ふっと夜空を見上げた時に、星が綺麗でスマホなどで写真を撮ろうと思うことがあるでしょう。星の撮影は、スマホや一般的なデジカメでは難しいでしょう。

ここでは、星の撮影に向くカメラについて、星の撮影のコツ、用意するものなどをご紹介します。

綺麗な星を記憶だけでなく、写真に残せるようになります。

星の撮影には一眼レフが一番

星の撮影には、一眼レフカメラが向いています。その理由は、イメージセンサーのサイズにあります。

一般的には一眼レフカメラはサイズの大きいイメージセンサーを搭載しており、センサーが大きいほど高感度なので、暗い星も綺麗に撮ることができます。

フルサイズ、もしくはAPS-Cサイズのセンサーがおすすめです。今の高性能なミラーレス一眼や高級デジカメでも、一眼レフカメラ並みのイメージセンサーを搭載しているものもあります。

また、パナソニックとオリンパスが採用しているマイクロフォーサーズは、センサーのサイズはそう大きくはないですが、新しい機種なら綺麗に星を撮影できるでしょう。

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レンズは広角か標準レンズがよい

星の撮影には、特別な装備が必要なイメージですが、キットのズームレンズでも十分に撮影できます。

広角18mmくらいのレンズがあればいいでしょう。F値が3.5以下に設定できるレンズが、星の撮影に向いています。

遠くの星を撮影するので、望遠レンズを選びたくなるところですが、望遠だと手ブレがひどくなりますし、広い空を星と一緒に撮影できなくなってしまいます。

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星の撮影のコツ

綺麗に星を撮影するためには、カメラの技術以前に晴れていて、月の光が少ない日、他の光がなく空気が澄んだところを選ぶのがいいでしょう。

月が明かる日の星の撮影では、月の光に星が負けてしまいます。月の光が弱いのは、新月の時です。新月の前後1週間くらいなら、星の撮影にいいでしょう。

空気の澄んでいるところとは、空気が綺麗かどうかだけではありません。夏は湿気で空気がかすんでいることが多いでしょう。ですから、特に夏には、高いところで撮影するのがおすすめです。

星の撮影自体はコツさえつかめば、意外と簡単にできます。

星が暗くてオートフォーカスは使えないのが、星の撮影の特徴です。

マニュアルに切り替え、ピント合わせをしてしていきます。カメラの設定とピント合わせは、最初は難しく感じるでしょう。家の周りやベランダなどで練習をして慣れていきましょう。

星の撮影ではカメラのISO感度は高めがよい

ISOは、800の設定にしてみましょう。ノイズが入るようであれば、1600程度まで小刻みに調整していきましょう。

星の撮影ではシャッタースピードは遅めがよい

シャッタースピードは30秒がおすすめです。だいたい15~30秒なら、星を綺麗に撮影できるでしょう。

綺麗さにこだわるなら30秒がおすすめですが、シャッタースピードを30秒まで遅くできないカメラもあります。

その時にはレリーズのバルブ撮影という、好きな秒数シャッターを開けることができる機能を活用しましょう。

星の撮影ではF値は一番小さくする

F値は、一番小さい状態、つまり開放にしておくのがいいでしょう。

F値が大きいと絞りを大きく開いていることになります。暗いところの撮影でも、より多くの光を取り込むことができるように開放にします。

あとはピントを合わせながら、設定数値を調整しましょう

星の撮影ではピントを無限遠にして合わせていく

星の撮影でのピント合わせでは、無限遠に回し切ったところから、少しずつ戻してピントを合わせていくといいでしょう。

リングを回し切った時には、無限遠を超えた状態にあります。少しリングを戻したところが、無限遠になると考えて、ピント合わせを始めるのが正解です。

明るい星にピントを合わせたほうが、合っているのか判断しやすくなります。

普段、リングを動かしたことがないなら、無限遠側はどちらの方向に回すのか、事前に確認しておきましょう。メーカーによって、無限遠の回す方向が違うので注意しておきましょう。

ピントが決まったら、リングが動かないようにテープなどで固定しておくと、カメラの扱いに神経質になる必要がなくなります。

リングが動いてしまうと、何度もピント合わせをしなければいけなくなるので、テープで固定するのが無難です。

星の撮影に用意するもの

星の撮影では、暗いところで星という少しずつ動くものを撮影しますし、いつもと撮影の環境が違うので、カメラ以外にも必要なものがいくつかあります。

撮影者本人は、十分に暖かい恰好をしていきましょう。どんな季節でも、夜あまり動かない撮影では寒く感じることが多いです。また、撮影をしに行く場合には、いろいろな持ち物があります。

三脚やレリーズはもちろん、忘れやすい星の撮影に必要なものをご紹介します。

星の撮影には天体観測用ライトがよい

場所によっては、星を撮影する時には真っ暗なこともあります。

一番便利なのは、両手があくヘッドライトでしょう。ただし、ヘッドライトの明かりは、他の人のカメラには光害になりやすいライトです。

周囲に人がいることが考えられる場所なら、ライトの使い方にも配慮しましょう。

天体撮影や観測でメジャーなのは、低照度で赤色系のライトです。

専用のものが販売されているので、それを用意するのもいいでしょう。

周りへの光害を最低限に抑えられます。もしくはわざわざ買わなくても、ライトを100円ショップなどで売っている赤いセロファンでカバーする方法もあります。

ライトはバッテリー切れや紛失などを考えて、タイプが違うものでもいいので2つ以上持っていくのがおすすめです。

星の撮影にレンズヒーターを持っていくとよい

星が綺麗な季節は一般的には寒いでしょう。

また、高いところ、山や高地の夜が冷え込むことがあります。

真冬には、凍結や霜を防ぐために使うレンズヒーターは、夏には結露でレンズが曇るのを防止してくれます。

特に山や高地での撮影には、季節に関係なく用意しておきことをおすすめします。曇りのない綺麗な星を撮影するのに、バッテリーと一緒に持っていくのがいいでしょう。

星の撮影にはコンパスを持っていく

撮りたい星がはっきりしているなら、方角を確かめることができるコンパスがあると便利です。

スマホにもコンパスはついていますが、山の中などではGPSの入りが悪かったり、電波がなくスマホのバッテリーが急に減ったりして、安心してコンパスを使えないこともあります。

おすすめは、赤いLEDライトがついたコンパスです。

どうしても撮りたい星があるなら、1000円ほどで買えるものもあるので、用意しておきましょう。

星の撮影についてのまとめ

  • 星の撮影には、イメージセンサーのサイズが大きい一眼レフカメラが向いています。星の撮影は、フルサイズ、もしくはAPS-Cサイズのセンサーがいいでしょう。レンズは広角か標準レンズでいいので、キットのズームレンズでも十分に撮影できます。望遠レンズは手ブレがしやすく、広い範囲の空や星を撮影しにくいのでおすすめできません。
  • 星の撮影には、撮影技術以前に、最適な日や場所を選ぶのがいいでしょう。普通の天気予報ではわからない天気の情報がチェックできるサイトを利用して、雲の量まで知ることができます。月の光は、星の撮影には邪魔になることもあります。新月の前後1週間くらいを、国立天文台のHPなどで調べるのがいいでしょう。夏には湿度が高くなるので、高いところで撮影するのがおすすめです。
  • 星は小さな輝きなので、オートフォーカスではピントを合わせられないでしょう。マニュアルにして、カメラを設定します。カメラのISO感度高めの800に設定して。ノイズが入るようであれば、1600程度まで調整していきましょう。
  • シャッタースピードは遅めの30秒がおすすめです。シャッタースピードを30秒まで遅くできないカメラなら、レリーズのバルブ撮影を活用しましょう。F値は、一番小さい状態、つまり開放にします。
  • ピント合わせでは、無限遠に回し切ったところから、少しずつ戻してピントを合わせていくといいでしょう。明るい星に合わせるのが、調整しやすいです。リングを無限遠に合わせるには、回す方向がメーカーによって違うので注意しましょう。
  • 三脚やレリーズはもちろん、星の撮影に用意するものが他にあります。低照度で赤色系の天体観測用ライト、もしくは普通のライトに赤いセロファンをかぶせたものを2つ以上用意しましょう。
  • 夏には結露でレンズが曇るのを防止してくれる、レンズヒーターも用意するのがおすすめです。方角を知るために、赤いLEDライトがついたコンパスもあるといいでしょう。1000円ほどで購入できます。