加筆修正箇所
・開放型ヘッドホン選びのポイントに以下の項目を追記いたしました。
接続方法

・おすすめの開放型ヘッドホンの紹介を2020年3月26日の情報に更新いたしました。

ヘッドホンの中でも、抜けるような音で高音の伸びがいいタイプを「開放型ヘッドホン」と言います。

開放型ヘッドホンは「オープン型」や「オープンエアー型」とも呼ばれ、密閉型ヘッドホンとはその構造や特徴が違います。

この記事では開放型ヘッドホンの構造や、密閉型ヘッドホンとの違いをメリットやデメリットと合わせて解説します。

また、開放型ヘッドホンの商品選びのポイントやおすすめ商品の紹介もしますので、参考にして頂ければと思います。

開放型ヘッドホンとは

抜けていくような音質が楽しめるのが開放型ヘッドホンです

ヘッドホンは、大きく分けて「開放型」と「密閉型」の二種類があります。

私たちがヘッドホンで音楽を聴くとき、ドライバーユニットと呼ばれるヘッドホンの音が出ている部分から、「耳方向に流れる内側の音」と「耳とは逆方向に流れる外側の音」を複合させた音が、実際に私たちが聴こえている音になります。

この、「耳とは逆方向に流れる外側の音」の扱いの違いが、「開放型」と「密閉型」の決定的な違いとなります。

密閉型は、外側に流れる音を密閉することによって音の気密性が高くなり、音がこもりやすいなど音質に影響が出てしまう分、遮音性が高いというのが特徴です。

一方開放型は、外側に流れる音を開放することによって音が漏れてしまう分、音の抜け良く、特に高音の伸びがいいのが特徴です。

一般的に、開放型の方が構造的に音質が優れているため、市販されている高音質なハイエンドモデルのほとんどは、開放型ヘッドホンとなっています。

また、密閉型と開放型の丁度中間の特性を持った、「セミオープン型」のヘッドホンもあります。

セミオープン型は密閉型のようにハウジングが耳を覆っていますが、小さい穴が開いています。

この穴が音の逃げ道となり、密閉型の弱点である音のこもりが解消されている反面、密閉型の迫力のある低音や、開放型の自然な音場感は得られにくく、良い意味でも悪い意味でも、密閉型と開放型の中間をとったタイプとなっています。

開放型ヘッドホンのメリット

音質が良い

開放型ヘッドホンは音がこもらないため、特に高音の伸びが良いです。

圧迫感が少なく、自然な音をクリアな音質で楽しむことができます。

また、音が抜けているため広い音場感が出やすく、コンサート会場の客席で音楽を聴いているような感覚が得られます。

その構造から、低音の音質は密閉型より劣ると言われていますが、最近では低音もしっかりと聴こえる製品も増えてきています。

開放型ヘッドホンはハイエンドなモデルが多いため、自宅でデリケートなクラシック音楽を聴く場合や、臨場感が重要な映画鑑賞などに向いています。

軽量である

軽量であるため、長時間の使用に向いています。

開放型ヘッドホンはハウジングと呼ばれる耳をカバーする部分が、メッシュなどで開放されているため、密閉型よりも軽量で蒸れにくく、長時間使用しても疲れにくい事もメリットの1つです。

開放型ヘッドホンのデメリット

遮音性が低い

密閉型と比べ、遮音性は劣ってしまいます。

開放型ヘッドホンはその構造から遮音性が低く、ノイズキャンセリング機能が備わっている製品もほとんどありません。

このため、環境音など外の音を拾い易く、屋外や騒がしい場所での使用には向いていません。

また、音漏れもし易いため混雑した電車内や図書館など、公共の場での使用は音量に注意が必要です。

サイズが大きい

開放型ヘッドホンは大型の製品が多い傾向にあります。

開放型ヘッドホンは軽量ではあるもの、その構造からサイズは大きめの製品が多く、持ち運びにはあまり適していません。

開放型ヘッドホン選びのポイント

音質

自然な音を楽しめる開放型ヘッドホンだけに、やはり音質には拘りたいポイントです。

世界初の開放型ヘッドホンを開発したドイツの「ゼンハイザー」の製品が、信頼・実績共に高くおすすめです。

ハイエンドなモデルが多数発売されており、メーカーとしての知名度だけでなく、購入者の評判も非常に高いメーカーです。

国内のメーカーだと、ソニーやパイオニア、オーディオテクニカの製品が人気です。

装着感

長時間の使用に装着感は重要です。

開放型ヘッドホンは大型の製品が多いため、装着感も重要となります。

装着感は頭の大きさや耳の形など個人差が多いので、ハイエンドな商品を購入の際は、実際に試着してみるのが確実でしょう。

接続方法

ヘッドホンの接続方法には有線接続とワイヤレス接続の2種類があり、それぞれメリットやデメリットが異なります。

有線接続はケーブルを機器と接続する方法で、音質のよい製品に多く、安定した音質を楽しめることが可能です。

ケーブルが煩わしいことや、断線の恐れがある点がデメリットでしょう。

ワイヤレス接続は、赤外線やBluetoothなどを介して接続する方法で、ケーブルが邪魔にならず持ち運びもしやすいでしょう。

しかし、有線接続に比べ、音質が劣化する製品も多いため、音質にこだわりがある方は注意が必要です。

インピーダンス

インピーダンスとは、電流が流れる際の抵抗「オーム(Ω)」のことです。

インピーダンスの数値が大きいほど抵抗が大きくなり、流れる電流が減ります。

流れる電流が減ると再生音量が小さくなり、逆にインピーダンスの数値が小さい場合は電流量が増えて再生音量が大きくなるといった傾向があります。

音質との関連は、製品やパーツ構成によって違うので一概に最適な数値はきめられませんが、高いインピーダンスの製品をアンプに通さずに、直接スマフォなどのポータブル機器に接続した場合に、十分な再生音量が得られないケースがあります。

ポータブル機器で使用する場合は、極端にインピーダンスの高い製品は避けたほうが無難でしょう。

再生周波数帯域

再生周波数帯域とは、そのヘッドホンが再生できる周波数の下限と上限を示したもので、単位はHz(ヘルツ)で表します。

実際の製品には「12~38,500Hz」などと記載されており、基本的には、数値の幅が広いほどレンジの幅広い音が再生でき、下限が低いほど低音を、高いほど高音が出ます。

また、高音が40,000Hz以上に対応しているヘッドホンになると、より広い音を聴くことができる「ハイレゾ対応」として、製品にハイレゾロゴという特別なロゴを入れられるようになります。

おすすめの開放型ヘッドホンの紹介

Audeze LCD-1

Audeze LCD-1は、低インピーダンス設計というものを採用しており、スマホやオーディオ機器への接続はもちろんのこと、オーディオアンプなど、より音楽性の高い機器にも接続が可能です。

250gとヘッドホンの中でも軽量なため、長時間の着用でも疲れを感じることなく使用できるでしょう。

また、モニターヘッドホンとしても利用できるほど、高音から低音まで原曲により忠実な歪みのない音を再生してくれます。

持ち運ぶ際は折りたたむこともできるため、外出時にも持ち出しやすいでしょう。

ゼンハイザー HD 599 SE

ゼンハイザー HD 599 SEは、ゼンハイザーが独自に開発した「リングトランスデューサ」が採用されているため、抜けのあるクリアなサウンドを再生してくれます。

こちらの商品はAmazon限定モデルで、メタリックシルバーを使用したデザインはスタイリッシュでオシャレです。

耳に当てる部分にはつけ心地のよいベロア素材を使用しており、装着の違和感もなく音楽を楽しめるでしょう。

ケーブルも3種類付いているため、様々な機器に対応可能です。

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ゼンハイザー(Sennheiser)
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KOSS KPH30IW

KOSS KPH30IWは、76gと非常に軽量で、低音を活かしたダイナミックな臨場感のある音を楽しめます。

マイクが付属したリモコンがケーブルに付いているため、スマホに接続すればリモコン一つで再生などの基本操作を行えます。

ヘッドバンド部分は長さを調整でき、自分の快適な状態で頭にセットすることが可能です。

価格も4000円台と安く、開放型ヘッドホンの中でも購入しやすい商品でしょう。

ULTRASONE Edition 11

ULTRASONE Edition 11は、ULTRASONEが新開発したドライバーを採用し、自然で聴きやすい音を実現しています。

ハウジングの部分はウォールナットという木目が綺麗な素材を使用しており、一つ一つ手作業で製造されているため、使い込むほど味が出ます。

開放型ヘッドホンで重要な開口部は、細かい調整が行われているため、空気の抜け感も問題ないでしょう。

高価な商品ではありますが、音質や素材にこだわりがある方におすすめです。

開放型ヘッドホンのまとめ

  • 開放型ヘッドホンとは、ハウジングの外側が開放されているため、音が抜け易く、広がりのある自然な音が聴こえる事が特徴です。
  • その長所から、各メーカーの高音質なハイエンドモデルはほとんどが開放型となっています。
  • 一方、密閉型と比較すると遮音性は低いため、環境音が聞こえてしまうほか、音漏れに注意する必要があります。
  • 商品選びの際には音質の他、装着感も重要なポイントです。