一眼レフカメラを買って、「さあ、プロみたいな写真を撮るぞ」と意気込んで撮影したものの、思うような写真が撮れなかった、そんな悔しい思いをしている人もいるでしょう。

「自分にはカメラの才能がない」と落ち込んでいる人もいるかもしれません。

しかし、安心して下さい。プロのような写真を撮るのには、基本的なノウハウがあります。上手な写真が撮れないのはカメラ撮影の基本を知らないからで、才能のせいではありません。カメラ撮影の基本を知れば、だれでもプロのような写真を撮ることは可能です。

撮影に大事なのは主役をどう撮るか

多くのアマチュアカメラマンが悩むことは、「何を」「どう撮るか」です。

撮影する対象は、風景や人物、食べ物、草花、動物、電車などさまざまですが、重要なのは、その対象の中の何を「主役」にするかです。主役を決めていない写真は、漠然としてインパクトのないものです。

何気ない風景でも主役を決めることで、ストーリーが生まれてきます。道端の花、街中の看板、公園の老人、駅のホームのサラリーマン、など撮影したい主役を決めて下さい。

そして、主役を引き立てるためにどう撮るかを考えます。この「どう撮るか」が良い写真になるかの分かれ目です。そのためには、カメラ撮影の基本的を理解する必要があります。

カメラ撮影の基本 6つのポイント

(1)ボケ感を出す

主役を引き立てるもっとも効果的な方法は、背景をぼかすことです。

「ボケ感」は、まさに一眼レフカメラの特技とも言えます。背景がボケた写真は、花や人物撮影には欠かせないテクニックです。

背景をぼかすポイントは、「背景と被写体の距離」「レンズ」「F値(絞り)」の3つです。

カメラでぼかした写真を撮るための方法と写真がぼける仕組み

背景と被写体の距離

背景をぼかすには、極力被写体と背景の距離が長い方がボケやすくなります。

背景との距離を考えて撮影しましょう。

レンズ

カメラのズームレンズを利用しても背景をぼかすことが可能です。

まずは、眼一杯カメラをズームします。そして、被写体がフレームにおさまるまでカメラ位置を下げていきます。

普通の感覚では、被写体に近づきたくなりますが、ぼかすために自分が下がることも覚えておきましょう。

望遠レンズを使うとよりボケ感が増します。

カメラのレンズは沢山の種類があります。以下の記事ではカメラのレンズについて解説しています。
カメラのレンズの種類 それぞれの特徴と撮影時の魅力の解説
カメラのレンズで中古を買う際の注意点 選び方と買える場所の解説

F値(絞り)

一眼レフカメラには、F値がついています。F値はカメラに入る光の量を調節する機能です。

F値を小さくすると背景はボケやすくなります。

難しそうに感じるかもしれませんが、初心者は絞り優先のAVモードにしておきましょう。

絞り以外の機能はカメラが設定してくれるので、カメラのダイヤルを回すだけで簡単にボケ具合が調整できます。

(2)必要のないものは取り除く

写真撮影では「引き算」という言葉が使われます。これは、主役以外の必要のないものを取り除くことで、よりインパクトのある写真が撮れるためです。

例えば、焼きたてのパンが主役なら、テーブルに置いてある小物は雑然として邪魔になる場合があります。

焼きたてのパンの感じを表現したいのなら、極力余分なものは取り除いて撮影した方が、シンプルでインパクトのある写真になります。

また、花壇に咲く花を撮影する場合でも、主役となる花を決めたら、周りの情景は取り除きその花だけに絞り込んで撮影してみましょう。一味違った写真に仕上がるはずです。

(3)カメラ位置を変える

私たちは、普段立った状態で景色や人物を見ています。カメラを撮る時も、立った状態のままで撮るのが自然な感覚になっています。

しかし、被写体を魅力的に見せるには、「どこから撮るか」も重要な要素になります。

主役を表現するには、どこから撮ったらより印象的なものになるか、あれこれアングルを探してみましょう。

しゃがんで低い位置から撮ったり、脚立の上から撮ったり、カメラ位置を変えるだけでも写真のイメージは大きく違ってきます。

アングルとはなにか アングルとポジションの違いと組み合わせの効果

(4)被写体の位置をずらす

被写体を撮る時に主役を中央に配置しがちです。

カメラの構図のパターンに「日の丸構図」というものがありますが、この構図は当たり前のようで実は難しい構図です。

単純に主役が中央にいるだけでは、なんのインパクトもない変凡な写真になるからです。日の丸構図が効果的なるのは、それなりの工夫が必要です。

平凡でない写真を撮るためには、主役の位置を少しずらしてみることもテクニックのひとつです。

主役の形や主役の目線などに合わせて位置をずらして下さい。中央の配置では感じられない、安定感やストーリー性が感じられるはずです。

カメラの構図とはなにか 写真撮影の基本と構図の12パターンの解説

(5)半逆光を利用する

写真は、「光と影の芸術」とも言われ、光の位置は写真の仕上がりにも大きく影響してきます。

カメラから見た光には、「逆光」と「順光」があります。風景写真や人物写真では逆光を避けて順光の状態で撮影するのが一般的です。

これは、逆光では被写体が暗くなってしまうからです。一方、順光は光がフラットに当たり明るい写真になりますが、平凡な印象になってしまいます。

被写体の斜め45度ぐらいから差し込む光を「半逆光」と呼びます。馴染みのない言葉ですが、一味違った写真を撮るには、この「半逆光」がオススメです。

半逆光で撮影すると被写体に立体感が出てきます。料理などの撮影は、半逆光が基本と言われるほど、常識的に使われています。

人物などを撮影する場合も、半逆光を利用すれば自然な影ができ順光とは違った味わいのある写真に仕上がります。

逆光撮影のメリットとデメリット 露出修正と補助光を使う方法の解説

(6)いろいろ撮ってみる

プロのカメラマンでも、気に入った写真を得るためには何枚もの写真を撮ります。その中からこれぞというものを選んでいます。

これは、アマチュアカメラマンでも同じです。カメラ位置を変えたり、構図を変えたり、絞りやシャッタースピードを変えて、いろいろなパターンの写真を撮ってみましょう。

同じ主役でも、全く印象が違った写真に仕上がることが分かるはずです。

カメラの基本機能を活用しよう

プロのような写真を撮りたいと一眼レフカメラを購入したら、さまざまなボタンやダイヤに戸惑う人も多いでしょう。

一眼レフには初心者のために、カメラが自動に調整してくれる「フルオートモード」という便利な機能があります。

この機能を使えば、初心者でも簡単に一眼レフカメラを体験できます。

しかし、残念なのはそのままフルオートモードで撮影するのが習慣になってしまう人も少なくないことです。それでは普通のデジタルカメラと変わりがありません。

一眼レフには、一眼レフならではの機能が数多くあります。

プロのような仕上がりの写真を撮りたいのなら、一眼レフでしかできない機能を活用することが不可欠です。まずは、一眼レフの基本機能を理解することから始めてみましょう。

ISO感度

ISO感度とは、デジタルカメラのセンサーがどれだけ光の量を感じる能力があるかを示した値です。

フイルムを使ったカメラでは、ISOに合わせてフィルムを交換していましたが、デジタルカメラでは、電気信号をあげて感度を増しています。

例えば、晴れた日の屋外なら光が多くあたるので、ISO感度は少なくてすみます。

しかし、暗い室内では光の量が少ないので、同じISO感度では暗くなってしまいます。このように、状況に合わせて適正な光の量(適正露出)を選ぶのがISO感度です。

適正露出とシャッタースピードと絞りの関係

ISO感度で分かるように、写真の仕上がりは「レンズを通す光の量」と「光を通す時間」によって決まります。

カメラの機能で言うならば、「レンズを通す光の量」は「絞り」で、「光を通す時間」が「シャッタースピード」です。被写体によって、どちらを優先するかが重要になります。

カメラのモード設定には、フルオート撮影以外に、「S」もしくは「TV」、「A」もしくは「AV」のモードがあります。

プロのカメラマンのようにマニュアルモードを使いこなせるようになるためにも、まずはこれらのモードから慣れるのがベストです。

「S」もしくは「TV」は、シャッタースピード優先のモードです。シャッタースピードを選べば、絞りはカメラが設定します。

動いている被写体はシャッタースピードを早く、水の流れなどをイメージ的に撮影したい場合は、シャッタースピードを遅くするとイメージ通りの写真が撮れます。

「A」もしくは「AV」は、絞りを優先したモードでシャッタースピードはカメラが決定します。ボケ感を出すには効果的なモードです。

被写体に合わせて、シャッタースピード優先か絞り優先かを決めましょう。

露出補正

一眼レフカメラには、「+」と「-」のマークがついたボタンがあります。これは、カメラが自動で露出を判断した場合、明るすぎたり暗く過ぎたりした場合に使用します。

例えば、画面の中に白い物が多かったり、明る過ぎたするとカメラは自動的に全体を暗くしてしまいます。

自分が思った世界が表現できない場合は、露出補正で明るくしたり暗くしたりすることができます。

ホワイトバランス

被写体に当たる光には、太陽光の他に電球や蛍光灯などさまざまな種類があります。肉眼では同じに見えても光にはそれぞれ色がついています。

電球の光は赤く、蛍光灯は青くなっているので、そのまま撮影すると電球の光で撮った写真は赤っぽく、蛍光灯で撮った写真は青っぽくなります。

このような光による影響を取り除くのがホワイトバランスの機能です。ホワイトバランスをオートにしておくと、光源に合わせて色を調整します。

また、意図的に赤みや青みを活かしたい場合は、ホワイトバランスの設定を変えることでイメージに合った写真に仕上げられます。

ピクチャースタイル

デジタル一眼レフカメラで、もっとも便利な機能が「ピクチャスタイル」です。

これは、人物や風景などさまざまな撮影シーンに合わせて、色彩やコントラストなどが調整できる機能です。

CanonのEOSに初めて搭載された機能で、カメラメーカーごとに呼び名が異なっています。

ちなみにNikonでは「ピクチャーコントロール」、ペンタックスは「カスタムイメージ」と呼んでいます。

ピクチャースタイルには以下のものがあります。

全自動の「オート」、基準色のくっきりとした仕上がりになる「スタンダード」
女性や子どもの肌を健康的に表現する「ポートレート」
空の青や木々の緑を鮮やかに写す「風景」
繊細な質感や細かな輪郭を描写する「ディテール重視」
被写体の微妙なニュアンスを残す淡い色彩の「ニュートラル」
見た目に近い現物重視の「忠実設定」
モノクロやセピア、ブルートーンなどのフィルターワークが楽しめる「モノクロ」
自由自在に設定が可能な「ユーザー設定」

ピクチャースタイルなら、被写体や撮影シーンに合わせて初心者でもイメージ通りの仕上がりが可能です。

カメラの撮影方法についてのまとめ

  • 一眼レフの世界は、知れば知るほど奥深いものですが、その魅力を知るためにもカメラ撮影の基本を知ることが大切です。
  • まずは、主役となる被写体を決めたら、「どう撮るか」を考えましょう。
  • そして、主役を立てるために大切な基本的なポイントに従って撮影します。
  • 基本的なポイントは、
    ・ボケ感を出す
    ・必要のないものは取り除く
    ・カメラ位置を変える
    ・被写体の位置をずらす
    ・半逆光を利用する
    ・いろいろ撮ってみる
    の6つです。
  • また、よりプロのような写真に仕上げるために、「ISO感度」「露出補正」「ホワイトバランス」「ピクチャースタイル」などの基本機能を理解して下さい。
  • 一眼レフカメラの使い方をマスターすれば、写真の世界は大きく広がります。そのためにも、まずは基本をきちんと知ることが大切です。