屋根や外壁を塗装する際、必要となるのが『足場』です。しかし、業者に依頼すると足場代として、それなりの費用がかかってしまいます。

この記事では、外壁塗装の際に使う足場の相場価格について解説します。

この記事を読む事で、外壁塗装依頼の際の正しい知識を身につけることが出来ます。

外壁塗装の際に足場が必要な理由

塗装する人の安全確保

足場と足場にかけるシートは、作業する人の安全を確保してくれます。

脚立や、上からぶら下がっても塗装ができるのではないかと考える人も少なくありません。

しかし、高い場所での作業になるため、万が一のとき足場がしっかりと組まれていなければ、安全性が保たれないため足場が必要になります。

近所にも迷惑がかかりにくい

足場を組み立ててシートを張ると、塗料の飛び散りを最小限に防げる効果もあります。

仮に足場を組まずに外壁塗装をしており、事故で塗料が他の家に飛んでしまった場合、塗装業者の工事保険は適応されないことが多いため、実費で依頼主に請求がくる事になります。

足場を設置するのが普通であるため、安全性を怠ったとして業者の過失となり、保険適応外になる場合が多いため注意が必要です。

丁寧に塗装できる

足場を組むことで、高いところでもしっかり近づいて塗ることができます。

脚立などでは届かない場所も、足場があれば近くまで行くことができるため、綺麗に隅々まで塗ることが出来ます。

足場の相場価格は20万円前後

戸建て住宅の場合、大きさによって異なりますが、20万円前後が足場代としてかかると考えておくと良いでしょう。

屋根や外壁の塗装工事でかける足場代は、足場をかける面積1㎡あたりの単位を元に算出されます。

足場をかける面積とは、「足場の外周の長さ × 足場の高さ」で求めることができます。

1㎡あたり700〜1000円くらいが一般的な相場ですが、業者によってこれよりも安い場合や高い場合があるため、しっかり確認しておくことが大切です。

足場代に含まれる費用として、足場に使うシートの建設、解体、足場のメンテナンスなどがあります。

足場の種類

クサビ(ビケ)足場は現代で主流の足場

クサビ(ビケ)足場は、現代で主流の足場です。足を乗せる部分の板が幅広く、安全性が高い事が特徴です。

組み立てや解体も簡単なため、効率的であることが魅力です。

組む際にハンマーで叩いて固定するため、揺れも少ない事も特徴で、住宅の外壁塗装に適しています。

パイプ(単管)足場は狭い場所で使われる

パイプ(単管)足場は、2本のパイプの上に足を乗せるタイプの足場で、職人たちが常に意識を集中させていないと落下の危険性がある足場です。

現代では、ほとんど使われなくなりましたが、クサビ(ビケ)足場では幅を要するため、狭いスペースなどで今も用いられています。

パイプ(単管)ブラケット足場は揺れやすく組み立て時間がかかる

パイプ(単管)の足場に、『ブラケット』と呼ばれる金物を使って板を取り付けた形のものです。

ボルトを締めて組み立てる点が、クサビ(ビケ)足場と異なります。

板があるため、パイプ(単管)足場よりはバランスが取りやすく安定していますが、組み立て方によっては揺れやすくなるという欠点があります。

一つ一つボルトを締めて組み立てていくため、時間がかかるのも欠点です。

足場なし・足場代無料の際の注意点

業者によっては『足場なしで塗装工事を行います』や、『足場代無料!』と広告を打っている所もあるでしょう。

しかし、足場代が相場よりも相当安い場合は注意が必要です。

一般的に足場を組むために1日、解体するのに半日はかかる所を、スピーディーにこなすため安く済むと説明をうける場合も少なくありませんが、ある程度ずさんな作業になると思った方が良いでしょう。

足場の組み立てを慎重に行わないと、隣の家に迷惑をかけてしまう可能性があります。

足場代が安く済んでも、迷惑をかけた後の対処に追われることも起こり得ます。

また、足場代無料を謳っている業者の場合は、足場代が本当に無料になったのではなく、すでに提示される料金に足場代が含まれている場合が少なくありません。

足場の値段にばらつきが出る理由

業者や地域によって、足場の値段にばらつきが出る時があります。

以下の場合では、通常よりも単価が高くなりやすいため注意が必要です。

マンションや高層の建物の場合
組み立てる足場の高さや、足場の材料の運搬費などが通常の戸建て住宅よりもかかるため、㎡あたりの単価が高くなります。
階段がある家
道路から家まで高低差があり、階段が多い家の場合、足場を組むのが大変です。資材もたくさん必要になるため、必然的に足場の単価が高くなります。
足場の種類の違い
前述の通り、足場には3つの種類があります。住宅の高さや周りの広さによって使う足場が異なるため、料金設定も変わります。
業者の違い
業者によっても値段が異なります。足場材を自社で所有していていつでも使える業者もあれば、注文が入ってから下請け業者に頼むケースもあります。費用や人件費によって価格が変動します。
工事が長引いたとき
足場は組み立てと解体に時間と労力がかかり、人件費や材料費として金額が発生します。外壁塗装工事が予定よりも長引いてしまっても足場を崩すわけではないため、足場代が高くなることはありません。もしも業者から、工事の延期によって足場代を高くされた場合は、正当な理由がないため注意が必要です。

足場を組む時の注意点

足場を組む場所

庭に植物があったり、隣の家との感覚が狭かったりする場合は、慎重に足場を組まなければなりません。

車の移動があるところに足場があると大きな事故になりかねないため、気をつけて運転する必要があります。

賠償責任保険に加入しているかどうか

請負業者が、賠償責任保険に加入しているかどうかを事前に確認しておく必要があります。

請負業者が工事中の事故で他人に怪我をさせてしまったり、他の家のものを壊してしまったりした場合に、賠償責任保険でカバーすることが出来できます。

万が一、事故などが起こり、他人の家に損害を与えてしまった場合に、賠償責任保険に業者が入っていなければ、近隣の家とのトラブルにもなりかねないためです。

瑕疵保険に加入しているとなお良い

瑕疵保険(かしほけん)とは、外壁塗装や外壁リフォームにおいて、「契約したものと違う工事をされた」「工事後すぐに何か問題が起こった」などの瑕疵(かし)に対して、第三者の目で確認し、欠陥があった場合に保険で賠償してくれるものです。

依頼者が泣き寝入りする事態にならないように、業者には瑕疵保険に入ってもらっていた方が安心です。

外壁塗装工事についてのまとめ

  • 足場代が安い、無料になる業者は注意が必要です。
  • 足場代が無料の見積もりには、明記しないだけで、すでに足場代が入っていることが多いため注意が必要です。
  • 足場には3種類ありますが、現代で主流なのは『クサビ(ビケ)足場』です。
  • 足場代は20万円前後、または外壁塗装工事費の約20%分です。