機械式時計の価格帯は非常に広く、どんな違いがあって、どれを選んだらいいのか分かりづらくなっています。
ここでは、基礎知識である機械式時計の種類、選ぶ際のポイント、機械式時計に向かない人、価格別のおすすめを解説しています。
最後までしっかりと読めば、最終的には自分に合った機械式時計を見つけられるでしょう。
目次
機械式時計とは
機械式時計はゼンマイを動力源として動く時計です。
機械式時計には、動力源であるゼンマイを巻く機構が、「手巻き式」と「自動巻き」の主に2種類に分けられます。それぞれの特徴を簡単に見ていきましょう。
手巻き式とは
手巻き式は、竜頭を自分の手で回すことによって、ゼンマイを巻く仕組みです。
自動巻きに比べて部品数が少ないので、時計の厚みを薄くすることが可能です。自動巻きが採用できない懐中時計などに使われます。
最低でも数日に1回は巻く必要があるので、面倒に感じるかもしれませんが、「手間がかかること」を楽しめるのは手巻きだけです。
手巻きの腕時計にはいくつか注意点があるため、使用する際には注意しましょう。
手巻きの腕時計を使用する際の注意点とおすすめのブランドを解説
自動巻き式とは
自動巻き式は、ローター機構によって、腕の動きなどで自動的にゼンマイが巻かれる仕組みです。
身に着けていれば、常にゼンマイが巻かれるので止まりづらく、現在の機械式時計の主流になっています。
手巻き式よりも複雑な機構になるので、部品数が増えてしまい維持費が高い傾向にあります。
自動巻き式のおすすめの時計を以下では紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
腕時計の自動巻きおすすめの紹介 自動巻き時計の基礎知識解説
機械式時計を選ぶ上でのポイント
機械式時計は何年、何十年と毎日使うものなので、自分に合ったものを選ぶ必要があります。今回は長く愛用するために重要な「機能面」に注目して紹介します。
初めて機械式時計を購入する場合には、以下の3つの条件を満たしたものがよいでしょう。
・値段
・防水性能
ゼンマイを巻く手順が非常に繊細で壊してしまう可能性のある手巻き式を避け、腕に着けていれば止まることがない自動巻き式が手軽です。
機械式時計の価格帯は非常に広く、安いものなら1万円未満ですが、100万円を超える物も多数存在します。電池で動くクオーツ式に比べ機械式は繊細なので、壊れても修理に出せる価格帯にして抑えることが重要です。
また、日本よりも湿度が低い欧州製の非防水モデルは、湿度が高い日本には向きません。高温多湿の夏場は、湿度調整された保管庫から出さないという時計愛好家もいるくらいです。
ダイバーズウォッチほど高い防水性能は必要ありませんが、最低限の防水性能をもった時計を選んでおくことで、不要なリスクを排除しましょう。
機械式時計のデメリットと機械式時計が向いていない人
内部機構の美しさが特徴の機械式時計は、遊び心と探究心を持った人々に愛されています。
しかし、複雑な機構ゆえに向かない人も存在します。
維持コストがかかる
機械式時計は、100以上の部品によって動いているので、金属部品が劣化・摩耗します。
大切に注意して扱っても、3年に1回はオーバーホールが必要だといわれています。もちろん、専門的な知識を持つ職人に頼む必要があるので、修繕費という意味で維持コストがかかってしまいます。
電波で時間を合わせるわけではないので精度が悪い
電波時計は1日に数回電波を受信し、その度にズレを修正しますが、機械式は修正する機構がありません。
ズレにくいと言われる高価な機械式時計でも、1日に数秒~数十秒のズレが出てしまいます。クオーツ式は1月に数秒~数十秒で済むので、機械式時計の精度はあまりよくないといえるでしょう。
ゼンマイが2日程度で切れてしまうため、大雑把な人には向かない
動力源であるゼンマイは、限界まで巻いても2日程度しか保ちません。
手巻き式なら毎日巻かないといけませんし、自動巻き式でも2日に1度は腕に付けないと止まってしまいます。
ゼンマイを巻くのは面倒だけど、機械式時計が欲しい人は「ワインディングマシーン」を使うのがよいでしょう。コンセントを挿してスイッチを入れるだけで、モーターによって時計を回し、ゼンマイを自動的に巻いてくれるので、大雑把な人でもOKです。
機械式時計の価格別おすすめ
どれだけ良い時計であっても買えなくては意味がありません。
ここでは価格別におすすめを紹介しているので、自分に合った一本を探してみましょう。
1万円台の機械式時計
国内での販売が一切無い海外向けモデルなので、存在を知らない人も多いでしょう。1万円未満で買える高精度な機械式は他に無く、東南アジアなどでは圧倒的なシェアを誇ります。
また、値段が安いので盤面の色やデザイン違いを複数本所有する愛好家も多く存在します。バンドを替えてオリジナルの見た目を目指すことも可能です。
初めての機械式時計におすすめの一本です。機械式時計の楽しさを知りましょう。
5万円以内の機械式時計
ジャズマスターはアメリカ発祥の時計メーカー「ハミルトン」の人気機種です。ケース径も37ミリと比較的小ぶりなので、アメリカンサイズではない日本人にもマッチするでしょう。
時計の裏から内部機構が見える「バックスケルトン機構」は男心をくすぐりますね。5気圧防水という、最低限の防水を備えているのも見逃せません。
「黒革・白無地盤・三針時計」というビジネス向けの三要素を備えた、社会人1年目にピッタリの一本です。
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10万円以内の機械式時計
この時計は「自動巻き」と「手巻き」の両方の機能を備えているので、デスクワーク主体で自動巻きだと止まってしまう人にもピッタリです。
また、ゼンマイの緩さを示すパワーリザーブ表示があるので、巻きすぎて壊してしまうという危険性が低くなっています。初めての手巻き式でも安心して使用できるでしょう。
41ミリというケース径は適度な主張があり、高級時計という風格を漂わせます。カジュアルな装いなら時計が主役、ビシっと固めたスーツスタイルなら引き立て役、場面に合った使い方が出来る一本です。
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10万円代で買える腕時計の選び方 おすすめのブランドと代表モデル
30万円以内の機械式時計
10万円を超えると一気に選択肢が増え、ついに高級腕時計として有名なオメガにも手が届きます。
シーマスターはスピードマスターと並ぶオメガの看板機種で、高級スポーツウォッチとして非常に高い人気を誇ります。海を連想させるブルーはスーツスタイルにもマッチします。
大企業の部長など目上の人との商談の際には、安いスーツや腕時計を身に着けていては失礼になります。20代の若手であれば問題になりませんが、30歳以上の中堅にはある程度の身だしなみが重要です。
ダイバーズウォッチ特有の若々しさで、フレッシュな印象を与えられる一本です。
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50万円以内の機械式時計
グランドセイコーは日本が誇る時計メーカー「SEIKO」が手掛ける高級時計ブランドです。時計に詳しくない人には普通の腕時計にしか見えませんが、分かる人にはひと目で価値が伝わります。
ロレックス、オメガ、フランクミュラーなど誰でも知っているような高級ブランドではなく、あえて国産メーカーにこだわってみるのもよいかもしれません。
堅実な印象を与える一本なので、重役クラスとの会合や商談にピッタリです。
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100万円以内の機械式時計
誰もが知っている、高級腕時計の代名詞「ロレックス」。数あるラインナップの中でも幅広い年代から支持を集めるのが「サブマリーナデイト」です。
1953年に登場してから常に人気があり、ダイアルや盤面の色によって「緑サブ」「黒サブ」「赤サブ」という愛称で呼ばれています。
数年経って相場が上がることもあるロレックスは、不動産と同じく「資産」になります。
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機械式腕時計のおすすめに関するまとめ
- 機械式時計は、「自分に合っているか」を最優先に選ぶ
- 機械式時計の経験が無いのに難易度の高い手巻き式に挑戦したり、収入に見合っていないほど高額なブランド時計を購入するのはおすすめできない
- 機械式時計が自分に向いているかを購入前によく考える
- 自分に合った機能を有しているものかを見分ける
- 価格帯は自分の収入に見合っているかを考える
時計単体を見るのではなく、自分が着けている姿を想像して選ぶと失敗しにくいでしょう。