水槽の中を気持ちよさそうに泳ぐ魚たちの姿はとても優雅で美しく、そんな姿をカメラにおさめたいと、多くの人が思うことでしょう。水族館は、躍動感のある美しい被写体であふれていますが、水や生き物を被写体とするには、ちょっとしたコツが必要です。

何も考えずにシャッターを押し続けても、思い通りの写真を撮れない可能性が高くなります。

せっかくの水族館での写真を台無しにしないためにも、美しい被写体たちの姿を上手にカメラにおさめる方法を、これから詳しく解説いたします。

水族館で基本的な写真構図を作る際の注意点

水槽への映り込み

美しい被写体たちがいるのは、どれも水槽というガラスの向こう側です。水槽に使用される素材は、ガラスやアクリルパネルなどが主ですが、撮影する際、被写体以外のものが水槽表面に映り込んでしまうことがあります。

カメラを構える自分の姿や、近くにいる他人の姿、もしくは他人が撮影する際に放たれたフラッシュの光など、映り込んでしまうものも様々です。

また、自分自身が白っぽい服を着ていると、水槽に反射して写真に映り込みやすくなってしまいます。そのような服は避け、できるだけ水槽にカメラを近づけて撮影することが、思わぬ映り込みを防ぐ方法です。

主役の決定

魚をはじめとする海洋生物の中には、群れとなって泳ぐ生き物もたくさんいます。群れ全体の姿をそのまま被写体として撮影すると、写真そのものが漠然とした作品となってしまい、いまひとつ芸術性に欠ける感じさえ受けるかもしれません。

群れの中でも、1番手前にいる魚などにターゲットを絞ってピントを合わせ、その1匹だけを主役とした構図で撮影すると、美しい写真が出来上がります。

主役の魚以外はボケるような手法を取り入れると、躍動感が生まれて効果的です。
 

日の丸構図

被写体をいかに美しく際立たせるかにより、作品の良し悪しにも差が現れますが、写真を1つの芸術作品として考えるうえで、絶対に欠かせないものに「構図」があります。

中でも、美しい写真を撮るための基本的な構図として挙げられるのが、「日の丸構図」です。日の丸構図とは、その名の通り日本の日の丸国旗をイメージした構図であり、被写体がファインダーの中心部にくるものをいいます。

魚などの被写体をファインダーの中心にとらえ、ズームレンズを使用して魚との距離感を変えながら撮影すると、躍動感と臨場感の伝わる写真を撮ることができます。

カメラ設定のポイント

カメラの基本設定

カメラには様々な設定があり、初心者にはわかりづらいものもあるため、初めは戸惑うことも多いでしょう。

近年のカメラには、初心者でも操作しやすいように考えて設計されているモデルも、多数あり、カメラの素晴らしさを充分満喫することができます。基本的な設定を覚えることができれば、誰でも満足のいく写真を撮ることができ、写真を楽しむ幅も大きく広がるものです。

そのためには、必要最低限でも覚えておくことがありますが、中でも初心者が覚えておくべき基本的な設定には、下記のようなものがあります。

・撮影モードのタイプ
・シャッタースピード
・絞値(F値)
・ISO感度
・ホワイトバランス

撮影モードに「オートフォーカス」設定を選べば、これらの設定を自動でやってくれるため、初心者のうちはオートフォーカスで練習するのがオススメです。

水族館に合うカメラの各種設定

慣れてきたころに、これらの設定を自分ですると、より躍動感のある魚や海洋生物の写真を撮ることができるようになります。

モードは「Tv(またはS)シャッタースピード優先」

まずは、撮影のモードを決定する必要がありますが、「オートフォーカス」設定を卒業したら、水族館撮影時には「Tv(またはS)シャッタースピード優先」モードにします。

シャッタースピードとは、シャッターが開いている時間であり、レンズを通過してきた光が映像素子にあたる時間です。

このスピードを調整することで、写真の命とも言える明るさを調整することができ、撮影時のモードをこの設定にすると、シャッタースピードを自由に設定することができます。

シャッタースピードは分母表記されることが多く、分母の数が大きいほどシャッタースピードが速くなるため、魚などの動きが激しいものを被写体にする際には、シャッタースピードの設定を「1/200」にすると、ブレが生じません。

ISO感度は「オート」

ISO感度とは、デジタルカメラが光をとらえる能力を現す数値ですが、この感度を上げると、光をとらえる能力がアップするため、暗い場所でも明るい写真を撮ることができます。

しかし、初心者が水族館での写真撮影時に、ISO感度を自分で設定するのは少し難しいのも事実です。

その際の写真撮影は、カメラが自動でISO感度を割り出してくれる「オート」設定にしておくと、失敗が少なくきれいな写真を撮ることができます。

ホワイトバランスは「電球」

ホワイトバランス設定も、写真の明るさを左右する、大事な設定の1つです。ホワイトバランス設定の種類は大きく「オート」「電球」「太陽光」「曇り」「蛍光灯」の5種類にわけることができます。

光の元がどんなものであっても、白いものをはっきりと白く見せることを目的とする機能です。

撮影時の光の状態に合わせて、ホワイトバランス設定を決めることになりますが、水槽の中を映す水族館での写真は、水槽内の青色を美しく見せる効果のある「電球」がベストです。

明るさは「露出補正」

写真の命ともいえる「明るさ」の加減は、レンズを通して入ってくる光を映像素子に当てる量や時間によって決定づけられるものです。

光の量を現す絞値(F値)やシャッタースピード、ISO感度が組み合わさって、最終的に写真の明るさを現す「露出」が決まります。

オートモードをはじめとする多くのモード設定においては、これらの「露出」を自動的に判断してくれますが、カメラの判断と自分の求めている明るさが違う場合があることも事実です。

写真が明るすぎたり暗すぎたりする場合は、光の量を現す絞値(F値)やシャッタースピード、ISO感度を自分で調整する「露出補正」をして露出を適正化します。

また、明るさを「露出補正」でマイナスに設定しても変化がない時には、シャッタースピードを少し遅くしてみると効果的です。

水族館の写真集で勉強

カメラ初心者にとっては、人が撮影した写真ほど勉強になるものはないでしょう。

特に水族館での写真は、一定のコツが必要となるため、人の作品をたくさん目にすることで、構図や光の加減などを学ぶことができます。その教材にも成り得るのが、水族館に関する写真集です。

現在水族館に関する写真集はたくさん出版され、カメラを楽しむ人以外からも、多くの人気を集めています。ここからは、よいお手本となる水族館の写真集をいくつか紹介します。

沖縄美ら海水族館写真集

沖縄の観光名所ともなっている「沖縄美ら海水族館」で飼育または展示されている、海洋生物たちの姿が映し出された写真集です。

巨大な水槽の中を悠然と泳ぎまわるジンベエザメの姿や、きれいに群れを成して泳ぐ魚たちの姿がおさめられ、海に生きる生物たちの神秘的な様子が、生き生きと映し出されています。

ダイナミックなマンタや美しいサンゴ礁などといった生物たちの、躍動感あふれる姿が伝わってくる写真集です。

海遊館の魚たち〈1〉 (魚の絵本)

全国の水族館の中でも人気が高い、「海遊館」に生きる生物たちの姿をまとめた写真集です。

水族館の定番的な人気者の生き物だけでなく、水槽の隅っこにひっそりと生息し、目立たないような生物たちも被写体とし、その神秘的な姿が捉えられています。色鮮やかな姿や、生物としての息吹を間近で感じることができ、水族館の写真を勉強をするのに最適です。

海に生きる生物たちの躍動感あふれるダイナミックな写真の数々が、自分もまるで海遊館にいるような、そんな錯覚を引き起こさせてくれる写真集となっています。

水族館での撮影についてのまとめ

  • 水族館で見る魚たちの姿は、神秘的で美しく、さらには躍動感にもあふれ、見るものを感動させてくれるもの
  • 自分の眼で見たそのままの映像を、写真に残したいと誰でも思いますが、そのためにはカメラに対するちょっとした知識と、コツが必要となる
  • 難しく考えず、ほんの少しのコツを覚えるだけで、初心者でも抜群に美しい水族館の写真を撮ることができる
  • カメラやレンズに関する知識を、撮影を通してほんの少しずつでも習得していくことができれば、撮影の経験を重ねるごとに、写真の仕上がりにも明らかな変化が出てくる
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