この記事ではフルーツケーキについて解説します。
この記事を読むことで、フルーツケーキの歴史や特徴を踏まえて、オーソドックスなフルーツケーキのレシピとおすすめの市販品購入の検討が出来ます。
目次
そもそもフルーツケーキとはなにか?
フルーツケーキとは、パウンドケーキにドライフルーツをたっぷりと加えたイギリス発祥のケーキです。
18世紀前半、イギリスでは砂糖の精製が始まっていたことと、バターと小麦粉を使ったケーキを膨らませるレシピが過渡期にあったこともあり、卵を加えてかき混ぜることで生地を膨らませるケーキが登場してきました。
そのような背景の中で、バターと砂糖、卵、小麦粉の全てを1ポンド(453g)ずつ混ぜ合わせて焼き上げたバターケーキのひとつ、パウンドケーキが生まれます。
パウンドケーキの材料が同率なのは美味しいことが一番の理由ですが、計量のしやすさも挙げられるでしょう。
当時のイギリスでは、まだ正確に計量するための計量秤や、計量カップはありませんでした。
そこで、個体差のある卵を基準に、天秤に他の材料を置きバランスを揃えることで、簡単に材料を同率に合わせられる方法が一般的になりました。
18世紀後半になると、イギリスでは砂糖製造の機械化が進んで、粉砂糖と呼ばれるような非常に細かい砂糖が生産され始めます。
さくらんぼなどの果実の砂糖漬けや、レーズンなどのドライフルーツのラム酒漬けなどを、パウンドケーキ生地に混ぜ込み焼いたフルーツケーキが生まれました。
19世紀中頃になると、オーブンが普及し始め、その過程の中でパウンドケーキのひとつ、フルーツケーキが広まっていきました。
20世紀前半になると、食料品店が色々な種類のドライフルーツやナッツを練り込んだギフト用のフルーツケーキを販売するようになります。
他のケーキと違い日持ちが良かったことから、家庭で作るだけではなく、遠方の知人や親戚に送るクリスマスや季節のギフトとして定着していきました。
現代の市販や、手作りのフルーツケーキの保存方法としては、ラップでしっかりと密封して25℃以下の常温保存で、約1週間程度は食べごろが続きます。
しかし、生のフルーツが使われている時は3~4日程度、ラム酒等の洋酒が使われている時は約2週間程度保存ができます。
フルーツケーキの材料とレシピ
以下では、パウンド型(16cmまたは容量約700ml目安)を使った、簡単で作りやすいフルーツケーキの作り方を紹介します。
フルーツケーキの材料
フルーツケーキの材料は以下の通りです。
- 無塩バター60g
- 微粒子のグラニュー糖60g
- 卵60g(2個くらい)
- アーモンドプードル30g(クルミ30gもおすすめ)
- 薄力粉45g
- ドライフルーツ120g(ミックスフルーツまたは、好みのオレンジやレーズン、ドレンチェリー、アンゼリカ等ドライフルーツの洋酒漬け、ドライいちじく50g)
- ラム酒またはホワイトキュラソー10g
普通のドライフルーツでも美味しくできますが、洋酒漬けのドライフルーツと、仕上げに使うラム酒またはホワイトキュラソーを使う事によって、風味や香りが増してさらに美味しく仕上げることが出来ます。
フルーツケーキを作る際の準備
フルーツケーキの準備を作る前に、無塩バターとドライフルーツを常温に戻しておきます。
卵は卵黄と卵白に分けて常温に戻しておくとよいでしょう。
ドライいちじくは、熱湯に30秒程浸してから湯切りして、食べた時の食感を楽しめる程度の1cmに切り分けておくのがおすすめです。
薄力粉をふるっておくとよいでしょう。
フルーツケーキの作り方
フルーツケーキの作り方は以下の通りです。
- まず、ボウルに無塩バターを入れて、ハンドミキサーで柔らかくなるまで十分に混ぜます。
- 無塩バターが柔らかくなったところでグラニュー糖を3回ぐらいに分け、ハンドミキサーで都度混ぜながら、しっかりと全体的にふわふわになるまで混ぜ続けます。
- 卵黄を加えてさらに混ぜます。ハンドミキサーは全体ではなく、卵黄を中心に直径5cm程の円の中をできるだけ早く混ぜます。バターと卵黄が充分混ざったら全体に混ぜ合わせるのがコツです。
- 別のボウルで卵白をハンドミキサーで混ぜてメレンゲにしておき、出来上がったら無塩バターとグラニュー糖、卵黄のボウルにメレンゲを加えて混ぜ合わせます。
- アーモンドプードルを全量入れてハンドミキサーで全体が馴染むまで混ぜます。薄力粉を半量加えてゴムべらで底から返すように混ぜ、おおよそ混ざったら、残りの薄力粉とドライフルーツを加えてさらに混ぜます。
- 艶がでてきたところで生地の完成です。パウンド型にサラダ油を塗ってクッキングシートを敷いて、生地といちじくを交互に入れて最後にパウンド型の真ん中あたりを少し凹ませて仕上げます。
- 170度で予熱したオーブンで45分焼き、竹串を刺して何もついてこなければ焼き上がりです。
- 網の上に出して熱いうちにラム酒またはホワイトキュラソーを刷毛で全面に塗り、冷ましてからぴったりラップをします。25℃以下の常温で3日ほど寝かせると、味が馴染み洋酒の芳醇な香りとともに美味しく食べることが出来ます。
- フルーツケーキを切るときは、薄刃で細身のケーキナイフがベストですが、果物ナイフもおすすめです。ナイフをお湯で温めてから、前後に動かしながら切ります。ナイフを温めると刃先が油分を溶かして、綺麗な切り口に仕上がります。
おすすめな市販のフルーツケーキ
パティシエ・シマ フルーツケーキはラム酒漬けのフルーツが魅力
パティシエ・シマ フルーツケーキは、フランスの樽酒のネグリタラム酒にしっかりと漬け込まれたドライフルーツが魅力のケーキです。
大きめの赤と緑のドレンチェリー、レーズン、プラム、クルミがたっぷりと混ぜ込まれているため、切り口の美しさと食べた時のお酒の香りを甘さと共に楽しむことが出来ます。
千疋屋 フルーツケーキ ロランジェは食べやすい大きさと口当たりが魅力
千疋屋 フルーツケーキ ロランジェは、食べやすい大きさで、たっぷり入ったオレンジピールとリンゴ、レーズンを洋酒に漬け込んでから焼き上げてある品です。
口当たりはしっとりとしており、爽やかなオレンジの風味がおすすめの品です。
銀座ル・ブラン パウンド・フリュイはコクのあるドライフルーツが魅力
銀座ル・ブラン パウンド・フリュイは、使用しているドライフルーツを種類毎に砂糖漬けしてから、さらにラム酒に漬け込み、熟成されたドライフルーツを生地に練り込んだ品です。
しっとりとした食感とともに、コクのあるドライフルーツを楽しむことが出来ます。
ドライフルーツは大きく、食べ応えも十分なことも魅力です。
フルーツケーキについてのまとめ
- フルーツケーキとは、パウンドケーキの中でもドライフルーツが練り込まれて焼き上げられたケーキのことで、18世紀後半のイギリスが発祥の地です。
- フルーツケーキの元となるパウンドケーキは、バターと砂糖、卵、小麦粉の全てを1ポンド(453g)ずつ混ぜ合わせて焼き上げたところからパウンドケーキと呼ばれるようになりました。
- フルーツケーキが作られ始めた頃は長期保存ができるケーキとして、ウェディングケーキやクリスマスのような特別な日のために作られていました。