この記事では、引っ越しの際の段ボールの封緘などに適した布ガムテープについて解説いたします。
布ガムテープはガムテープの中でも代表的な製品で、多くのメーカーから発売されている定番品です。
ここでは布ガムテープの特徴をはじめ、メリットやデメリット、選び方とともに、おすすめの布ガムテープもご紹介いたします。
目次
布ガムテープの特徴
布ガムテープは、様々な素材のガムテープの中でも強度が高く、粘着力にも優れています。
そのため、重い荷物を詰めたダンボールなどもしっかりと封緘することが可能です。
また、他の素材のガムテープと比較してしなやかなのも特徴で、貼る面に多少の凹凸があってもしっかりと貼ることができ、すぐにはがれてしまうこともありません。
多くの製品の素材は、クラフト紙とクレープ紙の二重構造です。
この間に縦横の糸が織り込まれていることから、はさみなどの道具を使わなくても手で破ることができ、まっすぐにカットすることが可能となっています。
布ガムテープのメリット・デメリット
布ガムテープの最大のメリットは強度と粘着力です。
また、クラフトテープなどのように表面にラミネート加工がされていないため、マジックペンなどで自在に文字をかけるほか、重ね貼りをすることもできます。
一方、デメリットとしてはクラフトテープなどと比較するとやや価格が高く、販売店がホームセンターなどの規模の大きい量販店に限られていて、コンビニなどでは入手できないことや、他の素材のガムテープよりも厚みや重さがあることなどです。
布ガムテープの性能
布ガムテープにはその性能を把握するために、様々な性能が表示されていることがあります。
そこで、購入の際には使用目的や使用条件に合わせて参考にするとよいでしょう。
また、こうした性能の単位は国際単位系(SI)を基準として、性能値が表示され、測定方法は「JIS Z 0237」の「粘着テープ試験法」に基づいて測定されています。
厚さ
基材と粘着剤を合わせたテープの総厚で「mm」で表示されます。
粘着力
ステンレス鋼板に貼り付けたテープを180°あるいは垂直に引っ張り剥がれた際の力を表示しており、単位は「N/10mm」です。
引張強さ
テープを縦方向に引っ張り、切断された際の力の大きさです。
この数値が大きいほど、テープが強靱で重量に強く、単位は「N/10mm」となっています。
自着力
テープの糊面同士を貼付けて剥がした際のの力の大きさを表示しています。
数値が大きいほど、保持性に優れていることになり、単位は「N/10mm」です。
伸び
テープを縦方向に引張り、切断された際のテープの伸びを「%」で表示しています。
数値が大きいほど柔軟性が高く、凹凸面や曲面に追従する性能が高いテープです。
保持力
テープに力を加えた際に粘着剤のずれに対する抵抗力を数値で表したものです。
こちらは数値が小さいほど保持性に優れ、単位は「mm」で表示されます。
布ガムテープの選び方
粘着性で選ぶ
布ガムテープは一見同じに見えても、製品によって粘着力が異なります。
そこで、上記のようなガムテープの性能を表す様々な数値を参考にしながら選ぶとよいでしょう。
その中でも必ずチェックしておきたいのが用途に応じた粘着力で、N/10mmの数値は高いほど粘着力が強くなるため、粘着力を重視した強粘着なら5N/10mm前後、剥がしやすさを考慮して低粘着の場合には3N/10mm以下を目安に選択するのがおすすめです。
テープの幅で選ぶ
布ガムテープは貼りたいものの大きさに合わせて選びましょう。
一般的には50mmの製品が多くなっていますが、これ以外にも25mm・38mm・50mm・75mm・100mmといった製品があります。
ただし、海外製の布ガムテープでは、規格が異なる場合があるので確認が必要です。
テープの色で選ぶ
布ガムテープの色は茶色がスタンダードですが、カラーバリエーションが豊富な製品もあります。
段ボールの梱包の際などに内容物を明記するために文字を書く必要がある場合には、一般的な茶色の布ガムテープでは文字がみえにくくなってしまう可能性もあるため、文字がみえやすい白などを選ぶとよいでしょう。
こうした製品は色が違うだけで粘着力や強度に差はないことから、文字を書き込みたい場合には便利です。
また、引っ越しの際などはカラーを使い分けて段ボールの識別梱包するのにも役立つでしょう。
環境を考慮して再生タイプもおすすめ
環境意識の高まりから、近年ではテープの素材に再生PETを使用し、環境に配慮された布ガムテープもあります。
こうした製品はグリーン購入法適合商品となっていて、粘着力や強度などは一般的な布ガムテープと性能は変わらないため安心です。
ただし、メーカーや販売店によっては取扱いのない場合もあります。
ものを固定するには両面タイプ
両面テープにも多くの製品がありますが、布ガムテープの両面タイプもあります。
一般的な両面テープよりも粘着力が強いことから、カーペットなどを固定することで転倒防止対策にも役立てられます。
おすすめの布ガムテープ
ニトムズ 布粘着テープ No.750
強度のある布基材を採用した布ガムテープです。
引っ越しや宅配便などの荷物を梱包する段ボールの封緘をはじめ、紙箱など角の補強、結束・仮止め・補修といった、幅広い用途に使用することができます。
しなやかな薄手タイプながら、粗面に対しても十分な粘着性を発揮し、簡単にはがれることもありません。
スリオン カラー布粘着テープ50mm
しなやかで馴染みのよい基材で、手切れ性にも優れた布ガムテープです。
一般的な梱包をはじめ、識別用や補修、工作など幅広い用途に使うことができます。
ホワイト・ブルー・レッドなど全10色でカラーバリエーションが豊富なので用途ごとに使い分けてもよいでしょう。
ニチバン 布テープ 102N5-50
カラーバリエーション豊富な布ガムテープで、段ボールの封緘はもちろん、カラーを使い分けることで色による収納品の識別梱包などが可能です。
粘着性も十分で、粘着面に対して抜群の保持力を継続し、時間の経過とともに剥がれてしまうということもありません。
また、テープの強度も高いので、重量物の封緘にも安心して使用できます。
ニチバン 布テープ 再生PET
環境に配慮し、ペットボトルの再生繊維を横糸に、スフを縦糸に使用することで再生PET繊維44%を配合した布ガムテープです。
通常の布ガムテープと比較しても強度や粘着力にも遜色はなく、大きな段ボール箱の荷造りや宅配便などの小包み包装の封緘などに幅広く使えます。
巻心も古紙配合率100%です。
日東 布両面粘着テープ No.523
布ガムテープをベースに両面に適度な厚さの感圧性接着剤を塗布することで粗面への接着性やフィット性を向上させた両面粘着テープです。
テープの幅は50mm以外にも25mmや30mmも選べます。
カーペットなどの固定に最適です。
布ガムテープについてのまとめ
- 布ガムテープは強度や粘着力に優れ、手で破るようにしてもまっすぐにカットできるガムテープです。
- 表面にラミネート加工がされていないので文字を書くこともできます。
- やや価格が高く入手先が限られるほか、厚みや重さがあるというデメリットもあります。
- 布ガムテープは国際単位系(SI)を基準に、さまざまな性能表示があります。
- 布ガムテープは粘着性、テープの幅や色などを基準に選びます。
- 製品によっては環境にやさしいグリーン購入法適合商品もあります。