今や薄型の液晶テレビで番組を観るのはごくあたりまえの風景になっています。大型画面でゲームをしたり、より高画質の4Kテレビを購入する人も少なくありません。

液晶テレビは、国産メーカーだけでなく韓国や中国のメーカーもさまざまな製品を販売しています。価格もより安くなっていますが、実際に液晶テレビを購入する場合する場合、何を基準に選んだらよいのか迷ってしまうものです。

最近、液晶テレビの仕様などに表示されているのが、「倍速駆動」という表現です。液晶テレビの性能を向上させる機能らしいのですが、具体的にどのような機能なのか知っている人は少ないでしょう。

今回は、この「倍速駆動」について紹介します。

液晶テレビの弱点

倍速駆動を説明する前に、液晶テレビの弱点について解説します。

従来のブラウン管テレビは、電子ビームを蛍光面に当てて映像を再現していました。ブラウン管自体が大きいので奥行きが必要でテレビを置くスペースが必要でした。

一方、液晶テレビは、液晶パネルを使用しているので薄くて場所もとりません。見た目もシンプルでデジタル時代に対応したスマートなテレビとして一躍普及しました。

しかし、液晶テレビには大きな欠点がありました。それが、「動画ぼけ」と呼ばれる残像感です。動画を流すと従来のブラウン管テレビではなかった画面がぼけたような印象になったのです。

これは、液晶パネルの特徴に起因するものです。

液晶パネルは自分では発光しません。裏側からバックライトを当てて、液晶パネルとカラーフィルターを通して映像を再現しています。

明るさは液晶パネルの開閉によって調整していますが、バックライトは常に点灯しているので、パネルの隙間から光が漏れる「黒浮き」という現象が起こります。

黒浮きに関しては、コントラストを調整する仕組みによって大幅に改善されています。

液晶パネルは、1秒間に60フレームの画像を表示して一定の明るさを保っています。これを「ホールド型表示」と呼びますが、このホールド型表示が人に残像感を与える原因になります。

これは、人間の視覚の性質によるものです。1フレーム目が白で2フレームが黒だとすると、人の目は白と黒を平均化してグレーとして認識してしまいます。これがぼけたイメージにつながるのです。

これを解決するのが、「倍速駆動」という機能です。

倍速駆動とはなにか

パラパラ漫画を想像して下さい。同じ動きでも60枚で書くのと120枚で書くのとでは動きに違いがあります。当然、120枚の方が動きがなめらかになります。

テレビの動画も同じです。1秒間に60フレームを再現するよりも120フレーム再現する方が動きも画像もよくなります。

「倍速駆動」とは、本来60フレームの動画を120フレームにする機能です。

60フレームしかない映像を120フレームにするというと不思議に感じますが、各フレームの間に「補完フレーム」を挿入する方法です。こうすることで残像感を低減することに成功しました。

倍速駆動は、日本ビクターが初めて搭載しましたが、その後ソニー、パナソニック、東芝が倍速駆動モデルを発売しています。その中でもソニーのブラビアでは倍速駆動の進化がめざましく、注目されています。

ソニーブラビアのモーションフローXR240

倍速駆動の液晶テレビでも、激しい動きのスポーツなどでは残像が残りやすくなってしまいます。

これに対応するようにソニーが開発したのが「モーションフローXR240」です。

これは、従来の倍速駆動の画面の映像を上下に分割して交互にバックライトを点滅させることで、1秒間に240フレームを再生する技術です。つまり、4倍速に相当する映像を可能にしたのです。

上下の画像の半分は黒くなります。画像の間に黒画面を挿入する方法(インパルス駆動)は、以前からありました。黒を挿入することで輝度が下がり、肉眼ではクリアな印象を受けます。

この機能を活用して4倍速相当のクリアで素早い動きにも対応した液晶画面を実現しました。

進化し続ける倍速技術

ソニーの倍速技術は、さらに進化し続けています。モーションフローXR240に続き「モーションフローXR480」を搭載したモデルを発売しました。

従来の60フレームに補完フレームを3枚挿入した4倍速駆動にモーションフローの機能で8倍速相当の画面を実現しました。実売モデルの中では、抜群の性能を誇っています。

しかし、ブラビアの倍速技術の進化は留まることをしりません。

今年発売予定の最新のブラビアでは「モーションフローXR960」を搭載しています。画面の上から画像を消していく方法で4倍の画面にし、4倍速駆動の4場合に相当する16倍相当の画面を実現しました。

オススメのモーションフロー搭載モデル

倍速駆動で一歩先を行くソニーのブラビアの中から現行モデルで代表的なモーションフロー搭載モデルを紹介します。

ソニーブラビア KDL-32EX720

モーションフローXR240搭載の4倍速相当の映像表現を実現しています。ソニー独自の超解像技術で高精細な画像を実現しました。

価格も4万円を切るものもあり、高機能でお手頃と人気を集めています。

ソニーブラビア KDL-40HX750

モーションフローXR480搭載モデルです。モーションフローXR480で8倍速相当を実現しました。

さらに、残像感を低減した映像のみをバックライトで点灯させるインパルスモードで、素早いスポーツも鮮明に楽しめます。

倍速稼働についてのまとめ

  • 液晶パネルの弱点とも言える残像感を低減するために、開発されたのが「倍速駆動」
  • 1秒間に60フレームの動画に補完フレームを挿入することで1秒間に120フレームを実現し、よりクリアで残像感を低減することに成功した
  • 倍速駆動技術では、ソニーのブラビアが群を抜いており、画像を上下に分割してさらにフレーム数を増やしたモーションフローXR240で4倍速相当の表現を可能にする
  • さらに、モーションフローXR480で8倍速相当、今年発売のモーションフローXR960では16倍速相当を実現している
  • 液晶パネルのテレビをより快適に視聴できる「倍速駆動」の技術。液晶テレビを購入する際には、チェックしておきたいポイント