夏の夜空に大輪を咲かせる花火は、見る人の心を魅了するものです。

一瞬で消えていくあの美しい瞬間を、できるだけ目に焼き付けたいと思うものですが、できることなら「写真」という形にして、しっかり残したいと誰もが思いますよね。

一昔前までは、夜空に浮かぶ花火を写真に写すのは少々難しいものでしたが、近年ではカメラの高品質化や撮影者の技術向上により、比較的簡単に美しく、花火を写真に残すことが可能となりました。

ですがそれでも、あのきれいな花火を写真に残すには、ある程度のコツや事前の準備が必要です。

ここでは、花火を少しでも美しく撮影する方法や、そのために必要なカメラをはじめとする機材について、詳しく解説いたします。

花火の撮影に必要なもの

ただなんとなくスマホやタブレットで撮影しても、ある程度の花火を撮影することはできるでしょう。

ですが、少しでも美しく花火を撮影したいと考えるならば、花火の撮影に適した本格的なカメラをはじめ、いくつかの事前準備が必要です。

この準備次第で、花火の写真の出来が変わると言っても過言ではありません。

花火の撮影にはカメラとレンズが必要

カメラ
何よりも撮影の主役となるのがカメラとレンズですが、美しい花火の撮影には数あるカメラ機種の中でも、一眼レフやミラーレスといった、レンズ交換ができるカメラがオススメです。

レンズ交換できるカメラならば、被写体に合わせた撮影が可能となり、作品に幅を持たせることができます。中でも花火の撮影に適している「バルブ」モードが搭載されているデジタル一眼レフカメラがオススメです。

レンズ
数あるレンズの中でも、花火の撮影に向いているのはズームレンズです。ズームレンズにもいくつの種類があり、それぞれのレンズの特徴を把握することで、被写体や自分の目的に合わせた撮影ができるようになります。

①広角ズームレンズ
字からわかるように、広い角度を撮影することができるレンズです。
広い範囲の景色を、自分が動くことでカメラにおさめる必要がなく、迫力があり、臨場感にあふれる写真を生み出すことができます。超広角ズームレンズを使用すると、さらに広角にわたって撮影することが可能です。

②標準ズームレンズ
人間の眼で見ている景色にほぼ近い景色を写真におさめることができるレンズです。目で見ている景色に近いからこそ、主役となる被写体とバッグの景色のバランスや構図が作りやすくなります。

③望遠ズームレンズ
標準レンズよりも遠くにある景色や被写体を映すことができるレンズです。近づけないほど遠いものを映すことが可能で、美しい写真に欠かすことのできない「ボケ」を作り出すことができます。

50㎜前後ほどの領域をカバーできるレンズが花火の撮影には最適ですが、撮影ポイントから花火までの距離によっても選ぶレンズを変える必要性が出てきます。
また、自分がイメージする花火の写真を考えながらレンズを選ぶことも大事です。

花火の撮影には三脚が必要

手振れ防止のために三脚が必要

より満足のいく花火を撮影するにあたり、欠かせない機材が三脚です。

近年のカメラには、「手ブレ補正機能」が当たり前のように搭載されているものも多くなりましたが、それでも完全な機能とはいえず、地上からカメラを支えてくれる三脚にかなうものではないでしょう。

特に花火の撮影では、長い時間シャッターを開ける必要があることから、手持ちの撮影ではブレが発生しやすくなります。写真にとって命取りともなるブレの発生を防ぐためにも、三脚は欠かせない存在です。

三脚の価格帯は¥3,000~¥30,000

三脚には数多く種類があり、¥3,000~¥30,000と価格帯も幅広くなっていますが、精巧度合いやカメラを取り付ける雲台の素材などによって金額が変わります。

高価になればなるほど作りが精巧になり、重厚感も増していくため、三脚はカメラの安定感を左右する重要な機材です。

素材もプラスチックなどの素材から、金属素材へと変化していき、¥10,000台クラスになればメタル素材のものも増え、長い期間愛用できる三脚に出会うことができます。

レリーズで遠くからシャッターを切る

カメラから離れた場所にいても、リモートコントロールのようにシャッターを切ることができるレリーズは、とても便利なアイテムです。

いくら三脚にしっかり固定されたカメラでも、自分の手でシャッターを切る時には、わずかながらでも振動が発生してしまいます。

レリーズを使えば、そのようなわずかな振動が発生することもなく、手ブレを防ぎながらシャッターを代わりに押してくれるため、花火の撮影には欠かせない存在です。

レリーズは高価なものではないため、準備しておくことをオススメします。

ライト

花火の撮影は夜行うため、手元を明るく照らしてくれるライトは、想像以上に活躍するアイテムです。

ですが、明るすぎたり大きすぎると周りの迷惑になってしまうため、その明るさ具合や色味にも配慮する必要があります。

赤系のライトを利用すると、周りの人たちの撮影を邪魔することもなく、迷惑がかかりません。

花火撮影のためのおススメ撮影方法

花火撮影のための準備が整ったら、あとは撮影そのもののコツを掴むだけです。

コツを掴むことができれば、難しいと言われていた花火の写真も、上手に撮影することができるようになります。

構図に気を付ける撮影

花火のバッグにくるものは真っ黒な夜空となるため、特別な構図を考える必要はありませんが、花火を大輪の花のように美しく写真に収めるには、画面いっぱいに花火を映し出す構図がオススメです。

特に初心者にはおススメの構図でもあり、できるだけ大きな花火を画面いっぱいに撮ることで、花火のダイナミックさや臨場感をしっかり映し出すことができます。

バルブモードで撮影をする

バルブとは、撮影モードの1つであり、シャッターボタンを押している間だけシャッターが開くという撮影モードです。

花火が打ち上げられてから夜空に散ってしまうまで数秒ほどかかるため、花火の撮影には欠かせない撮影モードであり、シャッターが開いている時間を調整することで、花火をよりきれいに撮影することができます。

バルブ(B)機能が搭載されていないカメラで花火を撮影する際には、「Mモード」で絞値やシャッター速度を設定しながら撮影する方法も効果的です。

Mモードでシャッタースピードを30秒以上に設定すると、バルブ撮影にできるものもあります。

ISO感度とF値を駆使して撮影する

花火が打ちあがるような暗い場所での撮影は、オート設定で撮影してしまうと、自然に感度が上がり画質が荒くなってしまいます。

花火という被写体そのものが明るいことも考えると、ISO感度は100に設定し、F値は11~13にするのがベストです。

花火が暗すぎる場合はF値を8~10あたりに、明るすぎる場合は16~18に設定するなど、花火の明るさを8~18程度の範囲を基準としたF値で微調整すると、いい写真を撮ることができます。

ピントに気を付けて花火を撮影する

花火の撮影では、ピントをマニュアルフォーカス(MF)に合わせますが、いきなり打ち上げられた花火にピントを合わせるのは、初心者には至難の技でもあります。

そのため、最初の数発の花火は、ピントを合わせるための撮影にすることがオススメです。

もしくは、まずはオートフォーカス(AF)でピント調節をして、その後本番前にマニュアルフォーカスに切り替えるという方法もあります。

シャッターのタイミング

花火の撮影は、シャッターを押すタイミングも重要となってくるため、打ち上げられる花火の特性を把握することも必要不可欠です。

だからこそレリーズを使えばとても便利なわけですが、5~10秒シャッターもしくはレリーズを押し続けると、幾重に重なった花火を映し出すことができます。

スターマインのような連発して打ち上げられる花火を撮影する際には、シャッターを押し続ける時間は短めがオススメです。

バルブ撮影にすると、シャッタースピードも露出も調整する必要がなく、集中して写真撮影することができます。

花火の写真撮影についてのまとめ

  • 花火は一瞬で消えるからこそ美しいものですが、その美しさを写真におさめ、また後日改めてその美しさを堪能したい、と誰もが思いますよね。
    一瞬だからこそ、その瞬間をカメラに収めることに意義があり、うまく撮影することができれば、その美しさを季節に関係なく楽しめるうえに、他の
    人と共有することもできます。
  • 被写体としては特異性の強い「花火」を写真に収めるためには、それなりの準備と知識、ちょっとしたコツが必要です。
  • 花火撮影に適したカメラの設定を学んだり、撮影に必要となる機材を準備したりと、何かと手間暇かかりますが、この手間と暇があるからこそ、美しい花火を写真に収めることができるのです。
  • わずかな手間暇を惜しまず、適切なカメラの設定を知ることで、よりいっそう美しい花火を写真におさめることができます。