ビジネスパーソンの身だしなみは、第一印象を左右するだけでなく、社会的ステータスも表現しています。ビジネス向きの腕時計は、ステータスやシーン、ファッションに合わせたものがいいとわかっていても、選び方に迷う人も多いでしょう。
ここでは、ビジネス向け腕時計の選び方の基本、スーツや体型に合わせた腕時計の選び方、ビジネス向けのおすすめの腕時計ブランドなどをご紹介し、自分に合ったビジネスの腕時計が、どんなものかわかります。
目次
ビジネス向けの腕時計の選び方
ビジネス向けの腕時計は、業種によって、デザイン性の高いおしゃれなものから革ベルトのシンプルなものなどさまざまな腕時計が使われています。女性であれば、ブレスレットタイプの繊細な腕時計を選ぶ人もいるでしょう。
ビジネス向けの腕時計の選び方で一番大切なのは、男性でも女性でも、職場で浮かない、顧客に違和感を与えないような腕時計にすることでしょう。
今ではさほど言われませんが、ビジネス向けの腕時計には、選び方の三大原則といわれているものがあります。ご年配方にひと目おかれ、社会人として恥ずかしくない腕時計を解説致します。
年代別やステータス別に以下の記事ではおすすめの腕時計を紹介しています。
男性におすすめの腕時計9選 価格やステータスと合わせて年代別に紹介
黒革・白無地盤・三針時計が基本とされる
三大原則といわれているビジネス向き腕時計は、黒革のベルトが基本とされています。さらに、白文字盤で秒針もある三針の腕時計が、原則といわれています。
原則とはされていますが、実は、根拠や理由がはっきりしていないのも事実です。一般的には、欧米のフォーマルドレスウォッチは、黒革・白文字盤・二針がマナーであることからきているとされています。パーティーなどのフォーマルな場では、時間を気にしていないという意味で、二針だとされています。
さらにビジネスパーソンには、秒まで気にする時間の正確さや、時間を大切にする心がけが必要です。ですから、フォーマルドレスウォッチのマナーに、秒針がある時計=三針とされているというのが、ビジネス向き腕時計の選び方の一般的な解釈とされています。
しかし、実際のところはビジネスの三大原則は、男性・女性とも、そう関係なくなりつつあります。今では、ほとんどの業界でメタルベルトの腕時計をしている人をみかけます。ただ、一部の業界を除き、デジタルやゴムなどのベルトの腕時計は、まだまだ敬遠されがちでしょう。
文字盤の色は、就活でも白、黒、青はOKとされています。白は見やすく、黒はおしゃれな雰囲気、青はフレッシュさを感じられる文字盤の色でしょう。
腕時計の数字は、ビジネス向けなら、本来の時間を知るという腕時計の機能を考えて、数字やバーではっきり読みやすいものがおすすめです。飾り文字の数字や無地のものは読みにくいですし、デザイン性が高すぎてビジネス向きとは言えないでしょう。
あらためて考えると、ビジネス向けの腕時計選びでは、気にするべきことが多すぎると思う人もいるはずです。ここにあげたことは、あくまでも基本です。ビジネスシーンの腕時計は、最初にも述べたように、職場の雰囲気や顧客に不快感を与えないなど、周りやシーンに合わせるのがいいでしょう。
ただし、幅広い年代の顧客と接する接客業や営業職では、できれば三大原則を守るのがベターです。
また、価格帯も控えめな腕時計をするのがいいでしょう。顧客よりもいい腕時計をしていると、気分を害される方もいます。高級ホテルや航空会社の中には、目安として腕時計は1万5千円までとしているところもあります。
一般的には、20代は5万円ほどまで、30代では10万円ほどまでというのが目安です。40代以上は、30代よりもいいもので、収入=社会的ステータスに合わせたものを選ぶのがいいでしょう。
20・30代におすすめの腕時計については以下の記事も参考にしてみてください。
メンズ用腕時計のおしゃれなモデルの選び方を20代・30代別に解説
スーツに合う腕時計の選び方
ある程度自由な身だしなみが許される職場なら、いつも着るスーツに合わせて腕時計を選ぶのがいいでしょう。どんなポイントを意識すべきでしょうか?
スーツに合う時計の厚さを以下の記事では紹介しています。
体形・洋服ごとにオススメの腕時計の厚さとモデル スーツに合う厚さ
スーツとの価格レベル 腕時計だけが高すぎないようにしよう
例えば、数万円のリクルートスーツに数百万円の腕時計を合わせると、腕時計だけ目立ってしまいます。逆に数十万円のスーツに1万円ほどの腕時計をしているのも、違和感を覚える人もいるでしょう。私服であれば気にならないこともありますが、ビジネススーツなら、腕時計は価格レベルを合わせたものにするのが無難です。
先にあげた20代、30代のビジネス向け腕時計の価格の目安は、スーツとの価格レベルが同じになることも想定してされています。
靴・ベルト・腕時計の色 色を合わせるのがおしゃれ
基本的には、靴・ベルト・腕時計のベルトの色を合わせるのがビジネス向けのおしゃれといえ、違和感を感じさせません。
迷ったときには、基本を参考にしましょう。腕時計の革ベルトは、同じ黒でも型押しが施されたもの、マットなもの、若干のつやがあるものなど質感が異なるものがあります。それも意識して、好みのものを選ぶのがおすすめです。
ただ、今では靴とベルトをあえて合わせないおしゃれを楽しむビジネスマンも多いので、先輩や周りのおしゃれなビジネスマンを参考にしてみるといいでしょう。
体形に合う腕時計の選び方
腕時計のメインの文字盤のところを、ケースといいます。腕時計は、ケースの形で印象が大きく違います。
ラウンドケース
もっとも一般的な丸い形のケースは、体の大きい人に向いているといわれています。メンズビジネススーツには、直径35~37mmほどのラウンドケースがいいでしょう。華奢な人は、もう少し小さめのケースの方が似合います。
ビジネス向けの初めての腕時計なら、まずはラウンドケースで体型に合わせた直径のものを選ぶのが無難でしょう。選べる腕時計の種類も、豊富にあります。
レクタンギュラーケース
レクタンギュラーとは、長方形のケースのことを指します。細身な人に良く似合うケースです。
細くて華奢な人には、メタルバンドよりも革バンドのほうが、なじみがいいでしょう。
スクエアケース
個性的なスクエアの真四角なケースは、筋肉質な人におすすめの形です。
つけている人が少ないケースの形でもあるので、個性的でおしゃれにみえます。
ケースの厚みや大きさも、体型に合わせたものがいいでしょう。
華奢な人が大きくて厚みのあるケースの腕時計をしていると、腕時計だけ浮いて見えます。見やすさを追求して大きめのケースにするなら、薄いものを選ぶだけでもだいぶ印象が違います。あまりにも厚さのあるケースは、ビジネスシーンでは腕時計の印象が強くなってしまう可能性があります。
女性のビジネス向けの腕時計では、小さめのケースは女性らしく見えます。小さめのケースの腕時計は、ベルトの長さに配慮しましょう。あまりにも長いとブレスレットのような印象になり、ビジネスシーンによっては、浮いてしまうことがあります。業種によっては、腕時計全体の輝き方にも配慮が必要です。人目に立ってプレゼンを行う時などライトがあたる時には、女性用の腕時計は輝きが悪目立ちするでしょう。
ビジネスにおすすめの腕時計ブランド5選
ビジネス腕時計におすすめのブランドと、ビジネスでも一般的になっているメタルベルトのモデルも含めて、代表的なモデルもご紹介します。
30代以上のビジネスマンは、TPOに合わせたビジネス向け腕時計をタイプの違うものを何本か持っているのをおすすめします。普段使い用、正装用、ビジネスの大切な場面用など分けて腕時計があると便利です。低価格な若年層向けから、中高年層におすすめの高級時計ブランドの順でご紹介します。
スカーゲン 20代が特におすすめ
シンプルなデザインだけでなく、手に取ると薄さと軽さに驚く北欧デザインの腕時計は、デンマークのスカーゲンというブランドの一品です。ビジネスでも使えるシンプルさの中に、センスを感じられる腕時計です。価格帯が1万円台から3万円台と、低価格なのもおすすめの理由のひとつです。
また、ブランドの特徴のひとつとして、スチールメタルメッシュのバンドがあります。メタルでありながら控えめな印象を与えられて、しかも価格も1万円から3万円代と、新社会人にもおすすめできます。
スカーゲンのシグニチャーデザインともいえる、繊細な目のメッシュベルトとフレッシュな印象の青の文字盤の腕時計は、低価格で新社会人にもおすすめです。直径36mmのケースは、スーツにも合わせやすいサイズです。ケースが薄く、全体的にも繊細なイメージなので、華奢な人にもおすすめです。
女性のビジネス向けの腕時計でも、メッシュベルトをおすすめします。レディースビジネススーツにも合う36mmケースで、肌なじみのいいピンクゴールドはメタルでも輝きは抑え気味です。メッシュベルトは他のカラーの交換用ベルトもあり、自分で簡単に交換できるようになっています。シーンや気分に合わせて、交換するのもいいでしょう。
価格が1万円~3万円代
メタルでありながら控えめな印象を与えられて、新社会人にもおすすめ!
セイコー 20代が特におすすめ
日本三大ブランドのひとつでもあり、安心の国産ブランドでもあるセイコーは、世界初のクオーツ式腕時計を発表したブランドです。ビジネス向け腕時計の三大原則を満たし、低価格で質のいい時計として就活生にも人気です。就活生や20代のビジネスマンには、1万円~5万円くらいのモデルをおすすめします。
それ以上の年代には、グランドセイコーのようなラクジュアリーラインもいいでしょう。正確にいうと、グランドセイコーは2017年からセイコーとは切り離したブランド展開になり、セイコーの高級ラインはクレドールで最高級モデルは5,000万円もあります。セイコーは、他の腕時計ブランドと比べて、種類が豊富で価格帯もかなりばらつきがあります。ビジネス向き腕時計という視点でいえば、平均的な価格帯は、1万円から50万円ほどといえるでしょう。
セイコーからおすすめのモデルは、プレサージュです。ラインの中から、20代のビジネスマンにも似合うモデルです。セイコーは、値段以上の質とデザインのよさが高評価なブランドですが、その中でも、価格と質のバランスがひかる、ビジネス向きの腕時計の一品です。
女性のビジネス向け腕時計で、三大原則を満たすものは意外と探しにくいでしょう。老舗のブランドでは、端正なビジネスの基本の腕時計もあります。1万5千円ほどの価格には見えないクオリティーのこの腕時計は、シーンを選ばずに長く使えるでしょう。
価格が1万円~50万円代
業種やシーンに合わせて、値段以上の質とデザインの嫌味のないビジネス腕時計が選べる!
ハミルトン 20代におすすめ
リーズナブルなのにデザインがいいと人気のハミルトンは、もともとはアメリカのブランドです。アメリカンスピリッツを感じるデザインと、3万円ほどから20万円以下という手ごろな価格帯ということで有名でしょう。
しかしそれ以上に注目したいのは、ムーブメントはスイス製で、高級腕時計ブランドのフランクミューラーなどにも採用されているETA社のものを採用していることです。
正確性からアメリカの鉄道会社で運行を支えたハミルトンは、のちに軍用ウォッチとしても抜擢され、どんどん広まりました。
映画で印象的だった三角形のケースのモデル「ベンチュラ」は、世界初の電池式腕時計として博物館に展示されています。
ハミルトンには、おしゃれなビジネスマンが日常使いにぴったりという人気のモデルがあります。「カーキフィールド」は、1940年代のミリタリーウォッチがルーツです。
クロスベルトが基本ですが、ビジネスでは革ベルトを選ぶのもいいでしょう。休日用としてなら、クロスベルトもおすすめです。
ハミルトンのレディースラインは、クラシックでエレガントなものが多く揃い、女性ビジネスパーソンにもおすすめしたいブランドです。1936年に発表されたモデルの復刻版は、ケースのデザインが特徴で、レクタンギュラーケースがますますエレガントな雰囲気を演出します。
価格が3万円~20万円代
おしゃれなビジネスパーソンの印象、20代から30代前半におすすめ!
腕時計 HAMILTON(ハミルトン)の歴史と特徴、価格帯の解説
腕時計 HAMILTON(ハミルトン)カーキについての解説
タグホイヤー 30代におすすめ
F1やダイビングなどスポーツのイメージがあるタグホイヤーは、クロノグラフと呼ばれるストップウォッチ機能が高性能で有名になったブランドです。創業当時は懐中時計で有名でしたが、その後クロノグラフの腕時計でも有名になりました。
一時期は人気に陰りが見えていましたが、ここ数年で再びビジネス向きの腕時計としても人気がでてきています。
つけているだけでもおしゃれな雰囲気で、ビジネスでも十分使えるモデルとして、「カレラ」と「アクアレーサー」が人気です。価格帯は、20万円弱から50万円くらいのものが主流です。
F1などのモータースポーツをイメージしたカレラの中から、ビジネス向けの腕時計におすすめなのは、シンプルな「カレラキャリバー5」です。
カレラはレースの意味のスぺイン語からきていて、1964年に誕生、1996年に復刻されたモデルです。カレラ誕生40周年を記念し2004年にデザインを一新し、そこからじわじわと人気がアップし、今ではオメガをしのぐビジネス向けの初めての高級時計ともいわれています。
同じくカレラから、女性ビジネスパーソンにおすすめの一品は、シンプルながら、文字盤がマザー・オブ・パールで文字部分はダイヤモンドと女性らしいデザインです。手作業で仕上げられたもので、愛着がわきます。28mmケースなので、華奢な女性でもぴったりのサイズ感でしょう。スーツにも相性のいいビジネス向けの腕時計です。
価格が20万円~50万円代
ビジネスの身だしなみでもスポーティーな印象に仕上がる、30代以上におすすめ!
腕時計 タグホイヤー アクアレーサーの歴史と特徴、価格帯の解説
IWC 40代以降におすすめ
IWCは、インターナショナル・ウォッチ・カンパニーの頭文字からきているブランド名で、工場はスイスで創業されましたが、創業者はアメリカ人の時計職人でした。高級腕時計ブランドの中でも、シンプルなデザインが愛されるブランドで、ビジネスにもいいでしょう。パイロットウォッチとして、また軍用ウォッチとして採用されてきた信頼の機能性と文字盤の読みやすさも、おすすめの理由です。
ケースがやや大きめなので、体格のいい人には特におすすめです。価格帯は、50万円から200万円台が主流で、ビジネスマンでも40代くらいからの人に特におすすめです。
IWCは、先にご紹介したタグホイヤーのワンランク上の腕時計ブラントともいえます。IWCの中でも、ビジネス向け腕時計として使い勝手がいいのは、ポルトギーゼです。航海用にクロノメーターを搭載したモデルで、IWCのモデルの中でも人気です。黒革ベルトに白文字盤、見やすいアラビア文字の上品な腕時計は、一生使える一品でしょう。
IWCでは、メンズ・レディースの区別がありません。女性向けには、IWCの中でも小さめのケースを選ぶことになります。セレブ女性にも人気なのは、ポートフィノというケースにやや丸みを帯びたデザインのものです。ミッドサイズと言われる37mmケースに、メッシュベルト、黒のクールな文字盤で文字部分はダイヤモンドが施されています。メッシュの方が、革ベルトより柔らかい印象になるでしょう。知的でシンプルなデザインは、女性ビジネスパーソンのスーツにも似合う腕時計です。
価格が50万円~200万円代
シンプルで知的な印象と社会的ステータスを象徴、、一生使える腕時計としてもおすすめ!
ビジネス向け腕時計のまとめ
- ビジネス向けの腕時計の選び方で一番大切なのは、男性でも女性でも、職場で浮かない、顧客に違和感を与えないような腕時計にすることでしょう。今では気にする人が少なくなりつつありますが、ビジネス向け腕時計には、選び方に三大原則といわれるものがあります。「黒革・白無地盤・三針時計」というのが、一般的には原則です。
- 今では、メタルベルトの腕時計をビジネス向けにしている人も多く、文字盤は白・黒・青が基本といわれています。ただ、デジタルやゴム素材のベルトなどは、ビジネスシーンでは敬遠されがちでしょう。接客業や営業職の人には、三大原則といわれるものに沿った腕時計がビジネス用としては、おすすめです。また、ビジネス向きの時計は派手すぎず、価格も高すぎないのを選びましょう。
- いつもスーツ着用で仕事をするビジネスパーソンには、スーツに合わせた腕時計選びをするのもいいでしょう。スーツとの価格レベルを揃え、靴・ベルト・腕時計の色と合わせると、ビジネス向けのおしゃれに仕上がります。
- また、体形に合う腕時計の選びもいいでしょう。ラウンドケースは体格のいい人、レクタンギュラー(長方形)ケースは細身・華奢な人、スクエアケースは筋肉質の人に向いています。男性ビジネスパーソンは、ケースの大きさや厚みにも配慮しましょう。女性ビジネスパーソンの場合には、腕時計のベルトの長さや輝きにも注意しましょう。
- ビジネス向けの腕時計のおすすめブランドは、若年層にはスカーゲンやセイコー、ハミルトン、それ以上の層には社会的なステータスに合わせて、タグホイヤーやIWCがおすすめです。
ワンポイントアドバイス
ビジネス向きの時計は派手すぎず、価格も高すぎないのを選ぶ!