この記事では、水炊き鍋の発祥や歴史、特徴からレシピまで紹介しています。
博多や関西が有名な水炊き鍋ですが、2つの違いを正しく理解していない人も少なくありません。
この記事を読めば、水炊きの歴史について理解を深め、よりおいしく食べる事ができます。

水炊き鍋ってなに?

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水炊き鍋の発祥の説は二つある

水炊き鍋の発祥には二つの説があります。

一つ目の説は、水炊き鍋の発祥は、博多だという説です。長崎の名物料理の1つが、明治初年に博多に伝わり博多名物「鶏の水炊き」が生まれました。

1643年(寛永20年)の「料理物語」第九汁の部に「南蛮料理」と言う名で、鶏の水炊きが記載されています。
鶏肉、大根を水で煮てから肉をほぐし、酒と塩を加えニンニク、味噌などで食べられていました。
この料理は「南蛮料理」の名で江戸時代の終わりまで長崎の家庭料理として伝えられ、それが博多に伝わり水炊きになりました。

別の説では、長崎に生まれた林田平三郎が1897年、15歳の頃に料理の勉強の為に香港に渡り、英国人の家庭に住み込みで料理の勉強をしてたという歴史があります。
そこで学んだ西洋料理のコンソメと、中国料理の鳥の水煮を日本人の口に合うように工夫して、1905年に博多水炊きを完成させました。
林田平三郎が開いた水炊き専門店「水月」が水炊き鍋の起源とも言われています。

水炊き鍋の歴史

水炊き鍋は、長崎の人が、博多で日本人向けに工夫して完成させた料理です。

1910年に博多の料亭『新三浦』が、白濁した汁の鶏の水炊きで人気を得ます。新三浦は、後に東京、大阪、京都などにも店を出し、「博多水炊き」の名を全国各地に広めました。
平成に入ってからは、福岡市内に新世代の博多水炊き店が増え始めました。福岡市内の数店舗は、2014年7月発行の「ミシュラン福岡佐賀」で紹介されています。

水炊き鍋には博多と関西で地域差がある

水炊きの地域差は主に、九州地方と関西で差があります。九州地方の中心は博多なため、以下では博多と関西の特徴をそれぞれ紹介します。

博多の水炊き鍋

博多では鶏肉を使うのが主流で、野菜はキャベツです。元々は、水または湯だけで煮るものを水炊きと呼んでいましたが、味を安定させるために、あらかじめ鶏でとった出汁を使う場合もあります。
鶏を長時間煮込むため、白濁したスープになるのが特徴です。締めには麺類が多く用いられます。

関西の水炊き鍋

関西では、鶏以外に豚肉を使う事もあります。
昆布出汁で煮て、野菜は白菜やネギを使用し、ポン酢醤油に付けて食べるのが特徴です。
現在全国で食べられている水炊きは関西風のものが多く、博多風のものは博多水炊きとも呼ばれています。
締めにはご飯が用いられる事が多いです。

水炊き鍋の特徴は素材本来の味を堪能できる事

水炊き鍋は、水や湯のみで煮立せて具材から出汁を取ります。
ベースには、昆布や鶏などのわずかな出汁だけで、他の調味料は使う事ほとんどありません。

水炊き鍋は煮汁に味が付いていないため、素材本来の味を堪能できます。
鍋が煮詰まっても、味が濃くなることも少ないのが魅力です。
取り皿のタレをつけて食べるのが水炊き鍋の特徴で、ポン酢を付けるのが一般的です。薬味には紅葉おろしや青ネギを使います。
現代では、しゃぶしゃぶで使うごまだれを使うなど、アレンジされたたれで楽しまれています。
鶏肉と野菜たっぷりの水炊き鍋は、ヘルシーで健康的です。

水炊き鍋の材料とレシピ

水炊き鍋の材料(4~5人前)

・鶏がら 1羽分
・長ねぎ(青い部分) 1本
・生姜 少々
・水 適量
・骨付き鶏もも肉(ぶつ切り) 600g
・鶏もも肉(角切り) 400g
・キャベツ、水菜、長ねぎ、舞茸、ポン酢などはお好みで入れます

水炊き鍋のレシピ

  1. まず、大鍋にたっぷりの水、粗く砕いた鶏がら、長ねぎ、生姜を入れます。中強火で沸騰させながら、約2時間煮て白濁スープを作ります。
  2. 土鍋に白濁スープ、ぶつ切り骨付きもも肉を入れて中火で30分煮ます。アクはしっかりとる事が大切です。
  3. もも肉角切り、キャベツ、水菜、長ねぎ、舞茸を加えてサッと煮ます。お好みでポン酢を付けていただきます。

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水炊きについてのまとめ

  • 水炊きは、長崎の名物料理が博多に伝わって生まれた料理です。元々は「南蛮料理」として外国から伝わったものでした。また、林田平三郎が、西洋料理のコンソメと、中華料理の鳥の水煮を日本人の口に合わせた料理として出来たと言う説もあります。
  • 水炊きには主に、関西と博多で作り方に違いがあります。博多は鶏で、関西は昆布で出汁を取る違いがあります。締めは博多が麺類で、関西はご飯類が多いです。
  • 水炊き鍋の特徴は、水や湯のみで煮立たせ具材から出汁を取ります。ベースも鶏や昆布のわずかな出汁だけで、一般的に調味料は使いません。素材本来の味が堪能でき、健康にもよいヘルシーな鍋です。
  • また取り皿のたれを付けて食べるのが特徴で、近年は色々アレンジされたたれが使用されています。