パーカーってどんな会社?
パーカーはイギリスおよびアメリカの最も有名なペンメーカーの1つです。
創業は1888年にさかのぼり、ジョージ・サッフォード・パーカー が自身初となるペンの特許を申請したのが始まりです。
「優れたペンを作り上げる」という高い志は、今でもパーカーの職人たちに継承され、125年以上に渡り筆記用具界を牽引してきています。
パーカーは、その長い歴史の中で様々な革新的な技術を打ち出しています。
その中の一例が、1894年に発明された、インク漏れを防ぐインク供給システム「ラッキー・カーブ」です。
これはパーカー2つ目の特許取得であり、筆記具業界に飛躍的な進歩をもたらしました。
1914年には、パーカーの「トレンチペン」が戦場の兵士のために作られます。
これは、乾燥した固形インクが装着されており、水に浸すだけですぐに書き出せるという画期的なものでした。
そして、1921年にパーカーのアイコンである名品「デュオフォールド」が誕生します。
色鮮やかなオレンジ色は、「筆記用具は黒」という当時の固定概念を覆す衝撃的なものでした。
そのことから「ビッグレッド」という別名で呼ばれ、瞬く間にその名が世界に知れ渡ることとなります。
その後も躍進を続け、1928年にはデュオフォードが、美しく耐久性のある強化プラスチック素材で製造されます。
飛行機の上からグランドキャニオンの谷底へ投げ落としても割れない耐久性が証明された新素材で、これを実証する広告が導入されました。
1945年には日本の降伏文書の調印に、マッカーサー元帥がデュアフォードを使用しています。
その他にも、速乾性インク「クインク」や、矢羽クリップが初採用された「バキューマティック」、宇宙から来たペンと称される外見を呈した「パーカー51」など、様々な優れた商品を生み出していきます。
その功績が認められ、1962年にはエリザベス女王から、1990年にはチャールズ皇太子から、英国王室御用達の称号である「ロイヤルワラント」が与えられました。
そして2015年、新しく生まれ変わった「デュオフォールド」と「ソネット」のコレクションを発表しました。
同時にブランドのロゴやパッケージも一新されます。
パーカーは書くことを通してよりよいアイデアを生み出すパートナーとして今も多くの人に愛されています。
パーカーがつくる万年筆の特徴
パーカーのペンは、最大21個の部品からなる複雑な構造です。
厳選された素材に、職人の手作業による装飾と研磨、組み立てが行われ、最高の一本が仕上がります。
パーカー のペンの中には「シズレパターン」と呼ばれる格子のようなデザインがありますが、そういった複雑で繊細なデザインでペンにディテイルを与えており、職人の技術と熱意が感じられます。
また、パーカーはペンを構成するパーツを自社工場で製作しており、品質へのこだわり・手作業での組み立てなど、開発にたゆまぬ努力をしているのがわかるでしょう。
クリップ部分には、ブランドの象徴ともいえる「矢羽のデザイン」が施されています。
このデザインには「未知への挑戦や新たな可能性を探し求める等、志を抱く人々の道標でありたい」という熱い意味が込められています。
その熱い思いとは裏腹な洗練された見た目は、スタイリッシュな印象を与えるでしょう。
パーカーの代表的な万年筆にデュオフォールドとソネットがあります。
デュオフォールドは、誕生以来パーカーのアイコンを担ってきた伝統の象徴ともいえる最上級品です。
全て熟練の職人の手作業によって組み立てられています。
その重厚感漂う佇まいだけでなく、インクの吸引量や実用面でも評価されており、多くの著名人に愛用されています。
持ちやすく、手に馴染みやすいように設計されており、贅沢な筆記体験が可能です。
18金のペン先は光沢のあるバイカラーになっており、部分的に希少な貴金属でコーティングされています。
本体部分はエナメルを思わせる高品質の貴重な樹脂で仕上げています。
種類も豊富なため、コレクターも多いです。
また、ソネットは、デザイン、重量感ともにバランスのとれたペンで、ペン先にインクが均一に供給されるようになっています。
ペン先は18金またはステンレススチールで、持つ人に合わせた書き心地です。
シンプルで繊細なデザインは、あらゆる場面で洗練された印象を演出してくれます。
控えめでありながら存在感があり、場面も性別も選ばず、飽きがこない非常に優れたペンです。
パーカーのつくるおもなモデルと価格帯
パーカーの万年筆は、¥3,000程度で購入できるものから、限定品の最上級のものだと¥4,000,000以上するものまで、かなり幅広いラインナップです。
下記ではパーカーの主なモデルと価格帯を紹介いたします。
ジョッター CT
ジョッターはパーカーの中では値段も手頃で、デザインもシンプルなため非常に使いやすいモデルです。
細字を追求したペン先を搭載しており、クリアな書き心地から、万年筆が初めての方にもおすすめです。
価格帯は、¥2,500から¥5,000前後となっています。
デュオフォールドクラシック CT
デュオフォールドクラシック CTは、伝統はそのままに、最高の書き味にこだわり続け、アップグレードされた一品です。
色も当時のビッグレッドの色が採用され、高品質なアクリルをくり抜いて作り上げているため、鮮やかで上質なモデルとなっています。
価格帯は、¥70,000~¥100,000前後です。
ソネットGT
シンプルなデザインの中に、パーカーのこだわりが詰まったモデルです。
細身でスライリッシュなため、サラリーマンから女性の方にもおすすめできる一品となっています。
価格帯は、¥15,000~¥50,000前後です。