マイホームを購入したら、数年〜10年くらいに1度、外壁塗装をしなければなりません。そして、点検や外壁塗装をする際に急にまとまったお金が必要です。

相場を知っておくことで、業者の見積もりも理解でき、慌てず、外壁塗装をすることができます。

この記事では、外壁塗装の相場について以下の点を中心に解説いたします。

・外壁塗装の相場
・費用別にどのくらいの外壁塗装ができるか

外壁塗装の相場は?

一戸建て住宅の外壁塗装の相場は約60万円前後といわれています(30坪平均)。

ただ、どの住居に対しても一律に「外壁塗装の相場は●●円です」ということはできません。

住宅の坪数、住居を建ててからどのくらいの年月が経っているか、老朽化の程度、今後のメンテナンスをどうおこなっていくかなど、あらゆる面を考えて、塗装の費用を見積もるためです。

外壁塗装の内訳

外壁塗装の相場といっても、何にどのくらい費用がかかっているのか知っておくと計算しやすいでしょう。多くの工務店で外壁塗装の見積もりを出す時に組み込まれている費用が下記になります。

・材料費 20%
・足場代 20%
・人件費 30%
・運営費 30%

材料費

全体の約20%を占めるのが材料費です。

その中でも塗装に使う塗料によって価格がある程度決まります。

養生シートや飛散防止用のネット、シーリング剤など、塗装する上で欠かせない材料費がすべてこの項目に含まれます。

足場代

外壁塗装をする際、足場を組むことがほとんどです。

事故防止や飛散防止用として組まれることが多いのですが、外壁塗装を丁寧仕上げるためにも必要です。細かい部分も安定した足場がある方が塗りやすいためです。

部分補修ならロープでつられて作業するブランコという方法もあります。

予算が少ない場合はブランコで作業できる業者かどうかも確認しましょう。

人件費

これは言うまでもなく、外壁塗装に関わった人に対する報酬額(費用)です。

新人、中堅、ベテラン、あるいは下請けの職人によって、人件費も異なります。

綺麗に仕上げてほしいがために、ベテラン揃いにすると、自然と人件費は高くなります。

運営費

全体の費用の約30%も占めるのが運営費です。

漠然としていますが、外壁塗装工事を請け負い、希望などを相談、職人を現地まで派遣し、必要な道具を揃える、など諸々の費用がこの運営費に含まれます。

工務店によっても金額に大きな差がある費用だと言えるでしょう。

外壁塗装20〜40万円でできること

2階建の一般的な住宅で外階段の補強や美装

美装は塗装で綺麗にし、足場が必要なければ、予算を抑えられるため、25〜30万円くらいでできます。

築30年のホテルの外壁塗装

しっかりと細かいところまで塗るなら、足場を立てた方が良いでしょう。塗料の価格によって、30〜36万円くらいで変動します。

窓枠と壁のつなぎ目部分の補修塗装

外壁と窓枠のつなぎ目部分の防水処理などは比較的安価に塗装工事ができます。

その時、コーキング材などを使います。この種類の補修塗装の場合、足場の費用が大きな割合を占めます。

足場を組まずに一部を補修する場合は、費用は10万円以下でも可能です。足場を組んだ場合、30万円前後を見積もっておくと良いでしょう。

また、コーキング材は経年劣化がある素材なので、5年を目安にメンテナンスを行う必要があります。

外壁塗装80〜100万円でできること

一般的な住宅の外壁塗装工事

外壁塗装の平均相場(60万円、30坪平均)を超えた価格ではありますが、住宅の大きさや劣化具合、塗料や素材の種類によって、相場は大きく変動します。

延床面積45坪の2階建ての住宅で、足場を組んで外壁塗装をすれば、90〜100万円くらいの価格が相場でしょう。ウレタン系やシリコン系の塗料を使うのが一般的ですが、断熱効果が期待できるような特殊な塗料を使った場合は価格が上がります。

逆にアクリル系の塗料を使うと、単価が安いため、総額も65万円程度で収まることもあります。しかし、経年劣化が早いため、5〜8年で塗り替えをする必要があります。

塗料の色や素材をアレンジできる

塗料の色を変えるだけでも住宅のイメージは変わります。汚れて黒くなってしまった白い壁を新築の時のように塗り替えることができます。耐久性のある塗料を使って経年劣化を軽くすることも可能です。

耐水性、耐久性の高い塗装ができる

住宅によっては湿度に弱かったり、雨や雪の多い地域に建っていたりすると、水による腐食が進んでいることがあります。雨水が外壁から浸透し、家を痛めてしまいます。

築10年ぐらいの一戸建てに、耐水性、耐久性ともに高い『水性セラミシリコン』で塗装することでメンテナンスサイクルを伸ばし、コスト削減できます。

外壁塗装100万円以上でできること

外壁塗装の予算に100万円以上かけられる場合は、一般的な大きさの住宅であれば、塗料や壁の素材を様々な種類が選べます。

外壁のイメージチェンジ

外壁の補修ではなく、全体のイメージを変えることもできます。塗料も耐久年数の高いフッ素系を使えます。(平均耐久年数15年程度)

特殊な塗料を使って耐久性と快適性を高める

外壁塗装のリフォームに150万円程度の予算を見込めるならば、塗料を特殊なものに変えることができます。

例えば、直射日光があたる一戸建て住宅の場合は、太陽の光や熱で外壁が温められて、夏は家の中がとても暑くなってしまう傾向があります。

夜になっても熱が逃げず、外と中の温度差が大きい場合もあります。

そのような住宅の場合は、外壁塗装リフォームで、塗料を断熱効果の高いものに変えると、熱を吸収しにくく、こもらなくなります。

外壁塗装の相場 まとめ

  • 一戸建て住宅の外壁塗装の相場は約60万円前後(30坪平均)
  • 住宅の大きさや塗り直しの範囲、塗料などによって相場が変動しやすい
  • 外壁塗装の費用は足場代や人件費、塗料の種類などによってまちまちである
  • 予算を高く組めば、塗料の種類が選べ、耐久性や耐水性に優れたもの、断熱性の高いものを使用して、メンテナンスサイクルを伸ばすこともできる