この記事では、土鍋の産地のほか、サイズや素材、デザインの違いによる選び方とおすすめの土鍋について解説します。
土鍋は鍋料理で活躍する調理器具としておなじみですが、炊飯や蒸し料理など、用途が幅広いものです。
この記事を読むことで、用途や好みにぴったりの土鍋を選ぶことができます。
土鍋の魅力
土鍋は遠赤外線効果により、ステンレスなど金属製の鍋よりも食材への火の通り方がゆるやかです。
食材そのものの旨みを引き出すことができ、鍋料理をはじめとした、長時間の煮込み料理などに適しています。
また、保温性にも優れているため、光熱費の節約につながるほか、余熱調理も可能です。
陶器ならではの温かみのある姿は、食卓に自然と馴染むでしょう。
土鍋の選び方
産地で土鍋を選ぶ
土鍋はどんな土が使われているのか、どんな窯元で焼かれているかによって特性が異なります。
そのため、国産の土鍋ならどれを選んでも同じというわけではありません。
土鍋を選ぶ際には、それぞれの産地の特性をきちんとチェックし、用途に合ったものを選ぶとよいでしょう。
萬古焼
萬古焼はリチウム鉱石を含んだ陶土で、ガスレンジや炭火、空焚きにも耐えられるのが特徴です。
陶土は目の細かい土なため、表面が滑らかで仕上がりが美しいだけでなく、ニオイが移りにくいほか、お手入れもしやすいのが魅力です。
伊賀焼
伊賀焼は、約400万年前の花崗岩が風化し、琵琶湖湖底に堆積した亜炭などを含んでいる伊賀焼の陶土は、耐火性と蓄熱性があります。高温で焼くことで、薪の灰が緑がかったガラス質に変化します。
窯内で起きる灰かぶりや焦げだけでなく、割れや土を感じさせる粗めの肌合いと自然な渋い色使いや、どっしりとした形状が魅力です。
信楽焼
信楽焼の土鍋は、焼くことで緋色が表れ、灰かぶりや焦げによって変化をもたらされ、土の味わいを感じられる素朴さが魅力です。また、耐火性も高くなっています。
陶土は滋賀県甲賀市の信楽周辺で採れる数種類の粘土を混ぜ合わせたもので、肉厚な焼き物に最適なものです。
サイズで土鍋を選ぶ
土鍋のサイズは、1人用なら4~6号、2~3人用なら7~8号、4人以上は9号以上が目安です。
また、タイプは多人数で囲むのに最適な浅型、おでんなどの汁気の多い調理に向いている深型、ごはんを炊くための炊飯用があります。
そのため、作る料理や持ち運びやすさを考慮して選ぶのもポイントです。
素材で土鍋を選ぶ
土鍋は素材によって特性が異なります。
粗めの土が素材の土鍋は、蓄熱性が高い反面、目が粗ことから臭い移りや水漏れに注意しなければなりません。
一方で、目の細かい土が素材だと蓄熱性はやや劣るものの、お手入れはしやすくなります。
価格はやや高めですが、お手入れがしやすく、かつ水漏れもしにくいセラミック製の土鍋も人気です。
セラミック製の土鍋の中には、ガスコンロだけでなく、IHコンロでも使用可能なタイプもあります。
デザインで土鍋を選ぶ
土鍋は伝統的な和風のデザインだけでなく、洋風土鍋絵柄や模様などがないシンプルな土鍋など、様々なものがあります。
自分の好みで土鍋を選ぶのはもちろん、食卓で使うことを考慮して、お部屋のインテリアも損なわないデザインを選ぶとよいでしょう。
日本製土鍋のおすすめブランド
三鈴陶器は萬古焼の有名ブランド
萬古焼の有名ブランドとして知られているのが、三重県四日市の三鈴陶器です。
1965年の創業以来、一般的な土鍋だけでなく、ご飯鍋、蒸し鍋、燻製鍋、パエリア鍋など、幅広い料理に使えるオリジナル製品を多数生産しています。
耐熱陶器に対する高いこだわりがあるため、土の管理から焼き上げまでを一貫して熟練の職人が手がけています。
6種類の耐熱陶土と、20種類以上の釉薬によって、高品質で多様な質感を誇る土鍋が特徴です。
ハリオは日本で唯一の耐熱ガラスメーカー
ハリオは、1921年創業の耐熱ガラスメーカーです。ガラス製のコーヒードリッパーや、サーバーの生産でも知られてるメーカーです。
その技術を生かし、ガラス製のフタが付属した土鍋を発売し注目されています。
特に炊飯用の土鍋は炊き具合が確認できるほか、ホイッスルが鳴る仕組みで簡単においしいご飯が炊けることで人気です。
土鍋の本体は萬古焼を採用しているのも特徴です。
長谷園は伊賀焼を代表するブランド
長谷園は、伊賀焼を代表するブランドとして知られるメーカーです。
1832年の創業以来、伝統と技術を守りながら土鍋を生産している「登り窯」や「大正館」などは、国の登録有形文化財に指定されています。
近年では土鍋の技術を応用し、炊飯専用の土鍋や洋風のオーブン料理が調理できる土鍋、燻製が作れる土鍋を開発し、注目を集めているブランドです。
リーズナブルな土鍋のおすすめ3選
銀峯陶器 萬古焼 銀峯は世代を問わず使いやすい
銀峯陶器 萬古焼 銀峯は、昔ながらのスタンダードなデザインの土鍋で世代を問わず使いやすいのが魅力です。
また、ガスコンロだけでなく電子レンジやオーブンでも使用することができます。
こちらの品は5号ですが、11号まであるため、用途に合わせて最適なサイズを選ぶことができます。
銀峯陶器 萬古焼 菊花は機能性とデザイン性が魅力
銀峯陶器 萬古焼 菊花は、菊の花弁のような蓋が印象的な機能性とデザイン性に優れ、安全にも配慮された萬古焼の土鍋です。
こちらもガスコンロのほか、電子レンジやオーブンの使用が可能です。吸水率が低いため、ニオイ移りが気になる食材も安心して調理できます。
カラーバリエーションも豊富なのため、好みに合わせて選びやすいのもポイントです。
パール金属 L-1814は火に強く保温性の高さも特徴
パール金属 L-1814は、耐熱原料のペタライトを使用し火に強く、土鍋本来の料理のおいしさを十分に楽しめる品です。
コンロの火を消した後もしばらくは沸騰を続ける保温性の高さも特徴です。電子レンジ、オーブンでの使用もできます。
IH対応の土鍋のおすすめ3選
ハリオ MNI-225Bは中の様子を見ながら調理できる
ハリオ MNI-225Bは、フタをしてもガラスなので中の様子がみえ、調理の失敗を防ぐことができるIH対応の土鍋です。
インテリアにもマッチするブラックカラーと、シンプルでスタイリッシュなデザインで和食、洋食を問わず使えます。
キッチンで調理しそのまま食卓に移動して、大皿感覚で使うのもおすすめです。
長谷園 CK-04はモダンなデザインとIH対応な事が特徴
長谷園 CK-04は、1300年前から伊賀焼の伝統と技術を継承しながら、モダンなデザインで人気の長谷園の土鍋です。
熱伝導率がよいため、食材にムラなく熱を伝えられるだけでなく、鍋底に伊賀土鍋と熱膨張率が同じ肉厚のカーボン製発熱体を組み込むことにより、IHにも対応しています。
100V・200VどちらのIH機器でも使用可能です。
キントー KAKOMIは付属のすのこと佇まいが魅力
キントー KAKOMIは、使い心地と佇まいを両立させたデザインで、季節を問わず1年中使用できる土鍋です。
ヘルシーな蒸し料理を卓上でも楽しめる様に、すのこが付属しています。また、すのこは外すことで寄せ鍋や調理用の鍋として使えます。
吸水率がきわめて低く、カビや匂いがつきにくいためお手入れも簡単な品です。
土鍋についてのまとめ
- 土鍋は遠赤外線効果によって火の通り方がゆるやかで、食材そのものの旨みを引き出すことができるほか、光熱費の節約につながる合理的な魅力のある調理器具です。
- 土鍋は、産地の特性、サイズ、素材、デザインなどを考慮して選ぶとよいでしょう。
- 土鍋のおすすめのブランドとしては、三鈴陶器、ハリオ、長谷園などがあります。