この記事ではプラスチック接着剤の選び方や、用途に応じたタイプも解説しています。

プラスチック接着剤を選ぶ時、どれを選べばよいのかわからない事があります。選んだ接着剤では、接着出来ずに失敗してしまう可能性もあるでしょう。

この記事を読めば、プラスチック接着剤の特徴や選び方を理解し、最適な接着剤を選ぶことが出来ます。

ブラスチック接着剤の素材ごとの相性

プラスチックには様々な種類があり、種類ごとに対応した接着剤のタイプがあります。

タイプの選択を誤ると、接着出来ない場合がある事に注意が必要です。

ポリエチレン・ポリプロピレンはプライマー付き接着剤

ポリエチレンやポリプロピレンは接着が難しいプラスチックです。

プライマーと呼ばれる下地材が付いたものがおすすめです。

プラスチック用の接着剤でも、注意書きに「ポリエチレンとポリプロピレンは除く。」と書かれているものが少なくありません。

ポリエチレンやポリプロピレンは、接着剤に含まれる素材を溶かす成分が働きにくいためです。

接着時にプライマーと呼ばれる下地材を使用すると、ポリエチレンやポリプロピレンの接着が可能になります。

プライマーを使う事により接着性が改善され、接着効果が上がります。

ナイロンには弾性接着剤が良い

ナイロンは、接着が難しい素材の一つです。プライマー付き接着剤や弾性接着剤がナイロンの接着に適しています。

弾性接着剤は乾燥するとゴムのような弾力を持っているため、ナイロンの接着に最適です。また水や熱に強く衝撃を吸収する特徴があります。

接着後も柔らかい動きが可能であるため、人形の修理などに多く使われる接着剤です。

ABS・塩ビ・アクリルにはアクリル接着剤がよい

ABS、塩ビ、アクリルにはアクリル接着剤がおすすめです。

ABSと塩ビにはウレタン系の接着剤、アクリルにはジクロロメタンが配合されているものが合います。

ABS、塩ビ、アクリルの3つの素材の共通点は、一部の有機溶剤に溶ける性質です。

アクリル接着剤はこの溶ける仕組みを利用し、素材をいったん溶かす事で溶着します。

溶着で接着する手法は一般的な接着剤よりも、素材同士が一体化するため、強度が強く仕上がりもきれいにできるでしょう。

ポリエステルには衣類用接着剤がよい

ポリエステルには衣類用接着剤がおすすめです。乾くと接着剤が透明になり、硬くならないという特徴があります。

衣類用接着剤には、シリル化ウレタン樹脂などが使用されています。

更に接着力を高めたい時には、熱を加える事で接着力を高める事が可能です。

ブラスチック接着剤の用途別の選び方

接着剤には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。使用用途に合った特徴の接着剤を選ぶ事が大切です。

素早く接着させるには瞬間系を選ぶ

接着時間を短縮させたい場合は、瞬間系の接着剤がおすすめです。硬化時間を短縮し、作業を効率的にしてくれます。

瞬間接着剤は、元々接着の難しいプラスチックには対応していませんでした。

しかし、下地にプライマーを用いる事で、ポリエチレンやポリプロピレンなどの難接着の素材でも利用が可能になりました。

注意点としては、プライマー液を使用すると、接着力は多少低くなり衝撃に弱い瞬間接着剤の特徴も加わるため、負荷のかかるような個所の使用は避けた方が良いでしょう。

温度変化がある場合はシリコーン系を選ぶ

シリコーン系の接着剤は耐熱性が高く、氷点下や100℃近い高温でも耐えれるのが特徴です。硬化後は弾力性を発揮するのも魅力でしょう。

氷点下だと、エポキシ系のように使いにくくなるタイプもありますが、シリコーン系は高温、低温のどちらにも対応できるので重宝します。

弾力性があり、振動や衝撃を吸収する振動緩和剤の役割を果たす事も可能です。耐水性も高く、水周りにも使用する事が出来ます。

耐熱性と強度を求める時はエポキシ系を選ぶ

強度が比較的強く耐熱性に優れているのがエポキシ系の接着剤です。耐水性に優れていたり、電気絶縁性もあったりするため、様々な場面で使用されています。

エポキシ系は二つの液剤が化学反応を起こす事で強い接着力が生まれますが、しっかり混ぜ合わせないと接着力が弱まる可能性がある事に注意が必要です。

エポキシ系は硬化する際に熱が必要であるため、低温な冬場は固まりにくい事にも注意が必要です。

異なる素材と接着させたい時は多用途タイプを選ぶ

プラスチック同士でなく、金属や木材など異素材を接着させたい場合は多用途タイプの接着剤がおすすめです。

使用できる素材の幅が広く、様々なシーンでの活用が可能です。

種類が豊富な多用途タイプは、耐水性や速乾性のものなど使用箇所によって使い分ける事が出来ます。

しかし、プラスチックの素材によっては対応していないものもあるため、必ず確認しておくことが必要です。

接着時は表面処理をした方がよい

プラスチックは表面処理をした方が接着力がよくなります。プラスチックの表面に、製造段階で付着した離型剤が付いている可能性があるためです。

プラスチック製品は柔らかい状態で金型に流し込み、固める方法で製造されます。

この製法では金型から製品を取り出しやすいように、シリコーンなどの離型剤を金型に塗布します。

プラスチック製品の表面には、金型の離型剤が移っているケースがあり、接着時に離型剤が接着剤をはじく可能性があるためです。

離型剤を取るには、サンドペーパーで削ったりベンジンなどの溶剤で処理するがよいでしょう。

しかし、プラスチックの種類と使用する溶剤の組み合わせで溶けてしまう場合がある事に注意が必要です。

おすすめのプラスチック接着剤

セメダイン スーパーX 超多用途 クリアは屋外でも使える

セメダイン スーパーX 超多用途 クリアは、プラスチックと異素材の接着におすすめの接着剤です。

熱、水、ショックに強く、屋外でも使うことが出来ます。

固まるまでの時間に余裕があるため、不慣れな人でも安心して使用できます。

様々なプラスチックに使用できますが、ポリエチレンとポリプロピレンの使用には対応していません。

ゴムや金属、布や木材と幅広い素材との接着が可能です。短時間で接着したい場合は、同シリーズで速効果タイプがあります。

コニシ アロンアルフア プラスチック用はプライマー付属

コニシ アロンアルフア プラスチック用は、プラスチック専用の強力瞬間接着剤です。

プライマーが付属されており、ポリエチレンやポリプロピレンの接着も出来ます。

接着が難しいプラスチック側にプライマー液を塗布し、5~10分後に瞬間接着剤を滴下すれば張り合わせられます。

おもちゃや模型、フィギアなどの制作から補修に最適です。

LOCTITE 強力接着剤 模型用プラスチックは耐久力が高い

LOCTITE 強力接着剤 模型用プラスチックは、主成分にアクリル樹脂を使用しているため、強度と耐水性が高い製品です。

液状速乾タイプで、乾燥後は透明になり目立たなくなります。マイクロノズルが付いているため、細かいパーツにも簡単に接着剤が塗布する事が可能です。

ポリエチレンやナイロン、シリコーン樹脂など接着出来ない素材もあるため注意が必要です。

プラスチック接着剤の選び方についてのまとめ

  • プラスチック接着剤を選ぶ際は、種類や特徴で選ぶ事が大切です。種類別に適した接着剤のタイプがあるため、使用目的に合った特徴で選ぶとよいでしょう。
  • またプラスチック以外の異素材には、多用途タイプの接着剤が最適です。使用できる素材の幅が広いため、様々なシーンで活躍します。
  • 接着時には表面処理をした方が良いでしょう。プラスチック製品の表面に付いている離型剤が接着剤をはじき、接着の邪魔をする可能性があります。