この記事では、低反発マットの中でも、寝具用の低反発マットレスについて解説いたします。
低反発マットの魅力や選び方などはもちろんのこと、おすすめの商品も紹介するためぜひ参考にしてみてください。
加筆修正箇所
・マットレスと腰痛の関係を加筆いたしました。
・低反発マットのおすすめを修正いたしました。
目次
そもそも低反発マットとは何か
低反発マットとは、宇宙技術を応用して作られたマットレスです。
ロケット打ち上げの際に、宇宙飛行士の体にかかる重力の負担を軽減するために、NASAが開発した低反発ポリウレタンフォームのヴィスコ エラスティック フォームの技術を元にしています。
低反発とは押された部分がゆっくりと変形していき、離すと再びゆっくりと元の形に戻ってくる状態です。押してもほとんど変形することなくすぐに元の形に戻ったり、逆に押されて変形したままなかなか元に戻らない、変形したままの状態になるものは低反発とは言えません。
低反発マットの魅力
低反発マットは、自分の体重で低反発マットがゆっくりと体の形状に合わせて凹んでいくのが特徴です。そのため、どんな体型の人でも包み込まれるようなフィット感を得られ寝心地がよく感じられます。
寝返りしすぎることを予防できるため、睡眠を妨げないでぐっすりと眠ることが可能です。低反発とは異なる柔らかいだけのマットレスとは違い、低反発マットは体圧が均等に分散されるため、腰や肩、首の特定の部位だけに体圧が集中することを防いでくれます。
睡眠中に腰や肩、首に体圧が集中してしまうことで血行不良が生じ、寝起きに腰や肩、首に痛みを感じる人がいます。
低反発マットの特長である体圧分散性の高さで、寝返りが少なくても睡眠時の腰や肩、首への負担が集中しません。そのため、前日の疲れが解消されてすっきりとした目覚めを期待できるでしょう。
低反発マットの注意点
低反発マットの素材は、マットが変形するため、へたりやすいです。
低反発ウレタン素材だけを使っているマットレスは、体重が70kg以上の大柄な人が使用すると腰を中心にマットの反発力が体重に負けてしまい、体が沈み込みすぎてしまいます。
腰や肩が沈み込みすぎた状態になると寝返りがスムーズにできなくなってしまうことに起因する腰や肩、首の痛みが起きやすくなります。
また、体を包み込むようにフィットするため冬は暖かく感じますが、夏は熱を蓄積しやすく暑く感じるでしょう。中が中空の金属コイルを使うマットレスに比べて、ウレタン系素材は通気性が悪く蒸れやすいため、汗を大量にかく人には不向きです。
さらに、低反発ウレタンフォームは温度で硬さが変化してしまいます。冬は硬くなりやすく、夏は柔らかくなりやすいでしょう。
ホテルのような常に温湿度が一定に保たれたところでは影響がありませんが、自宅のような日常生活の中では季節によってマットの硬さが変わることにより寝心地の違いを感じることがあります。
低反発マットの選び方
体が沈みすぎないものを選ぶ
体が沈みすぎてしまうと寝姿勢が悪くなり腰や肩、首に負担がかかってしまいます。低反発マット1枚だけで使うときは厚さ10cm以上、敷布団や他のマットレスの上に重ねて使うときは厚さ5cm以上のものを選びましょう。
また、沈み込み具合は同じメーカーでも製品による違いがあります。人ぞれぞれ感じ方に違いがあるため、ショールームや寝具店などで実際に寝返りの感じを体験してみて選びましょう。
寝返りしやすいものを選ぶ
睡眠中に寝返りが打てるように、沈み込みすぎず適度に体が動かせるものを選びましょう。
寝返りは睡眠中に体の一部分だけに圧力がかからないように、圧力がかかる部位を変えるために人が無意識に行う動作です。寝返りが打てないと、腰痛や肩凝りになりやすくなったり、翌朝まで疲れが残ったりします。
ずっと同じ寝姿勢のままだとマットに接している部位が蒸れてしまうため、特に大柄な人や姿勢が悪い人は寝返りがしやすいものを選びましょう。上部が低反発マット、下部がポケットコイルや高反発素材からなる2層構造のマットレスがおすすめです。
お手入れしやすいものを選ぶ
最近の低反発マットは、以前に比べて通気性が改善されていたり、抗菌カバーが付属され汚れにくくなっていたり、手入れのしやすい製品が販売されています。
低反発マットは水洗い洗濯ができないばかりでなく、水気がある雑巾などで拭くことも厳禁です。低反発マットのウレタンフォームは水分に弱いため水気があるとボロボロになってしまいます。
また、紫外線にも弱いため普通の布団のように天日干しするとボロボロになってしまいます。水気を避けて陰干しが原則です。低反発マットの特性を知ってお手入れのしやすい製品を選びましょう。
耐久性の高いものを選ぶ
低反発マットは湿気を含みやすく寿命が短いため、メーカー保証の長い製品や通気性の高い改良タイプの中から選びましょう。
寝汗で湿気が帯びることを避けられるように対応するベッドパッドや、防水プロテクターを組み合わせて購入できる製品の中から選ぶのもおすすめです。
マットレスと腰痛の関係
マットレスが硬い場合
使用するマットレスが硬すぎると、体圧分散性が十分でなく腰痛の原因となることがあります。硬いマットレスは仰向け状態では臀部を中心に体重がかかり、腰を支えることができません。こうした状態が続くと腰痛の原因となることがあります。
そこで、マットレスが硬すぎないかを確認するには仰向けおむけの状態で腰の下に隙間ができないかを確認しましょう。また、5分ほど同じ体制で腰に圧迫感や疲れを感じる場合も、マットレスが硬すぎると判断できます。
マットレスが柔らかい場合
マットレスが柔らかすぎることも腰痛の原因となります。これは体重のかかりやすい腰の部分をマットレスが支えきれず寝姿勢が悪くなるからです。寝姿勢が悪い状態が続くと筋肉が硬直し、血行不良が起こってこりや痛みの原因となります。
マットレスには適度が柔らかさが求められますが、過度に柔らかい製品は注意が必要です。
マットレスにへたりがみられる場合
へたりがみられるマットレスは、本来の機能が失われ性能を発揮することができません。
しかしながら、マットレスは使用を続けるうち徐々にへたりが生じるため、変化に気づかないことも少なくありません。
またへたりが生じた場合タオルを敷き詰めるなどしての応急処置をすることは可能ですが、使用を続け寝心地の悪さや体のこりや痛みが気になりはじめたら、マットレスの買い替えも検討しましょう。
低反発マットのおすすめ
トゥルースリーパー プレミアケア プラス
プレミアケアシリーズのマットレスの中でもワンランク上の寝心地と機能性を備えた上位モデルです。
「トゥルースリーパー プレミアケア」よりも全身でおよそ5.5%腰部分ではおよそ12.2%平均圧力が減少しています。フィット感のある低反発素材と弾力性のある高反発素材の2層構造です。
テンピュール トッパー7
独自の素材特性により、体温と体圧を感知して圧力を均一に分散させることができるマットレスです。
スタイリッシュで実用的な素材の異なるカバーを両面に使用し、滑らかで涼しげなA面と柔らかで温かみのあるB面を季節によって使い分けることができます。既存のマットレスに重ねて使用するタイプです。
トゥルースリーパー プレミアケア
2層式ダブルレイヤー加工を採用しているので体圧分散に優れ、長時間使用しても底あたりを軽減できることから、床や畳の上に直接敷いて使用することができます。
三つ折にたたむことができるので収納場所も選びません。銀由来の抗菌効果により菌の発生を抑制し、清潔に使用を続けられます。
テンピュール フトン デラックスS
和洋どちらのスタイルにもマッチし、畳やフローリングの上に気軽に敷いて使えるマットレスです。
世界中で販売されているテンピュールマットレスと同様の素材を使用し、従来品よりも安定感のある寝心地を実現しています。
3分割の構造で和布団のようにスリムでコンパクトに折りたたむことができ、収納にも便利です。
エムリリー ベッドマットレス 優反発・高反発の二層構造
上層部に優反発フォーム、下層部に高反発オープンセルフォームの二層構造を採用したマットレスです。
上層部優反発フォームは身体に馴染み人肌のぬくもりのような優しい感触を実現しています。理想的な寝姿勢を保つので、肩痛や腰痛の方に最適です。
ニトリ シングルマットレス(フルム)
冷感タイプと温度調節タイプの2種類の生地を使用しているので、1年中快適に使える低反発マットレスです。
40mmの低反発ウレタンが体のラインにフィットするので横向き寝も快適です。カバーはファスナー付きで取り外して洗うことができるので衛生的です。
低反発マットについてのまとめ
- しっかりとした素材の低反発マットを選ぶことで寝心地の良い睡眠が確保できるでしょう。
- 自分に合った体圧分散性の高さを特長とした低反発マットを選ぶことで腰や肩、首への負担が軽減されます。
- 2層構造を採用することで通気性や沈み込みしすぎを改善した低反発マットがあります。
- 柔らかい肌触りが好きな人には低反発マットはおすすめです。