大切な腕時計を手放すなら、できる限り高値で売却したいというもの。ただし腕時計の価格というものは、たくさんの要因が絡み合って値段がつけられています。

単純に使用年数や傷の有無だけでなく、ブランド力や為替市場まで影響するのが腕時計の中古市場です。予備知識がない状態で売却してしまうと、損してしまう可能性もゼロではありません。

ここでは、適正価格で腕時計を買取してもらうために知っておきたいポイントについて紹介します。

腕時計は資産価値があることもある

40万円〜50万円を超える高級時計には、資産価値があります。株や不動産と同じく、上手く売買することによって利益を出すことも可能です。

しかし、すべての高級時計が投資向きというわけではありません。高価で買取される製品には、いくつかの条件があります。

中古品でも高値が付く条件のひとつが、希少価値の高さです。その腕時計が欲しいと思っている人に対して、市場に出回っている数が少なければその分価値は高騰していきます。

分かりやすいもので言えば「限定品」で、すでに生産が終了している製品などは、中古買取価格が新品で購入したときの価格を超えるケースも少なくありません。

また、限定品でなくても、人気や知名度がある製品は価格が上がる傾向にあります。人気シリーズを発売直後に売買したり、ディスコン(廃盤)になったものを売却することで利益を得られるケースもあるでしょう。

腕時計を買取してもらうための方法

腕時計を中古で売るといっても、その方法はさまざまです。主な買取業者として、質屋やリサイクルショップ、時計買取専門店などがあります。

大事なのは、買取業者に優れた鑑定士がいるかどうか。深い知識や経験を持つ鑑定士が在籍している店に依頼することで、安心して取引を行うことができます。プロの鑑定士は毎日のように腕時計の査定を行い、日々市場調査を行なっているため、適正な価格を提示してくれます。

腕時計の査定自体は基本的に無料です。提示された価格が見合わなければそのまま返却してもらえます。時計専門の買取店であれば安心できますし、大手の質屋も経験豊富なので適正な価格で査定してくれるでしょう。

近所に買取店がない場合は、ネットで依頼して宅配査定してもらうという手段もあります。業者の指定住所に腕時計を送って査定してもらう宅配査定は、お店へ出向く必要がないので非常に便利です。

査定の日数は業者にもよりますが、時計が届いた当日〜3日程度の期間で査定結果を連絡してもらえます。成約すればその金額を自分の口座に振り込んでもらって取引が完了するので、スムーズに売買が行なえます。

また、出張買取を行っている業者も多いです。豊富な知識をもった鑑定士が自宅に訪問し、玄関先で丁寧に時計を査定してもらえます。かかる時間は査定してもらう腕時計の本数にもよりますが、おおよそ30分から1時間程度です。

店頭に足を運ぶ必要がないことはもちろん、宅配査定のように発送する必要すらないので、手間を一切かけずに腕時計を売りたい人におすすめです。

買取業者に依頼する以外の方法として、インターネットオークションで腕時計を売却するという手段もあります。メリットとしては入札金額を自分で設定できる点と、上手くいけば買取業者よりも高値が付く可能性があるという点です。

しかし、個人同士のやり取りとなるため、トラブルが起こるリスクも少なからずあります。落札されて発送まで済ませたあとにクレームがつくなど、取引がスムーズに進まないことも起こりえます。

自分で写真や説明文をアップしたり、落札希望者とのやり取りや梱包・発送など、慣れていなければ非常に手間がかかるのもデメリットだと言えるでしょう。

腕時計の買取の相場

腕時計を適正な価格で売却するためには、自身でも相場を把握しておく必要があります。まずは、売りたい腕時計の新品価格がいくらぐらいで販売されているかを知りましょう。

中古時計の場合、一般的には新品販売価格の50%〜70%程度が相場です。買取価格は、その中古価格のおよそ5割程度が基準となるでしょう。つまり、新品販売価格が140万円で中古価格が70万円のものの場合は、買取額は35万円が相場となります。

もちろん、保証書や外箱などの付属品すべてが付いた完品状態が条件。付属品がない場合でも買取自体は可能な店が多いですが、金額は下がってしまいます。

買取価格はブランドや腕時計のモデルによっても大きく異なり、需要が高い製品の場合は中古販売価格が上昇します。また、海外ブランドの場合は経済相場によっても影響があり、円安のときが腕時計を売却するタイミングとしてはベターです。

イマイチ手持ちの腕時計の買取相場が掴めない場合は、ネットオークションでいくらぐらいで落札されているのか参考にするのもひとつの手段です。また、買取業者に依頼する場合も、1社ではなく複数の業者を比較することが大切。

最近では、ネットで複数の買取業者の査定額を比較できるサイトもあります。

買取で高額査定が出やすいブランド

人気や知名度が長いあいだ安定しているブランドは、高額査定が出やすいです。ステータス性と歴史があることはもちろん、メンテナンス体制がしっかりしているということも高額査定が出やすいブランドの条件です。

「ロレックス」はそれらの条件を全て満たしており、中古市場で高額取引される代表的なブランドです。日本はもちろん、世界でも知らない人がいない圧倒的な知名度を誇る時計メーカーで、製品自体のクオリティやポテンシャルの高さも群を抜いています。

中古にもかかわらず価値があまりにも下らないため、投資目的でロレックスの腕時計を買う人もいるほどです。

最も代表的なモデルがデイトナで、中古価格が定価を上回ることが非常に多いです。ロレックス唯一のクロノグラフとして「コスモグラフ デイトナ」と名づけられたこの腕時計は、年式によっては定価の30〜40万円以上の価格がつくことも。

つまり、新品で購入して数年愛用しても、売却するときには利益が生じるのです。それだけに、新品で買おうと思っても簡単には手に入りません。生産数は極めて少なく、ロレックス正規店の常連顧客が足繁く通いつめても、よほど運が良くなければ入荷のタイミングで購入できないでしょう。

ロレックスはデイトナだけでなく、サブマリーナやエクスプローラなど基本的にどのモデルも中古買取価格が高いです。さらに、アンティークモデルに関しても高値で取引されています。

他のブランドでは、ビッグバンなどの人気モデルで勢いのある「ウブロ」も高値で買取されている傾向にあります。

船の窓をイメージしたケースとビス留めのベゼルデザインがヒットし、一流アスリートなどスポーツシーンで人気を獲得。認知度が大幅に上がっているため、今後も価格の上昇が期待できます。

また、ぺアウォッチも多く、独創的なトノー型ケースで幅広い年代に人気の「フランクミュラー」も中古市場で注目される存在です。

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腕時計の買い取りについてのまとめ

  • 高級時計であればあるほど、買取業者や売却するタイミングによって値段の付き方が変わってきます。
  • まずは自分の腕時計が現在いくらぐらいの価格で販売されているのかを、新品・中古ともに調べましょう。その上で大体の買取価格を把握し、買取業者へ査定依頼するのが王道の流れです。
  • 質屋や時計買取専門店などの買取業者へは、直接持ち込んでもいいですが、遠方の場合は宅配査定や出張査定という手段もあります。また、インターネットの査定比較サイトなどを駆使して、ひとつの業者ではなく複数の業者で査定額を見比べましょう。