皆さんは「キャビネット」をお使いでしょうか。
ひと昔前までは「嫁入り道具に 家具一式を揃えて嫁に出す」家庭がほとんどでした。しかし近頃の若い人たちは 大きな収納家具はあまり持たない傾向にあるようです。
けれど、大なり小なり生活する上で収納スペースはやはり必要です。
この記事では大型家具ではないけれど、収納家具にも調度品としても機能してくれるあると便利な「キャビネット」のあれこれをご紹介いたします。
目次
そもそもキャビネットとはなにか?
キャビネットとは ヨーロッパなどの洋風室内に置く調度品です。元々は貴重品を保存するための小部屋を指していました。土地の広いヨーロッパならではの由来です。
その後は小型の家具を意味するようになり、ルネサンス期のイタリアで初めて使用されるようになりました。
バロック時代には 主にフランスや南ドイツで優れたものが作られるようになりました。
そして現在では 飾り棚・書類などを整理収納する箱・戸棚などのの実用的な家具として使われるようになっています。
では「キャビネット」と「サイドボード」とはどう言った違いがあるのでしょうか。
サイドボードのサイドとは英語で”sideboard”と書きますが、西洋家具の一種であるダイニング用の家具でした。
食器類を収納したり、食事を提供する時にテーブルとして使ったりしていましたが、今ではダイニングから主にリビングに置かれることが多くなり、こんにちでは食器のみならず様々なものの収納用途として使われるようになりました。
また、装飾棚として作られているものも多いです。
一方キャビネット(cabinet)は、一般的には箱型の家具総称を指します。日本で言ういわゆる”箪笥”のようなもので、西洋での収納家具全般を言います。
結論を言いますと、サイドボードとキャビネットではそれほど大きな違いはありません。しかしキャビネットよりサイドボードの方が小さいイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
今日では双方が広い言葉の意味を持つようになったため、どちらでも通じてしまうのが現状です。
キャビネットは 元は箱型の家具全般を指すことから、サイドボードもキャビネットの一種としてカテゴライズされています。
キャビネットのメリット
一概にキャビネットと言えども 扉の開き方に違いがあるなど特徴も様々です。
例えば両開きの扉付きキャビネットなら、全面開くのでスライド式と比べると大きな物も収納可能です。
また、高さのあるキャビネットは 低いキャビネットよりも「縦」に大きな物を収納できるメリットはありますが、その分地震の際には倒れる危険性も高くなります。
地震の多い日本では、そこまで考えて購入、そして設置には地震対策をする必要性があります。
キャビネットの選び方
ここでキャビネットの種類と、それぞれの特徴をご紹介しますので、購入する際の参考にしてください。
特徴は主に扉の様式について記載しています。
オープン型キャビネットは普段使いに便利
オープン型キャビネットは、扉無しでさっと書類などを取り出せるため、使用頻度の高い書類や物の保管に適しています。
また他の種類と比べて比較的安価なのも特徴です。しかしセキュリティー面・安全面では劣るので 地震が起きた時は中身が飛び出してしまうこともあります。
両開扉キャビネットは中が見やすい
両開扉キャビネットは、両側の扉の開閉が可能な いわゆる観音開きです。
中がとても見やすく整理もしやすいです。ガラス扉で中が透けて見えるもの、また見えないものもあります。
注意点としては、扉を開くスペースの十分な確保が必要です。
引き違い扉のキャビネットはスペースが小さくて済む
左右両側からスライドして開閉のできる扉なので、十分なスペースが取れない狭い所でも設置可能です。
ただし スライド式扉なので 真中に置いたものは取り出しにくいのが難点です。
ラテラル型キャビネットはたくさん入る
ドロワータイプのキャビネットです。大容量の書類等の収納が可能。ただし 引き出し型のため低い位置に設置する必要があります。
サイドキャビネットは小型の収納
大型キャビネットの他の、主にメインデスクの下や横につける事ができる引き出しタイプのキャビネットです。
小型の収納スペースとして使用されることが多いです。
デザインでキャビネットを選ぶのもあり
観音開きやスライド式扉を持つキャビネット、収納している物を隠して見えないようにするキャビネット、反対にガラス扉で中のものを見せて収納する物など、キャビネットにもいろんなデザインがあります。
機能性を重視して無機質なデザインを持つものや、アール・デコ調などのアンティーク風に仕上げたものもあります。
最近では北欧風なものも大変人気が高いです。
使用目的でキャビネットを選ぶのもあり
キャビネットの入手目的を明確にしましょう。例えば会社の書類を保管する目的ならば、セキュリティーがしっかりできるものを購入する必要があります。
書類も増える傾向にあるため セキュリティーに加え、保管スペースも大きいものがいいでしょう。
自宅の客間に置くのであれば、持ち主の好みで見た目にこだわった物もいいでしょう。
また、子供部屋に設置するのなら安全面に配慮して、ワイドなローサイドテーブルも選択肢の一つに入れることをオススメ致します。
デザインが気に入っても使用目的に沿わないキャビネットを購入してしまうと無用の長物になってしまいます。
キャビネットに何を保管したいのかをはっきりさせておくことで、無駄な買い物を省くことができます。
サイズでキャビネットを選ぶのもよい
入れる物の量や大きさを考えて、おおよそのキャビネットの大きさを考えておきましょう。大きさで悩んでしまうのであれば、少し大きめで 収納量の多いキャビネットがオススメです。
小さくて物が入り切らないと、また収納場所を考えたり購入したりしなくてはなりません。「大は小を兼ねる」理論で、少し大きめのものを置いた方が無難でしょう。
キャビネット設置のためのスペース確保も大切です。
せっかく買って来たキャビネットをいざ設置する段階で「置き場所がない!」などという事にならないためにも、事前のスペース確保が必要です。
動線にも配慮してシュミレーションをし、キャビネットを使用しやすい場所を購入前から決めておきましょう。
購入するキャビネットのサイズを確認し、メジャーでスペースの測定までしておくのが安心です。
組み立て型のキャビネットも人気がある
最近では 組み立ての手間が省けるキャビネットが好まれているようです。インターネットサイトを検索してみても、組み立て不要の完成品が大変多く出回っています。
サイドボード程度の小さなキャビネットなら、購入したらすぐ使える完成品の方が人気が高いようです。
しかし 引越し等移動する際にできるだけ小さくして運びたいなら 組み立て式をオススメします。
キャビネットについてのまとめ
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- いかがでしたでしょうか。ここでキャビネットのおさらいを致します。
- キャビネットとは、元はヨーロッパなどの洋風室内に置く調度品だった。貴重品を保存するための小部屋を指していたこともある。
- 一般的には箱型の家具総称を指し、現在では飾り棚・書類などを整理収納する箱・戸棚など実用的に使用する目的で使われている。
- キャビネットは使用目的をはっきりさせて、目的に見合ったデザイン・容量のものを選ぶ。
- 設置前に キャビネットのサイズ確認・設置スペースの確保をしておく。
- お気に入りのキャビネットを見つけたら、部屋に設置した時のイメージと使用する時のシュミレーションもぜひしてみましょう。