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腕時計ブランド H.モーザーとは
H.MOSER & CIE.(以下 H.モーザー)の創業は1828年で、ロシアのサンクトペテルブルグに設立しました。ロシアで成功をおさめたHモーザーは1848年にハインリッヒ・モーザー誕生の地であるスイスのシャフハウゼンに拠点を移します。
1864年にはH.モーザー社用の発電用ダムとタービンが完成し、ライン川に沿ってできた地域の発展に貢献しました。
IWCを誘致したのもこれが大きかったと言われています。ハインリッヒの死後、妻のマユ、息子のヘンリーが会社を支えましたがクオーツショック等の影響により休眠状態となります。2005年に再び時計製作を開始し、シャフハウゼンらしいスイスとドイツの両方の性質をもつ時計を造ります。
2012年にはオーデマ・ピゲのオーナーでもあるメイラン一族に買収されMELBホールディングスになります。現在ではエドゥアルド・メイランが歴史に忠実でありつつ現代的なエッセンスを加えた時計を発表し続けています。
H・モーザーの特徴はなんといってもシンプルなつくりです。シンプルなのはデザインだけでなく、スタンダードなモデルのエンデバー・スモールセコンドは通常の時計よりも歯車の数を減らした造りになっています。
ピュリティはロゴすらも排したデザインになっており、ロゴがなくともH.モーザー社の時計であることこそがアイデンティティーだと考え造られました。コンセプトは「less is more」です。これから発表されていく時計も、限りなくシンプルなつくりでいてどこか懐かしさを秘めているのでしょう。
H.モーザーのつくる時計の特徴
H.モーザー社のコンセプトは「less is more」というもので、限りなく不必要なデザインや機能をなくそうと考えています。
H.モーザーのモデル エンデバー・スモールセコンドの特徴
最もスタンダードなモデルで38.8mmのケースサイズで、機能は時刻表示のみと極めてシンプルです。文字盤はかつてパテック・フィリップ社が利用していたとされる塗装メーカーを使い、ヘアスプリングを自社生産するなどインハウス・ムーブメントとしてはトップレベルの拘りです。
H.モーザーのモデル ベンチャー・スモールセコンドの特徴
今の社長が経営に携わってから初めて発表したモデルです。
やはり文字盤はシンプルながらベゼルの肉厚を非常に薄く造り、39mmのケースサイズにインパクトを与えます。ユンハンスのマックスビルという時計がデザインのベースになっているそうで、シンプルさの代名詞バウハウスのDNAが色濃くでているデザインです。
H.モーザーのモデル パイオニアの特徴
今までのモーザーには考えられないスポーツタイプの時計です。とにかくシンプルなドレスウォッチしか造らなかったH.モーザー社でしたが、初のスポーツウォッチです。デザインのベースは変わらないまま軽さ、防水性に優れています。
H.モーザーの腕時計のおおまかな価格帯
H.モーザーの腕時計 価格帯
¥1,900,000~¥7,000,000
H.モーザー社の時計の価格帯は190万円~700万円が基本のラインナップです。
エンデバー・スモールセコンドが一番手頃で190万円前後となります。貴金属でしかつくらないコンセプトなので生産数が少ない分単価は高めです。機能が付くことは一切ないので、文字盤の違いで価格差がでることもあります。
ベンチャー・スモールセコンドは230万円前後です。エンデバー・スモールセコンドとはムーブメントが異なるため単純な比較は難しいですが、ベンチャーはサファイアガラスがカーブになっており、曲面が非常に美しいです。世界で2番目に固い素材であるため高コストです。
パイオニアは290万円前後です。パイオニアはケースサイドにチタンを盛り込むなどの工夫により軽量化に成功しています。未だかつてH.モーザー社で取り組むことのなかった手法で、スポーツラグジュアリーウォッチが好みの方におすすめの一本です。