リューズは、腕時計についている重要なパーツです。
通常の腕時計は文字盤の3時の部分に付けられており、時刻を調整する際に使われます。
リューズは時計内部のパーツを動かすものであり、使い方を知らない状態でリューズを動かすと機械が壊れることがあるため注意が必要です。
そこで、リューズの役割やリューズのトラブルが起こった場合の原因や対処法を紹介します。

リューズとは

リューズは、時計の種類によって形状が異なります。
そこで、リューズの特徴や役割から見ていきましょう。

部分

リューズは、時計の3時の位置にある突起です。
押したり引いたりが可能なパーツであり、ねじ込み式と引き出し式に分かれています。
ねじ込み式は防水性が高く、ダイビングウォッチに使われることが一般的です。
水が入らないよう、リューズをねじ込む仕様になっています。
引き出し式はダイビングウォッチ以外のほとんどの時計で使われているタイプであり、リューズを引き出して動かすタイプです。

役割

リューズの役割は、リューズを巻いてゼンマイを巻く役割と日にちや時間を合わせる役割の2つがあります。
1段、2段と引き出す段階によって役割が変わり、通常の状態はゼンマイ巻き、1段引き出すと日付の設定、2段引き出すと時刻の設定です。
ねじ込み式の場合には、リューズを反時計回りに回転させてロックを解除し、解除した状態を通常としてそれぞれ設定します。
ほとんどの時計は、右回りで日にちや時刻を設定します。
操作そのものは、クォーツ式も機械式も同様です。

リューズが引き出せないトラブル

時間や日にちを調整しようとリューズを動かしても、リューズが引き出せない、回らないなどのトラブルが起こることがあります。
リューズのトラブルの主な原因を紹介します。

ゴミつまり

リューズが引き出せない時には、ゴミが詰まっている可能性があります。
ロックを外すとケースの間に隙間ができ、ロックがかかっていない状態では隙間にゴミが入って溜まることがあります。
ゴミを放置するとリューズが引き出せないだけではなく、時計の内部にゴミが入って故障する可能性があるため注意が必要です。
ゴミが詰まらないように普段からリューズや時計のメンテナンスをしましょう。
リューズは爪楊枝や歯ブラシで取り除きます。
ただし、リューズは丁寧に扱わなければ壊れるため、汚れを落とせない時には専門店にメンテナンスを依頼しましょう。

経年劣化

リューズを巻き上げる際に、時計の内部にあるパーツを動かしてゼンマイを巻き上げます。
ゼンマイを巻き上げる際にパーツにトラブルが起こったり、歯車がうまく噛み合わなかったりするというリューズの巻上げる力がパーツに伝わりません。
さらに、時計の内部のパーツには摩擦を予防するための潤滑剤が使われていますが、長期間使用していると潤滑油が乾燥します。
パーツに摩擦が起こると、パーツが壊れることがあるため、専門店で見てもらいましょう。

サビ

リューズが錆びる原因は、汚れやゴミが詰まっているか、リューズがしまっておらず水が入るなどが挙げられます。
リューズにサビが発生している場合には自分で対処するのは困難なため、専門店でメンテナンスをしてもらいましょう。
時計の内部に水が入った可能性がある場合には、リューズのサビだけではなく、他のパーツも錆びたり腐食したりすることがあります。錆びないようにリューズをしっかりと締めましょう。
また、リューズは操作する際に角度を水平にして行うことがポイントです。
防水機能のある高級な腕時計でも、リューズをしっかりと閉めていなければ水が入ってしまうため注意しましょう。

破損など

リューズとつながるパーツや、リューズそのものが壊れている可能性があります。
誤った使い方をしていないか、リューズを無理に引き出そうとしなかったかなど、故障の原因を明確にしてから修理を依頼しましょう。

リューズのトラブルが起きたら

リューズのトラブルが起こった時の誤った対処法と、どのように対処すべきかを紹介します。

無理やり引き出さないこと

リューズのトラブルが起こった場合、無理に引き出さないように注意が必要です。
理由は、リューズには様々なパーツが組み合わされており、専門知識を持った職人でなければ直すのは困難です。
無理やり引き出すと内部のパーツが壊れたり、破損する可能性が高いです。

時計修理、またはメーカーに相談

メーカーの補償期間であれば、無償で修理の対応をしてくれることがあります。
リューズのトラブルは、リューズ以外のパーツのトラブルが原因の可能性があるため、時計に詳しくない方はメーカーや時計の修理業者に相談しましょう。

時計メンテナンス用の工具セット

自分で時計を修理する場合には、時計専用の工具を使う必要があります。
日曜大工に使うような工具を使うと、時計が壊れる可能性があるため注意しましょう。
通販サイトで購入できる時計修理用の工具を紹介します。

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まとめ

時計を毎日使っていると、リューズにトラブルが発生する可能性が高いです。
しかし、時計のトラブルを放置したまま使用し続けると時計の内部にあるパーツが壊れる可能性があるため注意しなければなりません。
リューズのトラブルが起こった場合には、専門店に相談するか、専門の工具を使って自分で対処しましょう。