液晶テレビの場合、バックライトなどの主要部品や電子回路の耐用年数や、各製造元が定めた補修部品の保有期間が8年になっています。よって、一概にはいえませんが、テレビの平均的な耐用年数は8~10年と考えられます。

2009年に始まった「家電エコポイント制度」を利用して購入したデジタルハイビジョンテレビの多くが、買い換えの時期を迎えていることになります。

しかし、テレビの買い換えを検討しながら、古いテレビをどう処分すればいいのかわからない方もいるでしょう。この記事では、テレビの捨て方について解説します。

テレビの捨て方

いらなくなった古いテレビは、特定家庭用機器再商品化法、いわゆる「家電リサイクル法」によって処分する方法が定められています。
この法律は、テレビをはじめ、特定の家電製品は廃棄せずにリサイクルすることでゴミを減らすと同時に、資源を有効活用することを定めた法律です。

家電リサイクル法の対象となるのは、以下の4品目です。

・エアコン
・テレビ(ブラウン管、プラズマ、液晶を問わず、すべてが対象)
・冷蔵庫
・洗濯機

したがって、不要なテレビを捨てるときも、ゴミとして処分するのではなく、家電リサイクル法に明記された遵守事項に従って、確実にリサイクルしなければならないのです。

買い替えなら購入する電器店に引き取ってもらう

テレビを買い換える場合は、新しいテレビを購入する店に対して、古いテレビの処分を依頼することができます。

この場合、依頼者は古いテレビのリサイクル料金と収集・運搬料金を支払う必要があります。リサイクル料金については、対象家電のメーカー各社が公表しています。
基本的に全国一律ですが、収集・運搬料金については、家電販売店によって金額がちがうことがあります。

また、一般的には新しいテレビを購入する時に古いテレビの回収を依頼すると、収集・運搬料金を半額程度に割り引いてくれる場合がほとんどです。

したがって、古いテレビを使う予定がなければ、新しいテレビと入れ替えに処分を依頼する方がいいでしょう。

テレビを処分したい場合

古いテレビを買い換えずに処分したい場合は、以下のような方法があります。

電気店に引き取ってもらう

家電リサイクル法で定められたテレビなど、特定家電製品は、近くの家電販売店に処分を依頼することができます。

その場合も、リサイクル料金と収集・運搬料金を依頼者が負担する必要があります。

そのうちの収集・運搬料金については、処分するテレビの引き取りを家電販売店に依頼するか、あるいは自分から家電販売店に持ち込むかによって金額が変わります。また、家電販売店によっては、過去に自分の店で販売したテレビは、収集・運搬料金を安く設定していることもあります。

もし処分を予定しているテレビの保証書が残っていれば、そこに記載された購入店に処分費用を問い合わせてみるといいでしょう。

各市町村に引き取ってもらう

テレビをはじめ、家電リサイクル法の対象となる4品目の家電については、市区町村が粗大ごみや資源ゴミとして回収することはできません。

ただし、自治体によっては、例外的に引き取って、リサイクル法にもとづく処分を行うところもあります。

そのような場合は、まず市区町村が粗大ゴミとして回収したうえで、家電リサイクル法で定められた指定引取場所(リサイクル家電をまとめて運搬するために一時的に保管する中継所)に搬送し、その後、製造業者かリサイクルプラントに引き渡す形で処分を行います。

したがって、自治体に処分を依頼する場合には、粗大ゴミの収集料金とリサイクル料金がかかります。
この場合の料金は、切手や印紙と同じようにまず料金の納入券を購入し、それを処分するテレビに貼り付けて、自治体の窓口に回収を依頼した上で、所定の場所に排出します。

粗大ゴミの収集料金納入券は、居住する市区町村内のコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの地元小売店で購入することができます。

一方、家電リサイクル券は、全国の郵便局とゆうちょ銀行の窓口に備え付けられています。料金は郵便振替式ですので、所定の用紙で振替手続きをすませると、窓口で家電リサイクル券と振替払込請求書兼受領証、および日附が押された振替払込受付証明書を受け取ることができます。

家電リサイクル券の有効期限は、振込の翌日から10年となっていますので、忘れずに利用してください。

指定引き取り場所に自ら持っていく

家電販売店や自治体が回収したテレビは、指定引取場所にいったん集められてから、製造元かリサイクルプラントへ運搬されます。そして、最終的に解体と分別処理が行われ、鉄や銅、アルミニウム、ガラス、プラスチックなどが資源として回収されます。

テレビを処分する場合、所有者が指定引取場所に直接持ち込むことも可能です。

この場合は収集・運搬料金はかかりませんが、リサイクル料金はかかります。あらかじめ郵便局かゆうちょ銀行で振替払込手続きをして家電リサイクル券を入手してください。

最寄りの指定引取場所は、以下のサイトで検索することができます。

一般財団法人家電製品協会 最寄りの指定引取場所検索

まだ使えるテレビはリサイクルショップかオークションへ

製造から5年以内で故障していないテレビであれば、リサイクルショップに持ち込むかオークションに出品すると、そこそこの値段で売れる可能性があります。

リサイクルショップの買い取り価格の一例として、2010年製造の国内有名メーカーの製品であれば、1000円から4000円で買い取り可能となっています。これは、東京都江戸川区の中古家電買い取り販売店「ハッピー」が公表している地デジ対応液晶テレビの買取り価格表に記載してあります。

ここで注意しなければいけないのは、デジタルテレビをB-CASカードをつけたまま譲渡する場合には、カード使用者変更の手続きを要することです。

あまり認知されていませんが、B-CASカードの使用許諾契約約款には、B-CASカードの所有権は株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズにあると明記されています。

したがって、テレビと共に譲渡することは原則としてできないのです。

一方、ハイビジョン以前のブラウン管テレビについては、価値や需要はほとんどないでしょう。
しかし、昭和40年代以前の家具調テレビや、四つ足テレビについては、昭和レトロなデザインに心をひかれる収集家もわずかながらいるため、オークションに出すと、運がよければ売れる場合もあります。

中古家電買い取り販売専門店ハッピー 液晶テレビ(地デジ対応) 買取り価格表(2018年度版)

テレビの捨て方のまとめ

  • 古いテレビは家電リサイクル法の規定に従って、リサイクルしなければならない。
  • 古いテレビを買い換える場合は、新しいテレビを購入する店に処分を依頼することができる。
  • 古いテレビを処分する場合は、引き取り運搬料とリサイクル料金がかかる。
  • 市区町村などの地方自治体は原則として、家電リサイクル法の対象家電は引き取らない。ただし自治体によっては例外的に引き取り処分してくれる場合もある。
  • まだ使えるテレビであれば、リサイクルショップかオークションで売れる可能性もある。