インテリアやレトロなものに興味のある人に人気なのが、ニキシー管を使った時計です。一般的には入手しにくいニキシー管時計は、知らない人も多いでしょう。
ここでは、ニキシー管とはなにか、ニキシー管を使った置き時計、腕時計やニキシー管時計の自作キットについてご紹介します。ニキシー管をより詳しく知ることで、ニキシー管時計を購入する検討にすることができます。
目次
ニキシー管とはなにか
ニキシー管とは、ネオン管や真空管などに似た構造で、ガラスの管の中にメッシュや動線を配置し、発光させることで、数字あるいは文字・記号の情報を表示する放電管のことを指します。
1990年代には、ニキシー管の生産がなくなった、今では貴重ものになっています。
ニキシー管はどう使われてきたか
ニキシー管は、初期のデジタル電圧計や回路計、周波数カウンタ、自動券売機などで数字を表示するのに使われていました。
1950年代に普及し出したニキシー管は、1960年代後半には電卓の数字表示に使われるようになり、その頃がニキシー管の生産が最盛期に達したといわれています。
1970年代に入ると、ニキシー管よりも低電力で表示ができる蛍光表示管などにとってかわられたり、小型が進む中ニキシー管は小型化に限界があったりすることから、どんどん需要が減っていってしまいます。
保守用として細々とロシアなどで生産が続いていたニキシー管も、1990年代には生産さえストップしてしまいました。
後期に生産されたニキシー管は、かなり寿命が長い特徴があります。生産されていない今でも、一部のマニア向けに流通しています。また、メーカーではなく、個人設計のものもいくらか流通しているでしょう。
ニキシー管を使った置き時計
現在あるニキシー管を使う時計では、インテリアとしての置き時計に人気があります。ご紹介した置き時計は、12時間または24時間の時刻表示と曜日の表示がされます。
アラームなどの機能はない、シンプルな置き時計ですが、台部分がスケルトンになっているので、中の回線まで見えるところに魅力を感じる人も多いでしょう。
マニアの中では、ニキシー管時計をスチームパンク風と評す人が多くいます。スチームパンクとは、サイエンスフィクションのひとつのジャンルのことです。
スチームパンクを分かりやすく言うと、ニキシー管のような今の時代の初期には、未来的なものやテクノノジーとされていた世界観を今になって楽しむことで、懐古的でレトロ感にあふれているという意味です。
一時は最先端の技術でもあったニキシー管はすでに生産がないので、ニキシー管を使った時計はどうしても高価になってしまいます。ご紹介した置き時計で、4万円ほどの高値で取引されています。
ニキシー管腕時計のクラウドファンディングがあった
ニキシー管の置き時計はありますが、腕時計はあまりありません。先も紹介したようにニキシー管は小型化が難しかったので、小さいものはあまり現存しないためです。
また、ニキシー管に数字を表示するには、ある程度の電圧も必要なので、すべてを腕時計のケースの中に収めるのは難しいことでもあるでしょう。海外製のニキシー管腕時計は、一般的には6万円ほどします。
それでもニキシー管腕時計には、根強いファンがいます。アップルの共同創業者のひとりでもある、スティーブ・ウォズニアックもニキシー管腕時計を愛用していることで有名です。
日本では2016年に、ニキシー管腕時計の「nixie watch」のクラウドファンディングが話題になりました。
アートウォッチの輸入販売業の会社がデザイン部を立ち上げて、クラウドファンディングに臨みました。
腕時計に使える小型サイズのニキシー管は、一大製作地であったロシアまで手を伸ばして確保したといわれています。大きめのケースに2本のニキシー管とボタン電池4つを搭載して、ニキシー管に十分な電圧を確保しています。
今でも「nixie watch」はクラウドファンディングと通常販売を展開して、黒・シルバー・ゴールドの3色展開で、4万円台から3万円台で数量限定で販売されています。
ニキシー管腕時計の楽しみ
ニキシー管腕時計は、一般的な腕時計に比べてケースがかなり大きくなっています。また、時刻を知るには、2本のニキシー管しか搭載していないので。ケース横のボタンで時と分を切り替える必要があります。
それでもニキシー管腕時計が人気なのには、数字のオレンジ色とアクセントカラーとも言えるニキシー管下部に出るブルーの光がレトロなこと、わざわざボタンで切り替えて時間を見るマニュアルな手間が、スマホが当たり前の今では体験や習慣としても新しく、人気なのでしょう。
ニキシー管時計の自作キットはある
ニキシー管自体が販売されていることや既製品のニキシー管時計は高価なこともあり、中にはニキシー管時計を自作することを考える人もいるでしょう。
ニキシー管時計の自作キットが販売されていますし、ニキシー管自体の販売もありますが、残念ながら腕時計キットも腕時計に合うサイズのニキシー管もほとんど売っていないのが現実です。
ただ、置き時計に使える大きさのニキシー管も製作キットも売っています。
通常の製作キットは、ニキシー管なしで売っているのがほとんどですが、置き時計サイズに合うものはすぐに見つかるでしょう。ここでご紹介するキットならば、最初にご紹介した置き時計に近いものを作ることが可能です。
ニキシー自作キット IN-14用 *ニキシー管無し
別売りのニキシー管を揃えることも忘れないようにしましょう。
ニキシー管 IN-14 6個セット
はんだ付けができれば、キットでは合計2万円ほどでニキシー管置き時計が作れます。
レトロな雰囲気がいっぱいでゆらめくオレンジの数字は、特に夜の部屋で素敵なインテリアになるでしょう。
ニキシー管についてのまとめ
- 真空管などに似た構造で、ガラスの管の中にメッシュや動線を配置して発光させることで、数字あるいは文字・記号の情報を表示する放電管のことを指します。初期のデジタル電圧計や回路計、周波数カウンタ、自動券売機などで数字を表示するのに使われていました。
- 1960年代後半には電卓の数字表示に使われるようになり、その頃がニキシー管の生産が最盛期、その後は蛍光表示管などにとってかわり、1990年代には生産さえストップしてしまいました。今流通しているニキシー管は、昔のものをとってあったニキシー管や個人設計のものだけになるでしょう。
- 現在あるニキシー管を使う時計では、インテリアとしての置き時計に人気があります。シンプルですが、数字の表記がスチームパンク風とファンに好評です。ニキシー管置き時計で、4万円ほどの高値で取引されています。
- 海外では、いくつかのニキシー管腕時計が販売され6万円ほどで取引されてはいます。日本では2016年にニキシー管腕時計のクラウドファンディングがあり、話題になりました。
- 今でも「nixie watch」はクラウドファンディングと通常販売を展開して、黒・シルバー・ゴールドの3色展開、4万円台から3万円台で数量限定で販売されています。
- 数字のオレンジ色とアクセントカラーとも言えるニキシー管下部に出るブルーの光がレトロなこと、わざわざボタンで切り替えて時間を見るマニュアルな手間が、ニキシー管腕時計の人気の理由でしょう。
- ニキシー管腕時計の製作キットはありませんが、置き時計ならキットが販売されています。はんだ付けができれば、2万円ほどニキシー管置き時計を製作できます。