「時計の簡単なメンテナンスを自分自身でしてみたい」
「時計の分解をしてみたい」
といった理由で、時計のリューズを外したい方もいらっしゃるでしょう。

しかし、時計のリューズは引っ張っても簡単に取れません。
取り外し方は、リューズの種類によって異なります。
そこでこの記事では、時計のリューズの外し方について解説します。
リューズを自分で外してみたい人は、参考にしてください。

目次

リューズとは

リューズとは時計の重要な部品の1つで、漢字で書くと「竜頭」と表記されます。
まずはリューズとは何かについてご説明します。

部分

リューズとは、腕時計の側面についているネジのような部分のことです。
ほとんどの腕時計は文字盤の3時の位置の横に位置し、懐中時計は12時の位置についているのが一般的です。

役割

機械式時計の場合は、リューズを回すことでぜんまいを巻けるようになっています。
自動巻き時計は腕につけていると自動的にぜんまいが巻かれますが、置いておくと止まってしまいます。
その場合は、リューズを回してぜんまいを巻きましょう。
リューズは引き出して回すと時刻や日付を調節できます。

カレンダー機能が付いたものは、リューズを1段階引き出すと日付、2段階引き出すと時刻を調整できます。
カレンダー機能が付いていないものは、1段階引き出すことで時刻の調整が可能です。

リューズの外し方

リューズを外すには、まず腕時計の裏ブタを取り外します。
リューズは「オシドリ」というパーツのツメがリューズの巻き芯にひっかかっているため、引っ張っても簡単に抜けないようになっています。
そのためリューズを外すにはオシドリから外さなくてはいけませんが、腕時計のリューズには「ネジ止めタイプ」と「プッシュ式タイプ」の2種類があり、それぞれ外し方が異なります。
ネジ止めタイプとプッシュ式タイプ、それぞれの外し方を確認していきましょう。

ネジ止めタイプ

防水性の高い腕時計に多く見られるのが、ネジ止めタイプです。
ネジ止めタイプのリューズを外すには、精密ドライバーが必要です。
ムーブメントにはいくつかのネジがありますが、その中のオシドリを止めているネジを緩めてリューズを外します。

ただし、ネジを緩めすぎて取れてしまわないように注意が必要です。
ネジが完全に取れてしまうと、あとで取り付けるのが大変です。
精密ドライバーを勢いよく回すとはずれてしまう可能性があるため、慎重にネジを緩めてリューズを外しましょう。

プッシュ式タイプ

リユーズはプッシュ式タイプの方が一般的です。
プッシュ式タイプは、文字盤側からオシドリを押さえつける仕組みになっています。
反対側をやさしく押すと浮き上がるため、リューズを取り外せます。
オシドリを押すときは、先の尖ったものを使うと押しやすいので、ピンセットを使うとよいでしょう。

リューズを外すための準備

腕時計は精密機器なので、リューズを外すときに準備しておきたいものがあります。

保護布

リューズを外すときは、保護布を用意しておきましょう。
作業中に、時計に傷がついてしまうと大変です。
保護布を敷いてから作業すれば、時計の保護やズレ防止、部品受けなどになるので安心です。

精密機器用ドライバー、ピンセット

時計は精密機器なので、精密機器用ドライバーが必要です。
ネジのサイズと合わないドライバーを使うとネジ穴をつぶしてしまいますので、ネジのサイズにぴったり合う精密機器用ドライバーを使いましょう。
また、時計の部品は小さいので、ピンセットが必要です。

リューズがプッシュ式の場合、オシドリを先の尖ったもので押すことでリューズを取り外せます。
そのときに最適な工具がピンセットです。
プッシュ式のリューズを抜くときはピンセットを準備しておきましょう。

時計メンテナンス用の工具、ピンセットをご紹介

ここからは時計のメンテナンスに使える工具やピンセットをご紹介します。
リューズを外したり、自分でメンテナンスをおこなったりしたい人は、時計のメンテナンスに使いやすい工具を用意しておいてはいかがでしょうか。

明工舎製作所 MKS 39000 5本組

明工舎製作所は、時計工具の開発・生産をおこなう国内唯一の会社です。
時計のメンテナンスのためのドライバーを購入するなら、明工舎製作所のドライバーを選んでみてはいかがでしょうか。
時計のネジはほとんどがマイナスで、さまざまなサイズのネジが取り付けられています。
こちらのドライバーセットは0.7、1.0、1.4、1.6、2.0mmの5種類がセットになっています。
先端が細くなっているので、使いやすいでしょう。

ベルジョン カーボンファイバー ピンセット

ベルジョンは、スイスの有名な時計工具メーカーです。
こちらは耐熱性・耐腐食性・耐酸性などにすぐれたカーボンファイバー製のピンセットです。
先端が細いため細かな作業に向いていて、電池交換やクオーツ時計の修理などに適しています。

あわせて読みたい

まとめ

時計が好きな人であれば、自分でメンテナンスしてみたくなるでしょう。

リューズを外すのは繊細な作業で難しそうですが、慣れてしまえば意外と簡単にできるようです。

ただし、精密機器なので力加減は慎重にしておきましょう。

リューズを外すのが初めての方は、まず失敗しても問題ない時計でおこなうのがよいでしょう。