この記事では、浴衣の作り帯について、必要なものや作り方を解説します。
手持ちの帯を作り帯に変え、着付けを楽にしたいと思っても、作り方を知らない人は少なくありません。
この記事を読むことで、作り帯の作り方を知り、浴衣を楽に着こなせるようになります。
目次
浴衣の作り帯とは?
「作り帯」とは、胴体に巻く部分と、結び部分が分かれているタイプの帯です。
結び部分がすでに作られた状態で販売されているため、胴体に巻いた帯に差し込むだけのシンプルな仕組みをしており、若い世代やお子さま用を中心に人気が広まりました。
そのシンプルさゆえ、「着付け初心者でもきれいに仕上がりやすい」「着付けに時間がかからない」「運転中など自由に外すことができる」「着崩れしにくい」という点もメリットでしょう。
デメリットしては、ひと目見ただけで作り帯と分かってしまうデザインの無個性さから、子どもっぽい印象を与えやすい事があげられます。
ほかにも、「胴体部分がもたつきやすい」「アレンジがきかない」という点がデメリットです。
しかし、自分で作り帯を作ると、アレンジをきかせたり大人っぽくしたりと、市販の作り帯が持つデメリットを減らすことができます。
リメイク和服の流行や中古品売買アプリの普及に伴い、さまざまな柄の帯をリーズナブルに購入することもできます。
自宅にある長さの足りない帯の再活用だけではなく、気に入った柄の帯で作ることができるのも、手作り帯の持つ良さでしょう。
しかし「帯」と言っても、種類による違いや、作り帯に適した種類が分からないという人も少なくありません。
以下は、浴衣に用いられる基本的な帯の種類と、それぞれの持つ違いです。
- 半幅帯
「半幅帯(はんはばおび)」は、訪問着などにもあわせることのできる帯です。長さは約3.6メートル程度に作られています。袋状のタイプや、芯が入っているタイプなどもあり、柄も豊富に揃っていることが特徴です。しかし、季節感の強いデザインの場合、浴衣用に秋冬を使わないように注意が必要でしょう。 - 浴衣帯
「浴衣帯」は、浴衣専用として用いられる帯です。長さは約3.6メートル程度に作られています。軽量でやわらかく、アレンジ結びもしやすいのが特徴です。一般的にビビットな色合いが多く普及していますが、リバーシブルなどもあります。 - 兵児帯
「兵児帯(へこおび)」は、帯のなかではもっとも簡単に結ぶことができ、ふんわりとしたデザインやカラフルな商品が多いためです。小さな子に用いられることが多い帯です。最近は大人用にも種類が増えています。 - 名古屋帯
「名古屋帯」は、カジュアルな柄がほどこされた「小紋」や糸を先に染める「紬」に用いられる帯です。長さは約360~380センチ程度に作られています。お太鼓結びで締めるのが一般的で、浴衣の着こなしを上品でシックな印象にしてくれます。
作り帯の作り方の手順
作り帯の素材
以下は、名古屋帯を作り帯に変えるときに必要なもののリストです。自宅にある物で作ることができます。
- 名古屋帯
- ひも2本(幅2センチ前後、長さ80センチ)
- 定規
- 大きめのクリップ
- 裁縫セット
手先から約35センチのところに目印を入れる
タレが右側にくるように帯を広げます。手先から約35センチの長さを定規で測り、測ったポイントにクリップを挟み、目印にするとよいでしょう。
「手先」とは、お太鼓結びにしたときに結び部分の両わきから出る部分です。
長く出したい人は、お好みで調整してください。
タレの長さを決める
「タレ」とは、結びの下からはみ出る部分をさします。
手先の反対側から帯を取り、挟んであるクリップの手前にちょうど結びの端が来るようにして、タレの長さを決めるとよいでしょう。
好みや帯の種類にもよりますが、一般的な名古屋帯であれば、胴巻きの下線から約7~10センチ程度が目安です。
下線を決める
つづいて、お太鼓結びの下線となる部分を決めます。
柄がちょうどよく出せるように、不要な部分は内側に折り込みながら作るとよいでしょう。
この際、タレが指1本分出るようにすることがポイントです。
上線を決める
上線は、作りたい太鼓の大きさによって変わります。
柄を見ながら、どれくらいの大きさでお太鼓を作りたいのかを決めて、調整しながら折りたたむことが大切です。
決めた大きさよりも「枕帯」分を考えて、やや大きめに調整することが大切です。
形を作る
お太鼓の大きさに上線を決め、折りたたんで大きさが定まったら、胴巻き部分をねじれないように重ねます。
手先を中に折り込む
帯の右側に出ている「手先」を、帯のなかに折りこんでいきます。
クリップで固定したら、一度身体に当ててみるとよいでしょう。鏡で見てサイズ感を確認しながら進めると、よりきれいに仕上がります。
手先を中に折り込んだら、裏返しにします。
胴巻き部分や作ったお太鼓の形が崩れてしまわないように、太めの木綿糸でざっくりと縫っておくとよいでしょう。
タレについても、中に入っている状態ですが、同様にざっくりと縫っておくと安心です。
紐を縫い付ける
胴巻き部分の両端に、紐を1本ずつ縫いつけます。
胴巻きの下線に紐が来るように、10センチ程度の部分から場所を取り、強度を高めるために紐が二重になるようにするとよいでしょう。
縫い方についても、しっかりと返し縫いで行って完成です。
実際に着付けをおこなう際には、帯あげを被せた枕帯を、お太鼓のなかに入れます。
そのあと作ったお太鼓が、好みの位置にくるように背中にあて、前部分でしっかりと結びます。
結び方がゆるいとお太鼓が固定されない事に注意が必要です。
その後、胴巻き部分を、位置を見ながら身体に巻いていきます。背中まで回したら、お太鼓の下に通し、紐を両手に持ちます。
両手に持った紐は後ろで強めに締めあげ、前部分で結びます。
結んだ紐が見えないように隠してから、帯締めや帯あげを結んで完成です。
作り帯についてのまとめ
- 「作り帯」とは、胴巻き部分と結び部分が分かれている帯のことです。着付けが簡単で、着脱しやすいことがメリットですが、市販の作り帯は子どもっぽい印象やアレンジのきかなさなどのデメリットを持っています。
- 手作りの作り帯は、自分の好きな柄や活用しきれない帯をアレンジすることができ、着付けも楽になることがメリットです。
- 浴衣に用いられる帯の種類は「半幅帯」「浴衣帯」「兵児帯」「名古屋帯」があり、名古屋帯なら、お太鼓などのシックなアレンジにも合わせやすいでしょう。
- 作り帯に必要な物は「名古屋帯」「結ぶためのひも2本」「定規」「クリップ」「裁縫セット」です。
- 作り帯の作り方は「①帯を広げ、右端から約35センチに目印クリップを留める」「②胴巻き下線から約7~10センチ程度になるようにタレの長さを決める」「③表に出る柄を見ながらお太鼓の下線を決める」「④枕帯分やや大きめにお太鼓の上線を決める」「⑤胴巻き部分をねじれないように重ねる」「⑥手先を中に折り込み、裏返してざっくりと縫う」「⑦胴巻きの両端に紐をしっかりと縫いつける」のステップで完成します。
- 実際に着付けをおこなう際には、着用前に枕帯をお太鼓の中に入れます。鏡でお太鼓の高さなどを確認しながら、お太鼓が落ちてこないように強く締めることが、着くずれしないコツです。