腕時計は種類によって電池の寿命が大きく変わってきます。
そのため、2年間で電池が切れるものもあれば、10年間使っても電池が切れないものまで幅広く存在します。
3年で電池が切れたとして、それが正常なのか異常なのか知るためには、腕時計の電池寿命の目安を知っておかなくてはなりません。
目安通りの期間、電池がもったのであれば電池交換だけでOKです。しかし、目安よりも大幅に短い期間で電池が切れてしまった場合には、どこかに異常があるかもしれません。

ここでは、腕時計の種類別の電池寿命、1年以内に電池切れを起こす理由と対策方法、電池切れを知らせるEOL機能、オーバーホールの頻度について紹介しています。
電池寿命の目安と電池が切れた際の正しい処置を学んで、電池切れの心配を減らしましょう。

腕時計の種類別 電池の寿命

腕時計の電池寿命は、腕時計の種類によって違います。特に電池の種類による差が大きいので、最初に確認しましょう。
基本的には、「酸化銀電池」と「リチウム電池」の2種類が使われます。

特殊な機能が付いていない腕時計は、1.5Vという低電圧で十分なので酸化銀電池が用いられます。
カレンダーやストップウォッチなど多機能な時計になると、高電圧が必要なので3Vのリチウム電池が採用されることが多いです。

腕時計の種類別 
電池の寿命
特徴寿命
3針時計3針時計とは、時針・分針・秒針がある時計です。ビジネス向けの腕時計に採用されやすいので、多くの人が持っているでしょう。

3針時計は、秒針が毎秒動くので電池の消耗が激しいのが特徴です。酸化銀電池なら2~3年、リチウム電池使用なら5~10年程度で電池が切れるのが一般的です。
古いムーブメント(腕時計を動かすためのエンジン部分)を採用している腕時計や、カレンダー表示などの機能が付いている腕時計は電池の消耗が激しいので、もう少し短くなることを想定しましょう。
2針時計2針時計とは、時針と分針だけの時計です。時計としての機能よりも、デザインを重視したドレスウォッチに多くなっています。分針が1分に1回動くだけなので、3針時計よりも電池寿命が長いのが特徴です。電池寿命は2~5年程度です。
クロノグラフクロノグラフとは、ストップウォッチ機能付きの腕時計です。
使い方によって大きな差が出ますが、1年ほどで電池が切れてしまうこともあります。スポーツなどで使われるストップウォッチはデジタル表示ですが、アナログの腕時計では針で時間を表示します。電池の消耗が激しいのが特徴です。
どれだけ電池寿命が短くなるのか、針の回転数から見てみましょう。
一般的な三針時計が1時間に回転する回数は、時針が1/12回転、分針が1回転、秒針が60回転です。これを合計すると、約61回転になります。

しかし、ストップウォッチ機能を使うと、61回転に加えて、スモールセコンドが60回転、30分積算計が2回転、12時間積算計が1/12回転です。これを合計すると、約62回転になります。
常にストップウォッチ機能を使っていると仮定すると、一般的な3針時計の倍の速度で電池が消耗していく計算です。
もちろん、ストップウォッチを使いっぱなしという人は少ないですが、ストップウォッチを使えば使うほど電池寿命が短くなることは覚えておきましょう。
デジタルG-SHOCKのようなデジタル表示の腕時計は、電池寿命の長いリチウム電池を使用していることが多いので、一般的な使い方で3~5年程度もちます。盤面を明るく照らすバックライト機能・ストップウォッチ機能・アラーム機能は電池を消耗するので、電池寿命を気にする場合は使用を控えましょう。

1年以内に電池交換ならオーバーホールがおすすめ

1年以内に電池が切れてしまった場合は、最初に「モニター電池かどうか」を疑いましょう。

新品で購入した腕時計に入っている電池はモニター用なので、寿命が短く早めに切れてしまうのが普通です。1年以内に電池が切れてしまっても、どこかが壊れているとは限りません。

モニター用電池ではないのに1年以内に電池が切れるようなら、何かしらのトラブルを抱えている可能性が高いため、時計屋やメーカーでの点検がおすすめです。

ムーブメントはどの部品もぴったりサイズで設計されているので、本当に隙間がありません。歯車に付いた汚れは隙間を埋めてしまうので、無理やり動かすためには通常の数倍の電池を消耗するのです。

また、5年以上など長期間使用した時計は、歯車の潤滑油が劣化していることが多いです。潤滑油が不足している場合も、歯車を回す力が普段以上に必要になるので、内部の汚れ同様に電池が消耗します。

「潤滑油の劣化」と「内部の汚れ」が電池消耗の原因の場合は、電池交換だけでは電池寿命の改善にはなりません。

メーカーや時計店でオーバーホールをお願いして、潤滑油の交換や補充や、内部汚れの除去をしてもらいましょう。

電池切れを知らせてくれる機能

一般的な腕時計は、電池が減ってきても見た目では判断できず、電池がなくなった瞬間に突然止まってしまいます。

特に仕事中に止まってしまうのは困りものです。ビジネスマナーとしてスマホで時間を見るのは失礼になるので、腕時計の電池が切れない工夫が必須です。

この様な場合は、電池が減少すると電池交換を促す表示が出る「EOL機能( end of life indicater )」を持った時計を選びましょう。

EOL機能を持った時計は電池残量が減ってくると、予兆として下記のような挙動を示します。

電池の減ったEOL機能つき時計の挙動
【アナログ】時間は合っているのに3~5秒おきに大きく秒針が動く
【デジタル】特定の場所が点滅or点灯

これらの表示があってから1日で電池がゼロになる時計もありますが、10日程度もつ腕時計も存在しますので、自分に合ったものを選んでください。

アナデジ時計というものもあるため、ぜひこの記事を読んで知ってみてください。

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3~5年に一度のオーバーホールがおすすめ

どれだけ高価な自動車でも整備が必要なように、優れた時計であってもオーバーホールが必要です。
大切な時計なら電池交換と内部点検を兼ねて、3~5年に一度は時計店やメーカーでのオーバーホールを行いましょう。
オーバーホールの料金は、時計の価格に比例していることが多いです。

高級な時計はオーバーホールが高額になるので、新しく腕時計を購入する際はオーバーホールの料金も考慮するのがおすすめです。

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腕時計の電池の寿命についてのまとめ

  • 腕時計の電池寿命は、使用されている電池の種類によって大きく変わります。まずは、使われている電池の種類を確認しましょう。
  • 【酸化銀電池】短い(2~3年程度)
    【リチウム電池】長い(特に長いものは10年程度)
  • また、時刻を表示する方法によっても、電池寿命に差が出ます。3針時計・2針時計・クロノグラフ・デジタルといった種類があります。
    【3針時計】短い(2~3年程度)
    【2針時計】長い(2~5年程度)
    【クロノグラフ】短い(使い方によっては1年程度)
    【デジタル】長い(3~5年程度)
  • 電池が1年以内など、想像以上に速く切れてしまう場合は、下記の点を確認してください。購入してから一度も電池交換をしていない場合は、電池寿命の短いモニター電池が入っているので腕時計自体に問題が無いことが多いです。
    1.モニター電池が入っていないか?
    2.内部に汚れが溜まっていないか?
    3.潤滑油は劣化していないか?
  • 仕事用として使う腕時計の場合は、商談中などに電池が切れてしまうと困るので、電池切れを知らせてくれる「EOL機能」を搭載した腕時計を選びましょう。
  • また、メーカーや時計屋にオーバーホールをお願いすることで、電池交換と同時に内部の汚れや潤滑油のチェックをしてもらえます。これからも長く愛用していきたい腕時計は、3~5年に一度はオーバーホールを行いましょう。