iPhoneやAndroidなどのスマートフォンは、いまや現代生活に欠くことのできない重要なアイテムのひとつになっています。
新製品も毎月のように発表されますが、買い替えるタイミングは人それぞれです。
目新しいのが出ると食いつくように買い換える人もいれば、壊れるか寿命が来るまでは根性で使う、という人もいます。
では、スマートフォンの寿命とはいったいどれくらいなのでしょうか。
ここではスマートフォンの寿命に深く関係しているバッテリーの劣化を中心に説明していきます。
目次
そもそもスマホの寿命はどれぐらいなのか
スマートフォンの寿命を考えるうえで注意しなければならないことは、本体よりもバッテリーのほうが短命であることです。
本体自体は4~5年持つものが多い
スマートフォンの本体は最先端の電子デバイスのひとつです。
高度に複雑な機器だけに、経年劣化を引き起こす要因も機械的、化学的、電気的な要因からソフトの陳腐化までさまざまです。
では、スマートフォンをふつうに使い続けた場合、寿命はどれぐらいあるのでしょうか。
Apple社では、iPhoneやアップルウォッチを購入した人の平均的な使用年数を3年と想定しています。
もっとも、それらの機器にトラブルがなければ、最初に購入した人が転売したり譲渡したりして次のユーザーの手に渡り、その後もしばらく使い続けられることもApple社は認めています。
つまりiPhoneやアップルウォッチを購入した人の使用年数が3年というのは、耐用年数が3年という意味ではない、ということです。
他社のスマートフォンも、国内の大手携帯キャリアが採用している端末は総じて品質や信頼性が高く、本体そのものは4~5年持つものが多いといわれています。
バッテリーは1~2年で劣化してしまう
スマートフォンの寿命を考える場合、問題になるのがバッテリーです。
スマートフォンに使われる充電式のリチウムイオンバッテリーは、充電と放電をくり返すうちに、熱や化学反応によって劣化してゆく性質があります。
一般的には、バッテリーを使い切った状態からフル充電してまた使い切るというサイクルを500回くり返すと、容量が6割程度にまで減少するといわれています。
したがって毎夜帰宅するたびにスマートフォンを充電スタンドに置き、翌朝にフル充電した状態で外へ持ち出すという使い方を1年と数ヶ月あまり続けると、バッテリーの充電能力がほぼ半減する計算になります。
したがってスマートフォンのバッテリーは、購入しておおむね1~2年で目に見えて劣化する、と考えたほうが良いでしょう。
スマホのバッテリーが寿命を迎えた時の症状
スマートフォンに以下のような症状があらわれた場合、バッテリーが寿命を迎えた可能性があります。
バッテリーが寿命を迎えると電池の減りが早い
バッテリーの劣化を示すもっとも顕著な症状が、電池が減るスピードが早くなることです。
1回のフル充電で使用できる時間が、購入直後の半分ぐらいになってきたら、電池が寿命を迎えつつあるというサインです。その場合はなるべく早くバッテリーを交換しましょう。念のために予備電源のモバイルバッテリーを持っていると安心です。
突然シャットダウンしてしまうのはバッテリーが寿命のサイン
バッテリーの寿命が近づくと、スマートフォンが突然シャットダウンしたり、再起動したりすることがあります。
ただしその場合、原因はバッテリー以外にある可能性も捨てきれません。念のために携帯会社サイトのトラブル診断コーナーなどで自己診断してみるか、携帯ショップに点検修理を依頼することをおすすめします。
充電が完了するまで時間がかかるのはバッテリーの寿命
バッテリーが寿命を迎えると、充電が完了するまでに時間がかかるようになります。
ひどい場合には、一晩おいてもフル充電にならないことがあります。ただしこの場合も、充電ケーブルの接触不良や充電器の故障に原因がある可能性もありますので、本体やバッテリーだけでなく、充電機器も含めてチェックする必要があります。
バッテリーが寿命を迎えると膨らんでくる
スマートフォンや携帯電話のバッテリーが劣化すると、バッテリーパックが膨らんでくることがあります。
これはリチウムイオン電池の性質上、充放電をひんぱんにくり返したり、炎天下の車内のように高温の環境下に長時間放置した場合に、バッテリーの劣化が急速に進んで発生する現象です。
ふつうに利用状況では、めったにそのようなことにはなりませんが、万一、スマートフォンがゆがんだり膨らんでくるような状況が発生したら、直ちに使用を中止して、携帯メーカーやキャリアのショップに修理を依頼してください。
スマホのバッテリー交換はどこでできる?
スマートフォンのバッテリーを交換する方法としては、新しいバッテリーパックを購入して自力で交換する方法と、メーカーやショップに交換修理を依頼する方法があります。
スマートフォンのバッテリーは内蔵型が多く、分解するとメーカーの保証がなくなりますので、安心できるという点では、費用は高くつきますが、携帯メーカーやキャリアのショップに交換を依頼した方が良いでしょう。
iPhoneはAppleまたは修理ショップでバッテリー交換できる
「iPhone iPad スマホ修理 即日対応」といった看板を街中でよく見かけます。
iPhoneをはじめメジャーなスマートフォンであれば、それらのショップでバッテリーを交換することができます。
ただし、そういうショップのほとんどは非正規の修理業者であり、修理が早くて安い反面、補修用のパーツは純正ではない場合がほとんどです。
そのため非正規店で修理されたスマートフォンは改造扱いとなり、正規店での修理や下取りが一切受けられなくなる可能性があります。
一方、格安SIMを使用している場合は、正規の携帯キャリアであっても、スマートフォン本体に適応されるサービスは限定的です。
むしろその場合はコスパの良い非正規業者を利用するほうが良いかもしれません。
補修部品の製造元やメーカー保証が気になる場合は、ショップに確認してみましょう。
ドコモやau、ソフトバンクはショップで、そのはかは修理ショップでバッテリーを交換できる
スマートフォンのバッテリー交換で最も信頼できる修理先は、皆さんが契約している携帯キャリアのサービスセンターです。
ドコモやau、ソフトバンクなどの国内大手キャリアであれば、バッテリーの割引交換制度があります。
バッテリー交換を考えている方は、携帯キャリアに遠慮なく問い合わせてみましょう。
条件によっては意外なほど安く交換できる可能性もあります。
スマホのバッテリー交換にはどれぐらい時間がかかるのか
現行のスマートフォンのほとんどはバッテリー内蔵型ですので、分解しなければバッテリーを交換することはできません。そのためバッテリー交換は修理扱いとなり、正規店では、ある程度時間を要するのがふつうです。
機種によって違うが交換には平均1~2週間かかる
内蔵のバッテリーパックを交換修理に出した場合、修理期間は機種によってちがいますが、平均すると1~2週間はかかります。
その間、正規ショップでは代替機を貸してもらうことができます。
バッテリー交換が即日で終わる場合もある
非正規の修理業者では、バッテリーパックの交換を即日で完了できる場合もあります。
ただし先述のように携帯キャリアは非正規店での修理を改造とみなすため、その後の保証はなくなります。
スマホのバッテリー交換費用の例
スマートフォンのバッテリーを交換すると、費用はどれくらいかかるのでしょうか。ここでは携帯大手キャリア3社の概算をまとめてみました。
バッテリー交換費用は4千円~1万円
NTT・Docomoでは「電池パック安心サポート」というポイントサービスを実施していますが、対象は電池交換可能なガラケーに限られるため、スマートフォンは事実上利用できません。
バッテリーの交換費用は機種や契約コースによってちがいますが、おおむね6千~9千円程度とされています。auも機種によって金額がちがってきますが、iPhoneの場合は3200円~8800円となっています。ソフトバンクも機種によって差はありますが、おおむね6千〜9千円の範囲内です。
スマホのバッテリー交換についてのまとめ
- スマートフォンの寿命は本体が4~5年、バッテリーが2年程度とされています。
- スマートフォンのバッテリーは内蔵型が多く、分解しなければバッテリーを交換することができません。
- スマートフォンのバッテリー交換は非正規ショップで即日完了することもありますが、正規店では1~2週間の修理期間を見込んでいます。