カメラといえば、一眼やミラーレス、コンデジなどの種類はありますが、今はほぼすべてがデジタルカメラでしょう。
しかし今、カメラ好きの間で注目を集めつつあるカメラは、デジタルカメラと真逆のクラシックカメラです。ここでは、クラシックカメラとは、おすすめのクラシックカメラ、クラシックカメラの専門店をご紹介します。
奥深いクラシックカメラについて知ると、明日にでもクラシックカメラが欲しくなってしまうでしょう。
目次
クラシックカメラとはなにか?
実は、クラシックカメラには、明確な定義はありません。
一般的に言われているクラシックカメラの特徴は、基本的には電気仕掛けではない、120シートフィルムや35ミリのパトローネ、あるいはフィルムカセットとも言われる円柱型のケースに入ったフィルムなどを使うカメラのことをさしています。
これらの条件を満たすのは、一般的に1960年代ころまでに製造された機械式のカメラと言えるでしょう。この年代のカメラは、多くのものがねじとゼンマイで作られ、電気仕掛けでないものです。
クラシックカメラの魅力
クラシックカメラの最大の魅力は、手間がかかることでしょう。
撮影時には、自分でピントや露出を合わせなくてはいけません。出来上がる写真をイメージしながらの作業は、無限の作風を生み出すこともできます。フィルムを使うので、デジタルカメラのように画像をその場で確認して消去することもできません。
クラシックカメラのフィルムは最大でも36枚で、それが終わればフィルム交換をしなければ撮影が続けられません。現像するまではっきりと写真がわからないので、想像力をかき立てられるだけでなく、フィルム交換の手間まで楽しむのがクラシックカメラの愛好家でしょう。
また、今のデジタルカメラはそのメーカーのものでも、多少の差があるものの、素人でもある程度のレベルの画質の写真が撮影できます。
しかし、クラシックカメラはマニュアルなだけでなく、メーカーによってレンズやカメラの構造に差があり、撮れる画質に幅があります。
それを個人の腕前でいかに画質のいい写真に仕上げられるか、クラシックカメラは撮影者個人の技術の差が出やすいでしょう。撮影者でそれぞれの求める世界観を出しやすいともいえます。
レンズの質、使われていた素材も今とは違うので、写真全体がくもったような画質になるクラシックカメラが多いのも特徴です。一部のクラシックカメラ愛好家の中には、クラシックカメラ独特のくもった感じを魅力に上げる人も多いでしょう。
今でも使えるクラシックカメラは、当時はかなりの高級品だったことでしょう。また、今のように大量生産されたカメラではなく、どのメーカーのクラシックカメラもほぼ手作りで仕上げられたのがクラシックカメラです。
ですから、ひとつひとつに高級感、重量感、独特の質感などを感じられるでしょう。多量生産のカメラではないことから、今の時代でも使えるクラシックカメラは、希少価値が高いものばかりです。
また、クラシックカメラの作りの美しさから、撮影目的ではなく美術品のひとつとして、クラシックカメラを収集する人もすくなくありません。
おすすめのクラシックカメラ
クラシックカメラの中でも、人気のメーカーとおすすめの一品を3つご紹介します。
おすすめのライカのクラシックカメラ
世界中で愛さているといわれるドイツのカメラメーカーの「ライカ」は、1925年に世界で初めて映画用35mmフィルムを切って使えるフィルムカメラを出したメーカーでもあります。
もともとは、経営者の名前から「Leitz(ライツ)」という名前でしたが、Leitz+Camera=「Leica(ライカ)」のヒット商品名を社名に変更した会社です。1930年から1940年代には、ライカ1台あれば家が一軒建てられると日本では言われていました。
クラシックカメラとして人気のライカモデルには、「ライカIIIf」という1950年代に製造されたカメラでしょう。まだ社名がLeitzでもっともいい時期に製造されたのが、このモデルといわれています。
ライカでも最高峰とも言えるカメラの見た目の素材感、重量感、シャッターなどの作動音なども人気です。見た目ですぐにクラシックカメラとわかる名カメラは、Lマウントを採用しているので、他のメーカーのレンズもつけられる高い実用性も兼ね備えています。
クラシックカメラとして出回っているライカの中でも、人気がありながら10万円前後で買える手ごろとも言える「ライカIIIf」は、おすすめです。
おすすめのニコンのクラシックカメラ
「ニコン」は、戦前には日本工学として双眼鏡などを軍に納品していた軍需会社でした。終戦を前に軍需がなくなることが予想され、会社の危機に立ったニコンは、軍需製品以外のものを生産することになります。
もともとキャンノンにレンズを納品していたこともあり、その技術を使ってカメラの生産に入ります。カメラ本体は、先のライカを手本に設計し、実際にニコン第一号カメラを発売できたのは1948年のことでした。
初めは在日本アメリカ軍に納品され、どんどん改造を繰り返し、1950年ころに一般にも販売されていた「ニコンM」は、今では人気のクラシックカメラのひとつです。
フィルムサイズやマウントも世界で通用するライカをモデルにした、初めてのニコンカメラの最終型かつ最高峰とも言えるでしょう。軍向けに出荷されたものが大部分だったニコンMは、圧倒的な希少価値があり、今では100万円ほどで出回る高級クラシックカメラです。
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おすすめのツァイス・イコン社のクラシックカメラ
撮影以外のクラシックカメラの楽しみ方には、美術品としての魅力もあります。クラシックカメラのイメージは、蛇腹のファインダーという人も少なくありません。そんな蛇腹ファインダーを持つクラシックカメラのおすすめが、「スーパーイコンタ」です。西ドイツで創業したツァイス・イコン社の製品です。
「スーパーイコンタ」は、イコンタシリーズの中のひとつで、シリーズは「世界初のスプリングカメラ」と言われる有名なカメラでしょう。レンズを前に出してピントを合わせるカメラで、その独特な写真の出来上がり画質で人気のクラシックカメラでもあります。
使われているレンズは、優秀なカメラ関連のメーカーが多いドイツでも銘品といわれいる一品です。3つの大きさのフィルムに対応したカメラが出ているので、好みの出来上がり写真の大きさでカメラを選ぶことができます。
スーパーイコンタは中判サイズの写真なので、趣のある写真がより楽しめるでしょう。価格は10万円ほどから見つかります。蛇腹に大きなダメージがないものを、丁寧に探すようにしましょう。
クラシックカメラ専門店がある
クラシックカメラは、当然のことながら中古品になります。中古カメラ店によっては、クラシックカメラを扱うところもあります。しかし、自分にあうクラシックカメラを探すなら、クラシックカメラ専門店がいいでしょう。
専門性の高いさまざまなアドバイスを聞くチャンスもあるでしょう。ここでは、おすすめのクラシックカメラ専門店を3つご紹介します。
クラシックカメラの専門店「モリッツ」
代々木にあるクラシックカメラ専門店で、国産・海外製を幅広く取り扱っています。
クラシックカメラの品揃えだけでなく、比較的安価な専門店として評判です。通販もありますが、実際に現物をみて、触って、カメラとの相性を探るのがおすすめです。販売のほか、買取、委託販売や修理もしてくれる頼れる専門店でしょう。
クラシックカメラの専門店「早田カメラ店」
浅草に店舗を構える早田カメラ店は、創業60年を超える老舗です。注目したいのは、メンテナンス体制です。整備済カメラ本体にシルバーのシールが張られ、それが保証書かわりになります。
いつでも店舗を訪れれば、無料でメンテナンスしてくれます。修理やメンテナンスの腕前が評判の早田カメラ店なので、クラシックカメラを長く使うのにいいお店でしょう。丁寧な接客も評判なので、初めてのクラシックカメラを選ぶのにも心強いでしょう。
クラシックカメラの専門店「富士越カメラ」
日本で最も古いライカの世紀特約販売店でもあり、新品からクラシックカメラも幅広く扱う富士越カメラは、日本橋で70年ほどの歴史を持っています。
こじんまりした店ですが、豊富なクラシックカメラの種類と丁寧な展示が、一層クラシックカメラの魅力を引き立たせています。メンテナンスも評判ですし、レンズやアクセサリなども充実しているので、お気に入りのカメラを次の日からでも使えるようにセットできるでしょう。
クラシックカメラについてのまとめ
- クラシックカメラとは、一般的は電気仕掛けではない、フィルムを使うカメラのことを指しています。主に、1960年代ころまでに製造された機械式のカメラと言えるでしょう。
- クラシックカメラの魅力は、手間がかかること、マニュアルなうえにレンズやカメラの構造に差があるところ、ほぼ手作りで仕上げられたカメラであることなどがあります。
- おすすめのクラシックカメラには、ライカの「ライカIIIf」、ニコンの「ニコンM」、ツァイス・イコン社の「スーパーイコンタ」などがあります。
- おすすめのクラシックカメラ専門店には、代々木の「クラシックカメラ モリッツ」、浅草の「早田カメラ店」、日本橋の「富士越カメラ」などがあるでしょう。