アンティーク時計というとかっこいいイメージがあり、憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか。実際、身だしなみにこだわる大人の男性はアンティーク時計を持っていることが多いです。
しかし、価格やケアの面でアンティーク時計にはかなり敷居が高い印象を持っている方も多いはずです。実のところ、アンティーク時計は皆さんが想像しているものよりも、かなり敷居の低いものです。
この記事ではアンティーク時計の基礎知識やおすすめのブランドをご紹介します。
目次
そもそもアンティーク時計とはどんなものか
まず、ノウハウ・初心者向けの情報をご紹介いたします。商品の紹介を先に知りたい方はこちらをクリックしてください。
アンティークというと、家具やジュエリーなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
一般的にアンティークは作られてから100年以上経過したもののことをさします。一方、腕時計は発明されてから歴史が浅いため、腕時計におけるアンティークは1970年以前に作られたもののことをさします。
現在ではもう少し新しいものであってもアンティーク時計と呼ぶことがあります。
つまり、アンティークの定義は厳密なものではありません。服など他のジャンルでヴィンテージと呼ばれるくらいの古さであれば、アンティーク時計と呼んで差し支えありません。
アンティーク時計の魅力とは
一点ものの希少性がある
男性はこだわりの一点ものを好む方が多いのではないでしょうか。自分なりにこだわってつけている時計が他の人と被ってしまうと少し恥ずかしいですよね。
また、時計を購入する際も、通常の時計の場合は周りにその時計を持っている人がいないか、入念なリサーチをする必要があります。一方、アンティーク時計はほとんど一点ものと呼んでもいい希少性があります。
人と被ることは滅多にないため、安心して気に入った時計を購入できます。さらに、アンティーク時計は中古品ですので、ベルト革などにそれぞれ独特の味が出てきています。
どのような使い方・手入れをするかによって、変色の具合は異なります。この点からもアンティーク時計はまさに一点ものであるといえます。
アンティーク時計は自分だけの時計を持ちたいという方におすすめできます。
手に入れやすい価格
アンティーク時計というと非常に高価なのではないかと考える方も多いと思います。確かに、アンティークの家具やジュエリーというとかなりの高値で取引されていますよね。
ところが、アンティーク時計に関しては非常に高価、ということはありません。それは、アンティーク時計の多くにプレミアがついていないからです。
現在では入手することが困難な時計であっても、多くの場合、お手頃な価格で入手できます。
例えば、60年代SEIKOキングセイコー1stは10万円前後、GMTマスター【16750】は60万円前後です。最新のGMTマスターだと100万円以上するので、お買い得なのが、ひと目でわかりますね。
このように、アンティーク時計は一生に一度の大きな買い物というわけではありません。2本目、3本目の時計を考えるにあたっては、手軽に入手可能なアンティーク時計を視野に入れてみるのもよいですね。
独特な造りをしている
アンティーク時計は現在生産されている時計と異なる造りになっています。
特に、男性の場合は時計の小ささに驚くのではないでしょうか。現在のスタンダードなサイズに比べ、アンティーク時計のサイズは一回り小さくなっています。
時計のサイズは好みが分かれますが、アンティーク時計のサイズ感は珍しいので、アンティーク時計をつけていれば時計に詳しくない人からも注目されることは間違いありません。
また、小さめであるがゆえに、腕へのフィット感が高くなっているのも特徴です。海外ブランドの時計を好んでつけている方ですと、現在の時計は大きすぎて腕にフィットしないと感じることもあると思います。
サイズの面で、日本人の腕にはアンティーク時計が非常によく合うといえます。サイズ以外の面では、アンティーク時計にはムーブメントに特徴があります。
アンティーク時計には現在見かけることの少ない、ロービートムーブメントが採用されていることが多いです。
ロービートムーブメントは1秒間に時計内部のテンプが6振動くらいするもので、通常に比べてテンプの振動数が少なくなっています。ロービートムーブメントは現在の主流であるハイビートムーブメントとは逆の、正確性は劣るが耐久性に優れる、という特徴があります。
つまり、ロービートムーブメントのアンティーク時計とは末永く付き合っていくことができます。
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アンティーク時計のおすすめブランド
アンティーク時計のおすすめブランドを紹介していきます。
セイコー
セイコーは近年アンティーク時計業界で人気が高まっているブランドです。
アンティーク時計の中でも比較的低価格で入手しやすいため、アンティーク時計入門として最適なブランドです。また、セイコーは日本のブランドであるため、時計に不調が出た場合でも修理しやすいといえます。
また、VFAという名のつくシリーズは機械式時計でありながら、非常に高い精度を誇っているため、アンティーク時計であっても実用性を重視したい、という方におすすめできます。
オメガ
オメガはアンティーク時計の中でも特に人気のブランドです。現在でも品質の良い状態で出回っている商品が多いため、時計に詳しくない方でも比較的安心して購入できます。
オメガのアンティークはアンティーク時計といっても、ビジネスシーンでもプライベートシーンでも使いやすい、個性が強すぎないデザインのものが多いのも特徴です。
また、オメガはアンティーク以外でも人気のブランドであることから、オメガの新品を購入するとかなりの確率で他人と被ってしまいます。
オメガでありながら他人との被りを防げるという点でも、アンティークのオメガは優れているといえます。
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ロレックス
ロレックスも老若男女問わず支持されている時計であり、通常の商品は他人と被りやすいといえます。
そのため、現在のものとは違ったデザインのアンティークロレックスで周りとの差別化を図るというのは賢い戦略です。また、アンティークロレックスのバブルバックは愛好家から人気を集めています。
バブルバックというのは、完全防水の時計を開発する過程で登場したものです。時計の正式名称は現在も大人気のオイスターパーペチュアルで、バブルバックというのは裏蓋が泡のように膨らんだデザインであることから付けられた愛称です。
裏蓋の膨らみにより、付けた時にフィット感が良いと人気があります。表面のデザイン自体も、現在のものと違って可愛らしい感じがする時計です。
バブルバックのロレックスを付けていると、他人と被らないというメリットがあるだけではなく、時計マニアからも一目置かれるのではないでしょうか。
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アンティーク時計の取り扱いにおける注意点
水に注意
アンティーク時計は水に弱いため、水に近づく際には外す必要があります。
アンティーク時計は防水機能付きではないケースが多いですし、防水機能付きとして作られた商品であっても、長い年月の間に防水機能は退化したと考えるのが無難です。現在ほどの防水技術はなかった時代に作られた時計だからです。
アンティーク時計が少しでも水に触れれば水は内部に到達したと考えられます。
アンティーク時計は通常の時計以上にサビに警戒する必要がありますので、水に触れる可能性がある時には時計を外す習慣をつけましょう。軽い雨程度であっても用心した方がよいでしょう。
アンティーク時計が濡れてしまったときは、目に見える故障が生じていない場合であっても、すぐに購入店等に相談するようにしましょう。
サビは少しずつ進行していきますので、早めの対処が肝心だといえます。
通常の時計よりも更に丁寧な取り扱いが必要
通常の時計も精密機械ですが、アンティーク時計は通常の時計以上に取り扱いに注意する必要があります。
アンティーク時計は製造から月日が経過しているため、通常の時計以上に衝撃に弱くなっています。物にもよりますが、内部構造の複雑さもアンティーク時計の脆さの一因となっていると考えられます。
どの程度衝撃に弱いのかというと、ゴルフなど直接時計に物が当たるわけではないケースでも時計に衝撃を与えてしまう可能性が高いというほどです。
拍手程度の衝撃でも故障の危険があるため、アンティーク時計を身につけている時には慎重に行動するようにしましょう。
磁気に注意
アンティーク時計は現在の時計以上に磁気に弱い造りになっています。
現在の時計にはある程度磁気対策が行われていることがほとんどですが、アンティーク時計にはそのような工夫は行われていません。
アンティーク時計が磁気を受けると時計内部のヒゲゼンマイが狂ってしまいます。そのことにより、時計が大きくずれたり、動かなくなったりする可能性があります。
身の回りの注意すべき磁気発生源、というとあまりイメージできないかもしれませんが、携帯電話、電子機器、開閉に磁石を使うバッグや小物などは磁気を発しており、アンティーク時計に影響を与える可能性があります。
これらのものを使用する際にはアンティーク時計から30cm以上離して利用すると安心です。
アンティーク時計が磁気を帯びてしまった場合、磁気抜きという作業により、修理を行えることがあります。困った時には購入店等に相談してみましょう。
時計と磁気は切っても切れない関係なため、時計を使用する際には磁気にも気を配りましょう。
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アンティーク時計に関するまとめ
- アンティーク時計にはデザイン面や一点ものという面でも価格面でも魅力がある
- さらに、数多くの有名ブランドのアンティークが存在し、ブランドごとに特徴があるため、自分の好みに合わせて選択できる
- アンティーク時計を持つ上で、水・衝撃・磁気に注意するという留意点はあるが、精密機械を扱うと考えれば当然のことで、特別の負担が発生するというわけではない
- アンティーク時計に愛着が湧いてくれば、自然にアンティーク時計を大切にした振る舞いが身につく
アンティーク時計に少しでも興味を持った方は、ぜひこの機会にアンティーク時計を手に入れてみて下さいね。