液晶テレビの耐用年数は、おおむね8~10年と言われています。もちろん、それを過ぎるとすぐに使えなくなるわけではありませんが、国内メーカーの補修用部品の保有期間は製造終了から8年間と決められているので、それを過ぎると修理がむずかしくなってきます。

日本で液晶テレビが爆発的に普及するきっかけになったのは、2009年にはじまった家電エコポイント制度と、アナログ放送の廃止だといわれています。したがって当時販売された大量のテレビが、今まさに買い換えの時期を迎えている、ということになります。

折しも2018年12月1日には、新4K8K衛星放送がスタートします。これを機に4Kテレビに買い換えたいと思っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は古い液晶テレビの処分方法について解説します。

液晶テレビの処分方法

1998年に制定された特定家庭用機器再商品化法(いわゆる家電リサイクル法)では、一般家庭や事業所から排出されたテレビ、エアコン、冷蔵・冷凍庫、洗濯機の4品目を特定家庭用機器としてリサイクルし、廃棄物を減らすと同時に、資源を有効利用することを義務づけています。

テレビの場合はプラズマ、液晶、ブラウン管を問わず家電リサイクル法の対象になります。したがって不要になった液晶テレビを処分するときは、ゴミとして勝手に廃棄したり処分したりすることはできません。古くなったテレビは面倒でも家電リサイクル法に従って、正しく処分するようにしてください。

5年以内の液晶テレビならリサイクルショップがよい

処分する液晶テレビが、製造から5年以内の比較的新しい機種で、故障や目立った汚損がなければ、リサイクルショップで買い取ってもらえる可能性があります。

買取価格はテレビの年式や状態、製造メーカーやサイズなどによってまちまちですが、国産の有名メーカー製であれば、1インチあたり500円程度が買い取り価格の目安になります。

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オークションで液晶テレビを売るのもよい

前述のようにリサイクルショップで1インチあたり500円程度の買い取り価格が提示されるようなテレビは程度が良いので、リサイクルショップよりもヤフオクやメルカリといったオークションサイトに出品する方が高値で売れる可能性があります。

特に箱付きで、非喫煙者が使用していた液晶テレビは、オークションの方が有利かもしれません。なお液晶テレビの買い手が決まったら、B-CASカードの取り扱いに注意を喚起する必要があります。

このことはあまり知られていませんが、B-CASカードの所有権はテレビの所有者ではなく、株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズというB-CASの管理会社にあります。

そのためテレビをB-CASカードつきで売却もしくは譲渡する場合には、カードの使用者名義を変更しなければなりません。この規約はあまり認知されていないこともあって、テレビとB-CASカードはセットで転売されることが多く、ほとんどが無届けのまま使用されています。

B-CASカードの約款によると、テレビを転売する場合、必ずカード使用者の変更手続きをしなければなりません。それが決まりごとですので、液晶テレビの譲渡もしくは転売を考えている方はくれぐれもご注意ください。

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購入店か自治体に持ち込みでリサイクルするのもよい

不要になった液晶テレビを転売するのではなく、法にしたがってきちんと廃棄したいという方は、お近くの家電販売店に依頼すれば、いらなくなったテレビを合法的に処分することができます。

このとき依頼者はテレビのリサイクル料金と収集・運搬料金を負担しなければなりません。リサイクル料金は一般財団法人家電製品協会によって定められていますが、収集・運搬料金については、古いテレビを家電販売店に取りに来てもらうか、自分で家電販売店に持ち込むかによって変わってきます。

また販売店によっては、過去に自分の店で販売したテレビに限って、収集・運搬料金を値引きしてくれることがあります。したがって処分したいテレビの保証書が残っていれば、そこに記載された購入店に連絡して、リサイクルに必要な費用をたずねてみるのが良いでしょう。

なお、家電リサイクル法で指定された4品目の家電については、原則として、市区町村が粗大ごみや資源ゴミとして回収することはできない規則になっています。

ただし自治体によっては、例外的にこれら4品目の家電を引き取って、家電リサイクル法で指定された引取場所まで運搬してくれる場合もあります。

この引取場所というのは、自治体や家電販売店が回収したテレビなどの家電製品を、製造元かリサイクルプラントへまとめて移送するための集積所のことです。

一般の人が液晶テレビの処分を市区町村に依頼すると、まず有料の粗大ゴミとして回収され、その後、引取場所まで搬送されて、そこから製造元かリサイクルプラントへまとめて移送されます。

そして最終的に解体され分別処理されて、金や銀、銅、鉄、アルミニウムなどの金属をはじめ、ガラスやプラスチック類を資源として回収します。

家電リサイクル法の指定引取場所には、一般の人も処分したいテレビや家電製品を持ち込むことができますが、リサイクル料金を事前に納付していなければ、引取ってくれません。

したがって自治体にテレビの処分を依頼する場合も、無料というわけではなく、粗大ゴミの収集にかかる料金と、リサイクル料金の両方がかかります。粗大ゴミの収集料金については、居住する市区町村内のスーパーマーケットやコンビニエンスストア、地元小売店などでお金を支払って納入券を購入することができます。

それをテレビに貼り付けて、自治体の窓口に電話で回収を依頼した上で、指定の場所に排出します。

また家電リサイクル券については、全国の郵便局とゆうちょ銀行の窓口に専用の振替用紙があります。その用紙で代金の振替手続きをすませると、窓口で家電リサイクル券と振替払込請求書兼受領証などが交付されます。

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新しいテレビを買うときに引き取ってもらう事も可能

古い液晶テレビを新しく買い換える場合は、新しいテレビを購入する店に、古いテレビの下取り処分を依頼することができます。

この場合も依頼者は古いテレビのリサイクル料金と、収集・運搬料金を支払う必要があります。そのうちリサイクル料金については。家電メーカー各社が公表しており、基本的に全国一律ですが、収集・運搬料金のほうは販売店によって金額がちがう場合があります。

通常は新しい液晶テレビを購入するときに古いテレビの下取り回収を依頼すると、収集・運搬料金を割り引いてくれます。したがって古い液晶テレビを今後も使う予定でなければ、新しいテレビを発注した販売店に処分を依頼するのが良いでしょう。

液晶テレビの処分についてのまとめ

  • 古くなった液晶テレビを処分するときは、家電リサイクル法に従ってリサイクルしなければならない。
  • 製造から5年以内のテレビで状態が良ければ、リサイクルショップで売れる可能性がある。
  • 液晶テレビが比較的新しい美品であれば、オークションで高く売れる可能性もある。
  • 液晶テレビを処分する際には、収集・運搬料金とリサイクル料金を支払う必要がある。
  • 自治体にテレビの処分を依頼する場合は、粗大ゴミの処分料とリサイクル料金を支払う必要がある。
  • 新しいテレビを購入する店に、古い液晶テレビの処分を依頼すると、費用を割引いてくれることがある。