この記事では、着物用上着の種類や選び方を紹介します。
和装の上着には、どのようなものが適切なのかわからない人は少なくありません。
この記事を読むことで、着物用の上着の種類や選び方を理解し、自分に合った上着購入の検討が出来ます。
目次
着物用上着の種類
羽織
羽織は着物用の上着で、洋服でいうジャケットのような存在です。
男性の場合は正装として、女性の場合は紋をつけてセミフォーマルとして使用されます。
上着として防寒目的だけではなく、おしゃれ着としても重宝します。
羽織袴は男性の正装であり、紋の付いた羽織は、現代のフォーマルスーツのような役割を負っています。
女性の場合は正装ではありませんが、無地の羽織に紋をつける事で格が上がり、セミフォーマルとして使用できます。
入学式などで使用される事も少なくありません。
羽織の種類はさまざまで、フォーマルなものからカジュアルなものまで様々です。
着物との組み合わせ次第で格が変わり、さまざまなシーンに対応させる事ができます。
膝丈より長いものは長羽織と呼ばれ、普通の丈の羽織よりフォーマルな位置づけです。
前が開いた状態で着用する羽織は、着物や帯が見えるため、コーディネートによって全体をおしゃれにできます。
寒い時期は裏地の付いた防寒性のある袷(あわせ)がよく使用され、暖かい時期はおしゃれに重点をおいた一重仕立てのものなどを着用します。
和装コート
和装コートは衿(えり)周りがゆったりしており、下に着る着物の衿が見えるのが特徴です。
衿の形により、「道行」と「道中着」に種類に分かれ、シーンによって使い分けて着用されます。
和装コートを使用する時の注意点は、コート同様に室内での着用はマナー違反になる事です。
訪問先では、室内に入る前の玄関先で脱ぐのが正しいマナーです。
名前にコートと付いていますが、夏でもレースや透ける素材の一重仕立てのものがあり、おしゃれ着として使用できます。
衿の形によって分けられる和装コートの「道行」と「道中着」の特徴は以下の通りです。
道行
衿の開きが、四角く切り抜かれた形をしているのが道行です。
四角く切り抜かれた衿を「道行衿」と呼びます。
洋服の「ダブル前」のような重ねで前を全部閉めた形で着用するため、フォーマルなシーンでよく使用されます。
道中着
衿の形が、着物に似たあわせになっているのが道中着です。
右前で紐を結ぶ形で着用します。道行よりもカジュアルでくだけた印象になり、おしゃれ着として使用される上着です。
ポンチョ
ポンチョは袖がないため、着物の上着として使用できます。
他の種類の上着に比べて、カジュアルに着こなす事が可能です。着物にポンチョを羽織れば可愛らしい印象になります。
着物専用のポンチョもありますが、普段着ている洋風のものでも違和感がなければ使用できます。
着丈は短めのものが多く、素材がウールだったり、衿にファーが付いていたりするため防寒性も高い事が魅力です。
フォーマルなシーンにはあまり向いてませんが、カジュアルに着こなす場合は、種類が多く選択肢が広がるためおしゃれを楽しむ事ができます。
可愛らしく着物を着こなしたい人におすすめです。
レインコート
レインコートは名前の通り、雨から着物を守るための上着です。
生地の素材は様々で、撥水加工がされているものもあります。
衿の形は道行や道中着と同じものが多く、着丈は着物をすっぽりと覆えるような着丈が必要です。
天候が良くない日に着物を着なければならない場合、レインコートが重宝します。
雨や汚れから着物をしっかり守る事ができます。折りたたんでポーチに収納できるものがあり、雨の降りそう日に便利です。
レインコートには、1枚で着る1部式と、上下が分かれた2部式があります。
1部式は着物を覆う着丈が必要であるため、オーダーメイドが安心です。
一方で、2部式は上下が分かれているため、丈が調整しやすくなっています。
レインコートを着る時は着物の裾は紐を使ってたくし上げ、落ちてこないようにして使用するとよいでしょう。
汚れや濡れの心配がなくなり安心できます。着物の裾をたくし上げる時は、襦袢が見えないように注意が必要です。
着物用上着の選び方
シーンによって選ぶ
着物の上着はシーンによって選ぶ必要があります。
種類によってカジュアルに向いているか、フォーマルに向いているかが違うため、理解して選ぶ事が大切です。
フォーマルなシーンでは、場違いな品を選ぶとマナー違反になることには注意が必要でしょう。
道行がフォーマルなシーンには最適です。羽織は男性の場合は正装ですが、女性の場合はややカジュアル向きです。
しかし、紋をつける事で格が上がり、セミフォーマルとして使用できます。
フォーマルなシーンでは柄などはふさわしくなく、無地なものを選ぶとよいでしょう。
無地の道行がフォーマルなシーンに最適な上着です。
着物のテイストに合わせて選ぶ
上着を合わせる時は、着物のテイストと合わせてコーディネートすると、統一感が出ておしゃれな印象になります。
テイストの違うもの同士を合わせるのは難しいため、迷ったらテイストを合わせるのがおすすめです。
上着を着物に合わせる際、好みのものを選ぶのも良いですが、着物のテイストに合っているかも大切です。
テイストが合っていれば、コーディネート全体の統一感が出ておしゃれに見えます。
着物用上着のおすすめ品
AGEHARA へちま衿型 ベルベットコートは万能な品
AGEHARA へちま衿型 ベルベットコートは、国内生地に国内縫製のベルベットを贅沢に使用した、アゲハラのヘチマ衿型ベルベットコートです。
シンプルな無地の生地に船底袖、流行りの崩れのない形であるため長く、幅広い着物に合わせる事ができます。
贅沢で華やかな雰囲気があるにもかかわらず、カジュアルにも向いたデザインであるため重宝するでしょう。
ウールに比べて軽いベルベットを使用しているため、防寒性やおしゃれ以外にも実用性を兼ね備えたコートです。
スナップボタンと紐で行う着脱は、簡単に行う事ができます。
ツイード和装コートはシルエットが可愛い
ツイード和装コートは、ツイード素材のポンチョのシルエットが可愛い和装コートです。
着物以外の洋服の時も着用する事ができます。
丸みのある衿がすっきりとしているため、着物姿をきれいに見せる事が可能です。
くるみボタンが裏表についており、左右どちらでも重ねる事ができます。
袖口にもボタンがあるため、着用感が安定しています。
落ち着いた色合いであるため、どんな着物にも合わせる事ができます。
羽織コート ライトツイードは微光沢感が魅力
羽織コート ライトツイードは、なめらかで微光沢感があるライトツイードを使用した羽織コートです。
軽いのに目が詰まっており、しっとりとした手触りが特徴です。
裏地には筆で描いたような格子柄を使用しており、おしゃれに仕上がっています。
裏地の滑りがよく、着脱がしやすいにも関わらず、防寒性にも優れているのも魅力でしょう。
羽織紐の取り外しが可能で、好みのものを使用する事が可能です。
京越卸屋 2部式雨コートは雨や汚れから守ってくれる
京越卸屋 2部式雨コートは、着物を雨や汚れから守ってくれる和装用の2部式雨コートです。
2部式で着丈の調整が可能であるため、身長の低い人にも高い人にも重宝します。
上着のみを道行の上から使用する事も可能です。撥水加工を施してあるため、大切な着物を雨から守ります。
携帯ポーチがついており、持ち運びも簡単にできて便利な品です。
きもの遊美 レース 道中着は華やかな雰囲気が特徴
きもの遊美 レース 道中着は、透き目のあるレース生地で、女性らしく華やかな雰囲気が特徴の道中着です。
軽くてふんわり優しい肌触りで、春や初夏、秋に活躍してくれます。
透け感のある総レース仕様は、着物を柔らかく見せる効果があります。
シンプルな柄の上品な色合いで、年齢を選ばないデザインも特徴でしょう。
カジュアルでの使用も可能です。
洗える道行コートは汚れを気にせず使える
洗える道行コートは、礼装でも普段着でも使用できる道行コートです。
ポリエステル100%の素材であるため自宅で洗う事ができ、汚れを気にせず使用する事ができます。
防寒性や汚れ防止の実用面だけでなく、着ることにより着物の印象を変える事ができます。
シンプルな無地柄が着物姿を上品にし、トレンドにも左右されないため長く使うことが可能です。
2wayベルベット ファーケープは気軽に羽織れる
2wayベルベット ファーケープは、着物の寸法を気にせず、気軽に羽織る事ができるミドル丈のケープです。
和洋兼用であるため、洋服にも使用ができます。
衿のファーは暖かくボリューミーで、顔周りをすっきりと見せてくれるのも魅力です。
ファーを取り外す事もでき、ゆるやかなカーブのヘチマ衿としても使用すると、女性らしくやわらかな印象になります。
背中にはダーツが入っており、和装時の帯のふくらみを自然で美しいラインに見せる事が可能です。
袖の位置がずれないようにボタンが付いているため、ケープのずれや袖のはみ出しを防いでくれます。
ちりめん セミロング 道行コートは安心して使える
ちりめん セミロング 道行コートは、フォーマルなシーンで着用できる、防寒及び汚れ防止用の和装道行コートです。
素材はポリエステル100%のちりめんで、生地・縫製共に日本製であるため安心して使用できます。
4色展開であるため、自分の着物に合わせる事ができます。
着物用の上着についてのまとめ
- 着物用上着の種類は、羽織、和装コート、ポンチョ、レインコートがあり、様々な特徴があります。防寒性や雨から着物を守るもの、正装用やカジュアルに使用できる特徴を理解し、使用目的に合った種類を選ぶ事が大切です。
- 上着選びはシーンによって種類を選ぶ事が大切です。カジュアルではどんな種類でもよいですが、フォーマルでは道行を選ぶとよいでしょう。また羽織は紋つけることで格が上がり、セミフォーマルで使用できます。
- 着物のテイストと合わせて上着を選ぶと、コーディネートに統一感が出ておしゃれを演出できます。コーディネートに迷ったり、わからない場合はテイストを合わせる事がおすすめです。