こちらの記事は2021年11月11日に加筆修正いたしました。
ここでは、スピーカー選びの基礎知識と、おすすめのブックシェルフスピーカーについて解説します。
この記事を読むことで、自分に合ったスピーカー購入の検討が出来ます。
目次
ブックシェルフスピーカーとはなにか?
ブックシェルフスピーカーとは、bookshelf=書棚に設置できるほど小さいスピーカーのことをさします。
スピーカーには床に直接置くフロア型や、のっぽでスリムなトールボーイ型などがありますが、それ以外のスピーカーをブックシェルフ型でひとくくりにすることもあります。
かつてオーディオ市場でブックシェルフ型といえば、オンキヨーD-77NEのようなフロア型に迫る大型サイズが主流でした。
しかし、現代のブックシェルフスピーカーは、本棚に置けそうな小型サイズが主流になっています。
スピーカーを選ぶ上で知っておきたい用語
インピーダンス
スピーカーの電気抵抗をインピーダンスと呼びます。
インピーダンスはスピーカーの音質とは無関係ですが、数値が低いと電気抵抗が増えるため、アンプ(出力を増幅させるオーディオ機器)に負荷がかかってしまい、出したい音量がに届かないという事態につながります。
オーディオスピーカーでは6Ω(オーム)が主流ですが、8Ωや4Ωのモデルも少なくありません。
アンプが非力な場合は、8Ωのスピーカーがおすすめです。
出力音圧レベル
出力音圧レベルは、1W(ワット)の出力で特定の音を再生したとき、正面1mの距離で聞こえる音の大きさをdB(デシベル)という単位で示した数値です。
「88dB/W/m」または「88dB」などと表記されます。
出力音圧レベルが大きいと、アンプの出力が小さくても大きな音を奏でることができます。
メーカーによっては「定格感度レベル」「能率」などと表記している場合もあります。
再生周波数帯域
再生周波数帯域(または周波数特性)は、スピーカーが再生できる低音から高音までの音域を示す数値です。
周波数帯域が広いほど性能がよいことをあらわします。
定格入力と最大入力
定格入力は、スピーカーをずっと鳴らしつづけても壊れない限界の入力レベルを差す言葉です。
最大入力は、鳴らしても短時間であればスピーカーが壊れない入力レベルを表します。
定格入力と最大入力は、「許容入力」「最大許容入力」などと表記されることもあります。
ターミナルとバナナプラグ
スピーカーにケーブルを接続する金具を「ターミナル」といいます。
安価なスピーカーのターミナルは、被覆を剥いたケーブルの端を細い穴に刺してクリップではさむか、ねじで閉めるタイプが大半です。
しかし、本格的なスピーカーになると、バナナプラグというスピーカーケーブル専用の金具に対応しています。
バナナプラグはソケット式で、抜き差しが容易なことと、極太ケーブルでも簡単に接続できるというメリットがあります。
バナナプラグを使いたい方は、スピーカーのターミナルをチェックするとよいでしょう。
アンプが必要なモデルはなにか
スピーカーには、アンプを内蔵したパワードスピーカー(またはアクティブスピーカー)と、アンプを持たない通常のパッシブスピーカーがあります。
パッシブスピーカーの場合、アンプがないと再生できません。
一方、アクティブスピーカーはアンプを内蔵しているため、別のアンプは不要です。
音質やオーディオシステムとしての発展性はパッシブスピーカーの方が有利ですが、アクティブスピーカーにはアンプが不要というメリットがあります。
アンプを購入する際は間違えないように注意が必要です。
ブックシェルフスピーカーの設置方法
ブックシェルフスピーカーは性能の違い以外にも、置き方や置く場所によっても音は大きく変わるため注意が必要です。
スピーカーを置くときに注意すべきポイントには以下の3つがあげられます。
- 二つのスピーカーの間の距離
- スピーカー周辺の空間
- 置いた場所の振動しやすさ
自然な音の広がりを楽しむためには上記のポイントに注意してスピーカーを置くのが大切です。
以下ではそれぞれのポイントについて解説します。
二つのスピーカーの間の距離
スピーカーを左右で二つ配置する場合は、間隔が離れすぎず、近すぎない適切な距離に保つのがポイントです。
音楽や映画などが意図していた音響を鳴らすためには、自分の位置と左右のスピーカーそれぞれの位置を頂点として正三角形を作る形で置くと、自然な音の広がりを感じることが出来ます。
一般的に、スピーカー同士の距離は1m~2mほどの空間を設ける事で、適切なステレオ効果を発揮することが出来ます。
スピーカー周辺の空間
スピーカー周辺の空間があるかどうかにも注意が必要です。
スピーカーは狭い場所だと音が広がらず、意図しない反響が生まれてしまい、音がこもった印象になってしまいます。
スピーカーの前や横には物や壁が無い空間を作るのがポイントです。
スピーカー前方に壁がない空間が広がっているのが理想です。
余計な物を置かないのもポイントで、音の邪魔になるものがない事で、自然な音を出すことが出来ます。
置く場所の振動しやすさ
スピーカーを置く場所の振動しやすさもポイントです。
振動しやすい場所にスピーカーを置くと、台となっているものがスピーカーの音による振動を増幅させ音の響きが増します。
角が取れて柔らかい音の印象になり、空間の広がりを感じさせる効果が加わります。
クラシックなどの曲は臨場感や空気感が強まりますが、クリアな音の印象は薄れてしまう事に注意が必要です。
台となる場所が固い場所にスピーカーを置いた場合は、振動による共鳴が起こりづらくスピーカー本来のクリアな音を聴くことが出来ます。
振動しやすい場所に置いたときよりも、特に低音がくっきりとしやすいため、ロックやポップスなどの低音が重要な曲に向いています。
ペアで1万円前後のおすすめスピーカー
デノンSC-N10は透明感ある音を出す工夫が詰まっている
デノンSC-N10は、原音に忠実で透明感の高いサウンドが特徴のスピーカーです。
スピーカーユニットを支えるバッフル板に厚みを持たせることにより、発生する振動が低減し、再生音を濁してしまいがちな共振を抑えているのが魅力です。
ケース部分には箱鳴りを抑えるための補強材が加えられているため、高解像度な音を鳴らすのに役立っているなど、クリアな音を鳴らす工夫が詰まっています。
ケンウッド LS-NA7は小さいながらも響きに魅力があるモデル
ケンウッド LS-NA7は、横幅約10㎝というコンパクトさが特徴のハイレゾ対応スピーカーです。
外装にはMDF補強材を採用しているため、サイズを超えた響きが実現されています。
高音質なネットワーク回路と、バナナプラグ対応の金メッキ大型ターミナルの採用により、音の解像度の向上と音場空間の広がりが備わっています。
YAMAHA スピーカー (ピアノブラック) 2台1組 NS-BP200BP
YAMAHA スピーカー (ピアノブラック) 2台1組 NS-BP200BPは豊かな低音を奏でる深型スタイルスピーカーです。
バッフル面の横幅と高さをコンパクトに抑えて奥行を長く取った独特の深型スタイルのプロポーションにより、キャビネット容量を確保し、サイズを超えた豊かな低音再生を実現。
ペアで実売3万円前後のおすすめスピーカー
パイオニア HM86-LRは特徴的な本体デザインが魅力
パイオニア HM86-LRは、理想の振動板を追求しウーファーには高剛性グラスファイバーを採用のスピーカーです。
高効率が特徴の高音スピーカーと、低音の出がよい工夫のされた低音スピーカーにより、豊かな音質を楽しむことが出来ます。
ケンウッド LS-NA9は高音スピーカーに特徴がある
ケンウッド LS-NA9、横幅わずか10cmのコンパクトなスピーカーです。
高音スピーカーは40kHzまでの超高域に対応しており、繊細で高解像度な音質が出すことが出来ます。
ペアで実売5万円以上のおすすめスピーカー
Debut B5.2はクリアな音を出す工夫が魅力
Debut B5.2は、クリアな音をスピーカーに求める方におすすめです。
振動版に高機能繊維である「アラミド・ファイバー」を採用しており、軽量かつ高強度で切れ味のよい低音が出すことが出来ます。
共振対策も施されているため、音のひずみが発生しずらい点も魅力でしょう。
ブックシェルフスピーカーについてのまとめ
- ブックシェルフスピーカーとは、本来は書棚に置ける小型スピーカーのことをいいます。
- ブックシェルフスピーカーのサイズに決まりはありません。
- ブックシェルフスピーカーには、アンプ内蔵のアクティブ型と、アンプに接続して使うパッシブ型スピーカーがあります。
- パッシブ型スピーカーはHiFiオーディオ用スピーカーでは主流を占めるモデルです。