最近はフローリングの住宅が増えている為、和室で過ごす事がない人も増えています。
そんな中、「茣蓙」をよく知らないという人もいるのではないでしょうか。
今回は、「茣蓙」について紹介したいと思います。

茣蓙とは

皆さんは茣蓙という物をご存じでしょうか。
普段生活をしているとあまり耳にしない言葉ですよね。
茣蓙とは一体どんなものを指すのでしょうか。
ここでは、茣蓙の事柄や由来について解説していきます。

茣蓙とは、《「御座むしろ」の略。また、御座に敷くむしろの意からという》藺草いぐさの茎で編んだ敷物。うすべり。
[補説]「蓙」は国字。
デジタル大辞泉 参照

茣蓙の意味とは

由来が分かりましたが、では、茣蓙は一体何の為に使われているのでしょうか。
茣蓙の役割や目的について解説していきたいと思います。

「ござ」の目的

本来、茣蓙の目的は高級な畳を保護する為に、畳の上に使用していました。
その為、大事なセレモニーなどがある時だけ茣蓙を外し畳を使用します。
そして普段は茣蓙を敷いた状態で過ごす事が一般的とされていました。
そうする事で高価で簡単には張り替えたりできない畳を長持ちできるよう茣蓙を上に敷いて、
畳の日焼けを防いだり、畳が傷んでこないようにする為に使われています。

「ござ」の役割

茣蓙の役割とは一体、何でしょうか。
実は茣蓙には様々な機能があります。
まず、畳の保護はもちろん、茣蓙に使われているい草は自然な香りの為、リラックス効果があります。
また、い草は浄化作用があり、喘息の原因となる有害物質を吸着してくれる作用があります。


また、1度吸着した物質はほとんど再放出がない為、綺麗な空気を持続する事が出来ます。
他にも湿度のコントロールも優れているので夏はエアコンがなくてもベタベタする事なく快適に過ごす事ができ、冬は結露の予防も可能です。

さらに、い草は内部が空洞に近い構造になっている為、空気をたくさん蓄える事ができます。
この構造により熱を通しにくいという性質があり、夏は外から入ってくる熱を防ぎ表面がひんやりとした肌触りに、また冬は暖かい空気を外に逃げださない構造になっているので、暖かい状態で過ごす事ができます。

茣蓙の使い方

茣蓙は、使いたい時にパッと出す事ができるのでとても便利です。
和室ではない家でも、例えば、小さいお子さんがいる家庭だと子供が遊び疲れて布団ではなくリビングで寝落ちしてしまう事があると思います。ですが、寝ている子供を寝室まで運ぼうとすると起きてしまう事もしばしば・・。
フローリングで寝ていると体を傷めてしまう可能性も考えられます。
そんな時茣蓙を敷いていると子供が寝落ちしていても寝室に運ぶ事なく安心して家事や仕事ができます。

また、畳と違い様々な模様、色がありバリエーションも豊富なので、インテリアとしても大活躍します。
最近では、畳の上だけの目的ではなく、布団の上に茣蓙を敷いて寝る寝茣蓙などもあるようで、最近では洋室の部屋が増え、ソファや椅子を置くようになり、床に直接座る事が少なくなっている為、椅子の上にのせるタイプだったり、座椅子、カーペットなど、現代の生活空間にも使えるように工夫がされています。


あわせて読みたい

 

まとめ

茣蓙は昔、貴族が座ったり、体を休めたりする時に使っていた寝御座が由来となっており、一般的には、高価で取り換えが大変な畳を傷めたりしないよう畳の上に敷いて保護する役割を持っています。
畳と違い厚みは薄くカラーや模様などバリエーションが豊富です。
御座に使われているい草には様々な良い効果があり消臭効果や、有害物質の吸着、またエアコンがなくても夏は涼しく、冬は暖かく快適に過ごす事ができます。
最近では、和室ではない部屋でも使えるようにカーペット仕様やインテリア、座椅子など現代の部屋にも合わせやすいように工夫された茣蓙があります。