この記事では、帯の結び方や種類について解説します。

着物を着た時の帯の柄には、全体の印象を決める役割がありますが、結び目によっても印象は違って見えることに注意が必要です。

結び方には多くの種類がありますが、着物の種類によってもたくさんの種類があります。

この記事を読むことで、着物にあった結び方がわかり、自身の着物姿をさらに魅力的に見せる結び方が出来るようになります。

帯の結び方の種類

結び方は着物の種類や男性・女性でも変わり、結び方によって様々な形を作ることができます。

帯の結び目は自分からは見えませんが、周りからは見える部分であり、帯の結び方で、着物の印象や全体の印象も大きく変わります。

種類には、浴衣などの普段着用の結び方や、振袖などの礼装用の結び方などに違いがあり、様々な結び方ができるのが特徴です。

体型や身長によって、たれの長さやお太鼓の大きさなど結び目の形の大きさを変えることで、全体のバランスを整える重要な役割があります。

着物の帯の結び方

二重太鼓結びは最も一般的な結び方

二重太鼓結びは、帯の結び方で最も一般的な結び方です。

後ろからの見た目は、正方形のお太鼓とその下に垂れができている形をしています。

礼装の時や背の高い方は、帯枕を調節して大きめに見せるとバランスが良く見えるでしょう。

手順は帯を二巻きしたあと、帯枕を入れて結んでいきます。垂れの長さを決めた後にお太鼓の大きさを整える結び方です。

もっともポピュラーな結び方で、どのような着物でも使える結び方であるため、一人で結べるように覚えておくと良いでしょう。

一重太鼓結びは控えめな印象が特徴

一重太鼓結びは、二重太鼓結びと並んでポピュラーな帯の結び方です。見た目は正方形のお太鼓とその下に垂れが出来ている形をしています。

帯枕を使用せず、帯の厚みと大きさだけでお太鼓の大きさを調節するため、控えめな印象となるでしょう。

帯の柄を目立たせたい時に重宝する結び方です。

手順は、帯を一巻きした後、そのまま垂れの長さを決めた後にお太鼓の大きさを整える結び方です。

角だし結びは大人っぽい印象に見える

角だし結びは、普段着用の帯の結び方ですが、大人っぽい印象に見える結び方です。

見た目は、お太鼓と垂れに段ができている形をしています。

お太鼓をふくらますように織り上げて作るため、立体感があるイメージが落ち着いた印象を与えるでしょう。

手順は帯を一巻きした後、お太鼓にした部分を二段階織り込むようにして、お太鼓の大きさを調節する結び方です。

普段着として着物を着る時には、角だし結びをすると、大人っぽいモダンな雰囲気を印象づけることができます。

銀座結びは粋に見える人気の高い結び方

銀座結びは、角だし結びをおしゃれにアレンジした結び方です。見た目は、角だし結びのお太鼓がさらに目立つような形をしています。

短い帯でも、お太鼓をふくらますことが出来るため、短い帯がたくさんある方は、結び方のレパートリーの一つにするとよいでしょう。

帯を一巻きした後に内側の帯を斜めに折りあげてから、垂れとお太鼓を作っていきます。

どのような着物でも、粋に見えて人気の高い帯の結び方であるため、結べるようになると着物の見せ方が広がります。

振袖の帯の結び方

立て矢結びは着物がシンプルな場合におすすめ

立て矢結びは、仕上がりが斜めに結んだリボン結びのような形をしています。

とても華やかでゴージャスな雰囲気になるため、帯で存在感を出す時におすすめです。

着物の柄や色の雰囲気がシンプルな場合に良く似合います。

結び方は、帯を巻いた後に垂れをななめに織り込んで、中にタオルなどを入れて羽根を作り結んで仕上げます。

体の小さな方は、羽根を大きくしすぎると帯だけが目立ってしまう印象になる事に注意が必要です。

背の高い人は、羽根を大きめに仕上げてバランスをとると全体が上手くまとまります。

花流水矢結びはゴージャス感がでる

花流水矢結びは、立て矢結びをアレンジした結び方です。

垂れが、お尻部分を覆うような形になるため、体型のバランスを気にされている方は、立て矢むすびではなく花流水矢結びの方が良いでしょう。

結び方は立て矢結びと同じですが、羽根を作る時にたれを中に入れずに、乙型に下に垂らして仕上げます。

後ろ部分から見える帯の柄などが寂しい場合などでも、花流水矢結びにするとゴージャス感がでるためおすすめです。

花結びは可憐な雰囲気が出る

花結びは、ふっくらとした羽根が可憐な雰囲気に見える結び方です。

凛とした中にも女性としての可愛さを演出したい時には、花結びがおすすめです。

結び方は、帯を巻いた後にたれで花びらのように羽根を作った後、下にお太鼓を作って仕上げていきます。

リボン型の羽根に付ける飾り紐でも個性を出せるため、後ろ姿を個性的に可愛く見せたいときにおすすめの結び方です。

ふくら雀結びは優しい雰囲気と凛とした印象が出る

ふくら雀結びは、女性らしい優しい雰囲気と、振袖のもつ凛としたイメージを強調できる結び方です。

膨らんだお太鼓とたれのバランスが特徴です。

どのような身長や体型でも似合うように調節できる結び型ともいえるでしょう。

結び方は、帯を巻き左右の羽根を作った後に、帯枕でお太鼓の大きさや形を調節していき仕上げていきます。

名前の通りに雀が飛び立つ時のような姿が、綺麗に映る姿になる結び方です。

蝶文庫結びは可憐な女の子らしさが出る

蝶文庫結びは、文庫結びを少しアレンジした結び型で、左右のたれが可愛らしく見える結び方です。

文庫の上に見えるリボン結びが、可憐な女の子らしさを演出します。

子供っぽい演出にもなるため、振袖の柄は大人っぽくしてギャップを狙うとさらに魅力的に見えるでしょう。

結び方は左右にたれを作った後に、中心をひだにして形を調節していきます。

羽根の広げ方や整え方で調節して仕上げていくのがポイントです。

左右の羽根は長めに作ると、調節しやすくなるでしょう。

女性浴衣の帯の結び方

文庫結びは最も基本的な結び方

文庫結びは、女性が浴衣を着る時の最も基本的な結び型です。

簡単に結ぶことができるため、是非覚えておきたい結び型でしょう。

関東風と関西風では、左巻きと右巻きという違いがありますが、どちらも文庫結びに変わりはありません。

結び方は帯をまわした後、すのこだたみを作り羽根を調整して仕上げていきます。

結び目を回す時には右巻きの時には右へ、左巻きの時は左に回すようにするとよいでしょう。

結び目が綺麗に見えて、羽根が開いている印象に見える結び方です。

蝶結びは羽を作る結び方

蝶結びは、結び目が紐を蝶結びしたときのように、ひだの付いた羽根を作る結び方です。

浴衣の時には、比較的ポピュラーな結び方です。

結び方は、帯を回した後に屏風畳みにして、4枚の羽根をつくり結び目を仕上げていきます。

結びめの形を作るのが複雑そうに感じますが、一度覚えてしまうと簡単にできる結び方であるため、結び方のレパートリーとして覚えておくと良いでしょう。

貝の口結びは斜めになっている結び方

貝の口結びは、お太鼓部分の折り込み口が、斜めになっている結び方です。

帯の長さによって巻く回数を調節すると締めやすくなり、仕上がりが綺麗になります。

長い帯の場合は、3回ほど巻いても大丈夫です。

結び方は、たれが上になるように結んだ後、斜めに折り返して仕上げます。

結び目の角を合わせるのが綺麗に見えるコツです。

たまてばこは羽根とリボンを作る結び方

たまてばこは、お太鼓の上部分と左右に羽根とリボンを作る浴衣の帯の結び方です。

控えめな中にも、少し小粋に見えるためおしゃれに見えるでしょう。

振袖の帯の結び方の角だし結びを、アレンジした浴衣用の帯の結び方です。

結び方は角だし結びのように結んで仕上げていき、たれを少し短めに仕上げた上側にリボンを作る結び方です。

リボンに結び紐や髪飾りをつけると、さらに小粋でおしゃれに見えるでしょう。

ふうせん結びはお洒落にも見せられる

風船結びは、お太鼓の部分が帯の裏表をそれぞれ三角に見せる結び方です。

お太鼓の見え方はシンプルですが、裏生地と表生地のコントラストが綺麗に見える印象になります。

結び方は帯を巻いて締めた後、斜めに折りあげて三角に見えるように仕上げていきます。

たれの見せ方も上手く調整するとおしゃれに見えるため、バランスよく整えるとよいでしょう。

一人で結ぶ時には、お太鼓を仕上げる部分が少し難しいですが、丁寧に三角部分を作るように意識すると上手く作ることが出来ます。

しだれ桜は和風モダンなおしゃれさが出る

しだれ桜は、振袖の帯の角出し結びのアレンジの結び方です。お太鼓の横から出る羽根が特徴です。

見え方に古風な雰囲気があるため、鮮やかな柄の浴衣とあわせると、和風モダンなおしゃれさを出すことができます。

結び方は、角出し結びのお太鼓を作る前に、蝶結びで羽根を作るように仕上げていきます。

羽根の大きさによって雰囲気が変わるため、色々試してみると良いでしょう。

花結びはお太鼓を花びらのように見せる

花結びは、お太鼓の部分を艶やかな花びらのように表現した結び方です。

裏地と表地のコントラストが、可愛さとゴージャスさを印象づける結び方になります。

大人っぽさと少女っぽさの微妙な雰囲気が魅力的に見せてくれるでしょう。

結び方は帯を巻いた後、長めにたれをとって花びらを作っていきます。

折り目の長さによって花びらの大きさや表情が変わるので調節しながら仕上げるのがコツです。

裏生地の色と表生地の色のコントラストで、素敵な花びらが咲いているようなイメージの結び方です。

マリーゴールドは可愛らしい後ろ姿を演出できる

マリーゴールドは、左右のたれのどちらかを、花のマリーゴールドに見立てた結び方です。

可愛らしい後ろ姿を演出するにはぴったりの結び方でしょう。

花結びに比べるとお太鼓の花部分が小ぶりであるため、後ろから見た時にさりげない可愛さが目立つ印象になります。

帯を巻いた後に、たれの先を折り返して花に見える部分を仕上げて結びます。

中心に髪飾りや飾り紐などをつけてアクセントを入れても粋です。

定番の結び方も良いですが、マリーゴールドで結ばれた帯で、一際目立つ雰囲気を出すのも良いでしょう。

男性浴衣の帯の結び方

男結びは男性が浴衣を着る時の定番

男結びは、男性が浴衣を着る時の定番の結び方です。

だらしなくならないようにかつ、締めすぎないのが男らしく見える結び方のポイントです。

結び目は、貝の口結びのように折り口が斜めに見えます。

帯を巻いた後にたれさきを斜めに折り返し、貝の形を作って仕上げると完成です。

結び目がへその下辺りになるようにするのがポイントで、少し結び目が巻いてある帯よりも下に来るようにすると、男らしい印象になるでしょう。

帯の結び方についてのまとめ

  • 帯の結び方は、着物の種類や男性・女性によって違いがあります。
  • 浴衣や振袖など着物の種類でも結び方は違いますが、それぞれに多くの種類の結び方があります。
  • 浴衣の帯の結び方には関東風と関西風があり、関東風は右回りで関西風は左周りです。
  • 帯の結び方で、着物の印象や体型の見え方の印象が変わってきます。
  • 帯の結び目は自分では見えない部分ですが、着物全体の印象を大きく左右します。