毎日つける腕時計を洗うという発想がない人が多いでしょう。精密機械でもある大切な腕時計は、洗いたくないと思うほうが自然かもしれません。しかし、腕時計は洗浄した方がいい時もあります。

ここでは、腕時計を洗浄すべき時、腕時計の洗浄の値段、自分で革ベルト、金属ベルトの腕時計を洗浄する場合の方法などをご紹介します。洗浄で、大切な腕時計を長く綺麗に使えるようになります。

腕時計の洗浄をすべき時

見た目の汚れがひどい時には、腕時計のベルト部分を洗ったり、濡れたタオルで拭いたりすることはあるでしょう。しかし、腕時計の汚れはベルトを含め、見えない汚れも多いものです。

下着と同じように肌に直接つける腕時計は、外からの汚れだけでなく、皮脂が汚れとしてたまってしまいます。見た目の汚れだけでなく、たまった汚れが引き起こすことで、腕時計を洗浄すべき時を判断することもできます。

シャツの袖口が汚れる

綺麗に洗っているはずのシャツなのに、1日の終わりに袖口がとても汚れていることはありませんか?汚れがあるのが片方の袖口だけで、その片方が腕時計をつけている手のほうなら、腕時計の汚れが原因のことがあります。

特に、汚れのたまりやすい金属ベルトの腕時計に多く見られるでしょう。革ベルトの腕時計では、ケースの汚れが袖口に移ることが多いようです。ひどい汚れの場合には、汗をかいた手首の皮膚に黒い汚れが付くときもあります。

腕時計のケースの役割について詳しいことは以下の記事を参考にしてみてください。
腕時計のサイズについて ベルトとケースの役割と適切なサイズを解説

時計をしているところにあれやかぶれが出る

腕時計をしている手首に、ある日突然あれやかぶれなどが起こったら、それも腕時計の汚れが原因になっていることも考えられます。革ベルト・金属ベルトに蓄積された汚れだけでなく、ケースの裏側の刻印やケースとベルトのつなぎ目などにたまった汚れが原因のこともあります。

ちなみに、夏場の汗をかいた時のあれやかぶれなどは、金属アレルギーの可能性もあります。金属アレルギーは、ある日突然発症するので、腕時計を洗浄しても治らないなら、アレルギーの可能性も考えましょう。チタンでできたベルトは、アレルギーは少ないとされています。

腕時計によって引き起こされる金属アレルギーの対策とブランドを解説

腕時計の洗浄の値段はさまざま

汚れが気になる大切な腕時計の洗浄を考えると、まず思い浮かぶのはお店にお願いすることでしょう。洗浄には、どのくらいのお金がかかるのか知りたいところです。

結論からいうと、腕時計の洗浄の値段には相場がないといえます。なぜなら、どこまで細部を洗浄するか、それに伴い分解するか、高級ブランドの複雑な造りの時計なのかなどにもよるからです。

分解を伴わない一般的な洗浄であれば、3,000円ほどから腕時計の洗浄してくれるお店が見つかるでしょう。たかが洗浄と思うでしょうが、安心して大切な腕時計の洗浄をお願いするには、まずは見積もりをとるのがおすすめです。

腕時計の洗浄を自分でする場合

防水の腕時計ならば、自分で洗浄するのも比較的簡単にできます。ここでは、ベルトを外せる革ベルトの腕時計と金属ベルトの腕時計の簡単な洗浄方法をご紹介します。

どちらのタイプの腕時計も、洗う前には防水であることと各リューズがしっかり閉まっていることを確認しましょう。

革ベルトの腕時計の簡単な洗浄方法
① 革ベルトをはずします。
② コップなどの容器にぬるま湯を入れて、中性洗剤(台所用食器洗剤がおすすめ)を少したらします。
③ ベルトをもみ洗いします。
④ 綺麗なぬるま湯で丁寧にすすぎます。
⑤ 直射日光の当たらない、風通しのいいところで2日間ほど陰干しにします。日光が当たると、皮がひび割れてしまいます。
⑥ エタノールで消毒します。乾いた布できれいに拭きます。
⑦ あれば、革製品用の保湿クリームなどで保湿するとよりいいでしょう。
金属ベルトの腕時計の洗浄方法
① ベルトとケースの裏などを中心に、中性洗剤を少量使って歯ブラシでこすります。
② より綺麗に仕上げるためには、眼鏡のシャンプーをケース以外のところに吹きかけて5分ほど放置するのもおすすめです。
③ 歯ブラシや洗剤で取り切れなかった汚れは、つまようじで優しくかき出しましょう。
④ 容器にいれたぬるま湯でやさしくすすぎます。水道からの流水にはさらさないようにしましょう。
⑤ 吸水性の高い布やタオルで水をとります。
⑥ 弱風で腕時計から離して、ドライヤーで乾かします。
金属ベルトの汚れには入れ歯洗浄剤
金属ベルトがなんとなく曇って見えるほどの汚れであれば、入れ歯洗浄剤を使うと劇的に綺麗に仕上げることができます。
① ケース部分が濡れないように、ラップで包むか、可能ならベルトを外してしまいましょう。
② コップに水を入れて、錠剤を溶かします。ケースをつけたままベルトを洗浄するなら、コップの上まで水がくる小さめのコップを選ぶのがいいでしょう。
③ ケースが付いたままの腕時計は、2本の割りばしに通してコップのふちに割りばしをかけるなどケースが濡れない工夫をして、ベルト部分だけ②の水につけます。
取り外したベルトは、そのまま②の水につけます。防水の腕時計でも、潜水用でなく日常生活用防水なら、水につけることは念のため避けるべきでしょう。
④ 30分ほどつけ置きします。
⑤ 時間がたったら、タオルなどで水をふき取りドライヤーで乾かします。ドライヤーを近づけすぎないように気をつけましょう

大切な腕時計は専門業者にお願い

自分でする洗浄方法をご紹介しましたが、大切な腕時計なら、専門業者に洗浄をお願いするのがおすすめです。生活防水のみの腕時計は、水に長時間つけたり、水道水にさらしたりすると壊れてしまう可能性が高いでしょう。

また、洗浄だけでなく、オーバーホール、電池交換などを含めてお願いすると、より長い期間、腕時計を愛用できるコンディションになるでしょう。

セイコーやシチズンなどの国産ブランドなら、公式ホームページから見積もりを依頼して、自宅から送付できるように送付キットも送ってくれます。自宅にいながら、すべてできるところがうれしいサービスです。一般の専門業者でも郵送で受付をしてくれるところもあるので、探してみましょう。

腕時計の洗浄についてのまとめ

  • 大切な腕時計は精密機械なので、洗うことがない人も多いでしょう。見た目だけでの汚れをふき取るだけでなく、腕時計は洗浄すべきタイミングがあります。腕時計をつけている方のシャツの袖口がひどく汚れる時、腕時計をつけている手首にあれやかぶれなどの症状がある時です。
  • 腕時計の洗浄をお店に頼んだ時の値段は、細部まで洗浄するために分解するかどうかなどによります。相場と言える値段はないものの、分解をしない洗浄なら3,000円くらいからお店を探せるでしょう。
  • 自分で腕時計を洗浄するなら、腕時計が防水であることと各リューズがしっかり閉まっていることを確認しましょう。
  • 革ベルトの腕時計は、ベルトを外してぬるま湯と中性洗剤で洗い、2日間ほど陰干しすることで綺麗にできます。金属ベルトの腕時計は、歯ブラシと中性洗剤で洗い、細かい汚れはつまようじでかき出します。しつこい汚れには、眼鏡用シャンプーを使うのもいいでしょう。仕上げには、弱風のドライヤーで乾燥させます。金属がくもるほど汚れている場合には、入れ歯洗浄剤を使って洗浄すると、見違えるように綺麗になります。
  • 自分でも腕時計は洗浄できますが、大切な腕時計は専門の業者さんにお願いするのがいいでしょう。その時には、オーバーホールや電池交換も一緒にすると腕時計がより長持ちします。