加筆修正箇所
・天体望遠鏡の選び方に下記の項目を追記いたしました。
架台で選ぶ
・以下の項目を2020年4月1日の情報に更新いたしました。
屈折式天体望遠鏡のおすすめ
反射式天体望遠鏡のおすすめ
カタディオプトリック式天体望遠鏡のおすすめ
この記事では、天体望遠鏡の種類の説明や商品選びのポイント、実際のおすすめ商品を解説します。
天体望遠鏡は、敷居が高いイメージが強い品物ですが、現代ではリーズナブルで操作も簡単な製品が少なくないため、子供から大人まで手軽に楽しむことができます。
この記事を読むことで、天体望遠鏡について理解を深めることができ、ご自身にあった天体望遠鏡の購入を検討することができます。
目次
天体望遠鏡の種類
天体望遠鏡は、「鏡筒(きょうとう)」と呼ばれるレンズが入っている筒の部分と、それを支える「三脚」鏡筒と三脚を繋ぐ「架台(かだい)」の3つで構成されています。
天体望遠鏡の性能と直結する中心部分の鏡筒は、大きく分けて「屈折式」「反射式」「カタディオプトリック」の3種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。
屈折式は初心者や子供におすすめ
「屈折式」の天体望遠鏡は最もシンプルなタイプで、レンズによる光の屈折を利用して像を見る方式です。
望遠鏡の向きと見たい方向が一致するため、目的の天体を捉えやすいことや、メンテナンスがほぼ不要なため、初心者や子供におすすめのタイプです。
欠点として、「色収差(いろしゅうさ)」と呼ばれる、レンズで像を写す際に色ズレが発生してしまう現象や、口径が大きい(高性能な)ものほど、鏡筒が長く、重量も重くなっていくことが挙げられます。
反射式は扱いになれている人におすすめ
「反射式」の天体望遠鏡は、「斜鏡(しゃきょう)」と呼ばれる鏡で、鏡筒の内部で像を反射させているタイプです。
その特徴から、口径が大きくしやすいため、屈折式と比べて天体がはっきり見えることや、色収差が発生しないことがメリットとして挙げられます。
一方、覗く方向と対象を写す方向が異なるため、観測方向の位置取りが難しいことや、メンテナンスが必要であることから、ある程度天体望遠鏡の扱いに慣れた方や、知識を持っている方におすすめです。
カタディオプトリック式は高性能だが扱いに注意が必要
少し複雑な名前の「カタディオプトリック式」の天体望遠鏡は、屈折式と反射式のメリットを合わせ持ったタイプです。
鏡筒がコンパクトであるため、持ち運びがしやすく小回りが利き、色収差も発生しにくいことが利点です。
しかし、温度変化や強い衝撃によって光軸にズレが発生した場合、個人でのメンテナンスが困難であるため、専門業者に修正依頼をする必要があります。
天体望遠鏡の魅力
都市部では、肉眼で満天の星空を見ることはなかなかできません。
しかし、レンズを通して星を見れば、肉眼で見る夜空とは違い、明るい星であれば時間や場所を気にせず容易に見ることが出来ます。
光の弱い星々も見たい場合は、時間帯や環境を気にする必要がありますが、天体望遠鏡で夜空を覗けば、都会でも星を眺める体験ができます。
天体望遠鏡の選び方
持ち運びのしやすい天体望遠鏡を選ぶとよい
設置スペースが必要な天体望遠鏡は、事前に重量やサイズをチェックするとよいでしょう。
ベランダなど狭い場所に設置する場合はもちろん、屋上や外へ持ち運びする場合には、できるだけコンパクトに収納できるタイプがおすすめです。
目的に合わせた種類で天体望遠鏡を選ぶ
初めて天体望遠鏡を使う場合は、屈折式が使いやすいためおすすめです。
天体望遠鏡の扱いに慣れて、はっきりとした天体を観察したくなった場合、反射式やカタディオプトリック式の購入を検討すると良いでしょう。
倍率や対物レンズの口径で天体望遠鏡を選ぶ
よりはっきりと天体を見たい場合は、「対物レンズ」(鏡筒の一番前についているレンズ)の口径が大きいものを選ぶとよいでしょう。
対物レンズの口径が大きいほど、より多くの光を集めることができるため、明るくはっきりと星を見ることができます。
倍率だけに注目しがちですが、高すぎる倍率設定はぼやけて見えてしまったり、暗く見えてしまうなど、高ければ高いほど良いというものではありません。
倍率については適正な倍率であることが大切です。
架台で選ぶ
天体望遠鏡に必要な架台には、経緯台と赤道儀の2種類があります。
経緯台は、構造がシンプルで上下左右はもちろんのこと、水平や垂直にも動かせるタイプです。
難しい設定も必要なく、軽量で動かしやすいため、子供が使用する場合や簡単な天体観察におすすめです。
しかし、星の位置に自動で調整してくれる機能はないため、一つの星を長時間の観察したい方などには向いていません。
赤道儀は、地球の動きに自動で合わせてくれるタイプです。
時間の経過で動いていく星と共に一緒に動いてくれるため、長時間の観察に非常に向いています。
しかし、価格が高価であることや、基準を北極星に合わせる「極軸合わせ」という初期設定を行わなければならないため、天体観察初心者の方や複雑な構造や難しい「設定が苦手な方には向いていません。
それぞれ特徴が異なるため、自分の目的や使いやすさに合わせて選ぶようにしましょう。
機能性で天体望遠鏡を選ぶ
より天体観測楽しむためには、付加機能も注目したい点です。
スマホ撮影用のアタッチメントが付属しているものであれば、撮影した写真をそのままSNSやTwitterなどに投稿することができます。
星の情報を入力するだけで、自動で目的の星を追尾してくれる「自動導入機能」を持つ製品もあります。
ご自身の目的や用途によって付加機能を選ぶのも、天体望遠鏡選びの楽しみの1つでしょう。
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天体望遠鏡を使用する際の注意点
天体望遠鏡の使用の際には、絶対に太陽を見ないようにする必要があります。
太陽の強い光により失明の恐れがあるため、子供が使用する際は特に注意が必要です。
屈折式天体望遠鏡のおすすめ
MEADE 天体望遠鏡 ETX-80
MEADE 天体望遠鏡 ETX-80は、ハンドコントローラーが付属しており、30000を超える星の中から自分が見たい星を探し、望遠鏡に導入することが可能です。
コンパクトなサイズで、持ち運びも楽に行うことができます。
口径80mmの対物レンズを使用しているため、広範囲の星を観察できるでしょう。
Kenko 天体望遠鏡鏡 NEW Sky Explorer SE200N
Kenko 天体望遠鏡鏡 NEW Sky Explorer SE200Nは、従来の製品ではコントローラーが英語仕様でしたが、日本語仕様となりより使いやすくなりました。
USBケーブルを使用すれば、パソコンとの接続が可能になり、パソコンと連動させることが可能となっています。
日修運動に合わせて、目的の星を追尾できるため、1つの星を長時間観察したい方にもおすすめです。
NATIONAL GEOGRAPHIC NAG 90-11100
NATIONAL GEOGRAPHIC NAG 90-11100は、スマホで天体を撮影できるアダプタが付属した商品です。
三脚はアルミ製で軽量なため持ち運びも楽に行うことができ、組み立ても工具を使用せずに行えます。
付属のエレティングレンズを使用すれば、上下左右の補正も簡単に行えるため、地上の対象物の観測も可能です。
反射式天体望遠鏡のおすすめ
レイメイ藤井 RXA190
レイメイ藤井 RXA190は、 星どこナビというアプリに対応しており、観察したい星の方向を音声などで知らせてくれるミラクルファインダーや、手ブレがなく天体の撮影を行えるカメラモードなどを使用できます。
図解付きの取扱説明書が付属しているため、扱い方がわかりやすく子供の自由研究などにも使用しやすいでしょう。
主鏡有効径が114mmと大きいため、鮮明に星を観察することが可能です。
NATIONAL GEOGRAPHIC NAG 80-10114
NATIONAL GEOGRAPHIC NAG 80-10114は、主鏡径114mmで月や土星などの観測に向いている商品です。
微動ハンドルを使用すれば、観測したい天体を簡単に手動で追尾できます。
2種類のアイピースを取り換えるだけで、倍率を簡単に変更できます。
MEADE EQM-114
MEADEのEQM-114は、口径114mとハイスペックで、お手頃価格な反射式天体望遠鏡です。
天体の追尾がしやすいように赤道儀がセットになっており、安定性の高いワンタッチ式のスチール三脚を採用しているのも魅力です。
観測初心者の方でも使いやすいでしょう。
カタディオプトリック式天体望遠鏡のおすすめ
MEADE ETX-125
MEADE ETX-125は、大口径の127mmマクストフカセグレン式望遠鏡を搭載しているため、明るく鮮明に星を観察できます。
コンパクトでありながら、長焦点距離なため、惑星の観察にも向いているでしょう。
別売りのアダプタとTマウントを使用すれば、一眼レフで星を撮影できます。
天体望遠鏡についてのおさらい
- 天体観測にかかせない天体望遠鏡は、現代ではリーズナブルで操作もわかりやすい商品が数多く販売されており、子供や初心者でも楽しむことができます。
- 商品選びの際は、屈折式・反射式・カタディオプトリック式それぞれの特徴を理解し、より鮮明に見たい場合は対物レンズの口径や集光力をチェックしたり、自動追尾機能の有無を確認したりするなど、用途や目的にあった天体望遠鏡選びをすることが重要です。