計を磨く方法

素材や仕様を確認し、自分でも磨けることがわかった場合は、自分で磨いてみることをオススメします。

自分の腕時計だからこそ、自分で磨き上げることでまた愛着が深まり、これからも大事にしようという気持ちも生まれるからです。

ここからは、自分で磨ける場合の研磨方法を、いくつか紹介いたします。

歯ブラシで腕時計を磨く

様々な分野において、二次的利用価値の高い歯ブラシは、腕時計の研磨でも大活躍するアイテムです。

腕時計は全体的な構造が複雑になっているため、部品と部品の間に汚れやほこりがたまりやすく、汗をかいた際の皮脂も付着することで、さらに汚れはひどくなります。

定期的に拭き取ることで、きれいな状態を保つこともできますが、時間の経過とともに追いつかなくなってしまうものです。
ケースやベゼルといった表立った部品以外にも、ケースと裏蓋の境目やブレスレットのコマとコマの間など、細かいところほど汚れは蓄積しやすくなります。

だからこそ歯ブラシでのお手入れが効果を発揮し、腕時計の細かい部分ほど大活躍するアイテムです。

ステンレス磨きのコンパウンド

ステンレス磨きで知られるコンパウンドは、車のキズ修理などでも活用される研磨剤です。

腕時計の研磨にも活用することができ、できるだけ柔らかい布に、少量だけ塗布して丁寧に研磨することがポイントです。
コンパウンドの特徴は、ステンレスの表面にできてしまった凸凹に粒子が入り込むことで、傷を目立たなくしてくれる点にあります。

小さな傷には特に効果的な研磨剤ですが、メッキ素材などは研磨すると削れてしまうため、注意が必要です。

また、腕時計などの素材として使用されることの多い「ステンレススティール」を磨くためのクロスなども併せて利用すると、さらにきれいに研磨することができます。

耐水ペーパーで時計を磨く

紙やすりの一種でもある「耐水ペーパー」を使った研磨方法もあります。
耐水ペーパーは、一般的なやすりと比較しても、耐水性が高いことが特徴です。

特にメタル素材の腕時計に取り入れられることが多い、ヘアライン仕上げが施された腕時計には、効果を抜群に発揮します。
腕時計の研磨に使用する耐水ペーパーの粗さは、#1000~#1500くらいの目のものが最適です。

自分で研磨すると傷がつきそうだと感じたり、耐水ペーパーで研磨することに抵抗を感じる場合は、できるだけ目の細かいものから試してみると、むやみに傷つける心配がなくていいでしょう。

腕時計磨きに関する注意点

仕上げの注意点

研磨の仕上げとして忘れてはいけないのが、「ふきあげること」です。

研磨に使用した薬剤や、磨くことで出てきた汚れなどを、柔らかい布でしっかりとふきあげることも、腕時計のケアとしては欠かせない工程となっています。

腕時計磨きの仕上げとして、最後に軽く乾いた柔らかい布でふきあげることによって、腕時計の輝きはさらに増すことになります。

鏡面仕上げの注意点

鏡面仕上げとは、腕時計の仕上げ方法の1つであり、「ポリッシュ仕上げ」と呼ばれることもあります。

鏡のように周りの物を映し出すほど完璧に磨き上げることから、このような名前がつけられていますが、この仕上げ方法は、特殊な道具が必要とされるものです。

この特殊な道具を使い、時計の形を変えてしまわないように慎重に研磨する作業は、高い技術力が求められるため、ほとんどの場合職人の腕によって施されています。

自分の力で職人レベルの鏡面仕上げを施すことは、ほとんどできないと言っていいほど難しいため、プロにお願いする方が無難です。

研磨できない素材はどんなの?

自分で研磨したり、仕上げとしてふきあげたりする際に気を付けることは、自分の腕時計の素材をよく把握しておくことです。

使用されている素材によっては、研磨することができない素材もあります。

特に文字盤を保護するガラスは、素材によって対応が違い、クリスタルガラスやサファイアガラスなら研磨することができません。

そのため、安易に研磨してしまわないように注意が必要です。

時計磨きのまとめ

腕時計の価値を決めるための物差しは様々ですが、そこに自分だけの物差しが存在していても、決しておかしいことではありません。
他人から見たら安っぽく、大して価値のない腕時計であったとしても、自分自身の思い入れが強い腕時計なら、それはどんな腕時計よりも価値の高い腕時計となるでしょう。
腕時計を磨くというメンテナンス方法は、その腕時計に対する持ち主の愛情表現でもあり、丁寧に磨き上げることで、腕時計の価値も大いに高くなっていきます。
このようなメンテナンスを面倒がらずにこまめに行い、できるだけ手をかけることで、その腕時計が持つ魅力は、最大限に発揮されることになるのです。